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マリオットホテルのマーケティングミックスと経営戦略について

こんにちは!最近シンガポールに行っていた著者です。その時滞在したホテルからインスピレーションを受け、今回はラグジュアリーホテル、そしてホテルといったら大手マリオットのマーケティング戦略について勝手に読み解いていきたいと思います(笑)

Marriott International

マリオット・インターナショナル(Marriott International)は、世界的なホテル運営企業であり、幅広いブランドポートフォリオを展開。1927年にJ.W.マリオットによって設立され、現在は米国メリーランド州ベセスダに本社を置く。世界中で多くのホテルブランドを所有、運営しており、さまざまな価値観、目的、予算に合った宿泊施設を提供。

マーケティング・ミックス

まずは基本となる重要要素ですが、マリオットのマーケティングミックスは、以下の4つの要素で構成されていると認識しています。

製品(Product): マリオットはラグジュアリーホテルを中心とした幅広いホテルブランドを提供しており、それぞれが異なるニーズや予算に対応しています。そのコアとなるのはまさにホスピタリティや顧客体験のところであり、顧客のさざまなニーズに応えるためにも、ホテル内の施設やサービスの品質向上にも注力している印象です。

マリオット・インターナショナルのポートフォリオには、以下のような有名なホテルブランドが含まれています:

このようにビジネス旅行者、観光客、ファミリー、長期滞在者など、様々なニーズを持つ顧客に対して、高品質のサービスと施設を提供しているのがマリオットの特徴かと思います。

価格(Price): マリオットは、各ブランドや地域の需要と供給に応じて適切な価格設定を行っています。高級ブランドでは高価な価格設定を行い、一方で経済的なブランドでは手頃な価格設定を行っています。また、マリオットはリワードプログラムや会員特典などのプロモーションを通じて、顧客に割引や特典も提供しています。

Marriott Bonvoy

販売促進(Promotion): マリオットは、広告、PR、デジタルマーケティング、ソーシャルメディアなどさまざまな手段を使用してブランドを宣伝しているほか、eWOM(word-of-mouth, 口コミ)戦略も強い印象。

Marriott Bonvoy Website

また面白いなと思うのは、マリオットホテルやクレジットカード愛用者はBooking.comやじゃらんといったOTA(Online Travel Agent)を介さずに直接公式予約サイトを経由して滞在先を検索したり予約したりしているのではないかなと考えています。星野リゾートでもホテルブランドによっては、OTAで出てこない客室もあリマスよね。他社OTAでも検索できるのに公式ウェブサイトから購入する動線を引っ張ることができているマリオット流石です。

場所(Place): マリオットは世界中に広がるホテルネットワークを活用して、顧客に便利な場所でサービスを提供しています。主要な都市や観光地、ビジネス地区などにホテルを展開し、顧客がアクセスしやすい位置に配置しています。特にパンデミック後には、アジアにおける新規ホテルの開設を強化しており、アジア太平洋地域全体で1087軒、中華圏以外のアジア太平洋地域で60軒以上のホテルをオープンしています。

Marketing Mix Modeling

主な競合グループ

マリオット・インターナショナルの主な競合ホテルは、同様に世界的なホテル運営企業である他のブランドです。以下は、マリオットにとっての主な競合ホテルグループです:

  1. Hilton Worldwide Holdings: ヒルトン、ウォルドーフ・アストリア、ダブルツリー、エンバシー・スイーツなどのブランドを運営。マリオットと同様に、幅広い価格帯と多様なサービスを提供。

  2. IHG: IHGは、インターコンチネンタル、クラウンプラザ、ホリデイ・イン、エクスプレス・バイ・ホリデイ・インなどのブランドを所有。世界中に展開し、ビジネス、観光、長期滞在などさまざまな需要に対応。

  3. AccorHotels: アコーホテルズは、ソフィテル、ノボテル、メルキュール、アイビスなどのブランドを運営。特にヨーロッパを中心に広範囲に展開しており、マリオットと競合する地域でも強力なプレゼンスを持つ。

  4. Hyatt Hotels Corporation: パークハイアット、グランドハイアット、ハイアットリージェンシー、アンドズなどのブランドを所有。高級ブランドを中心に、一流のサービスと施設を提供。

  5. Wynn Resorts: ウィンリゾーツは、高級ホテルやカジノを運営する企業であり、ウィン、エンコア、ウィン・マカオなどのブランドで、特にアジア太平洋地域での競争力を持つ。

これらの企業は、世界中でホテルブランドを展開し、マリオットと同様に多様な需要に対応しています。競合ホテルグループは市場での競争が激しく、顧客獲得と顧客ロイヤルティの確保のために様々な戦略を展開しています。

マーケティング戦略

マリオットの強みはデジタルマーケティングとハイパーローカル戦略。特にホテル産業は基本的に人と人で成り立つホスピタリティ産業であり、コロナ前だと特にデジタルとは疎遠な産業の1つといった印象でした。

中国市場におけるマーケティング戦略(2021)

2021年6月にマリオット・ボンヴォイは「パワー・オブ・トラベル」キャンペーンを展開。中国の国内観光市場の活況を受けて、中国の消費者の嗜好に合わせてグローバルキャンペーンを実施。様々な年齢層、職業、地域から10人の中国のセレブリティとKOLを起用し、旅行が彼らの人生にどのようなインスピレーションを与えているかを共有。特に中国の新年キャンペーンでは、中国の消費者とのつながりを強化した訴求を実施。

by Campaign (2022)
by Campaign (2022)

クリエイティブで魅力的なマーケティングキャンペーンを展開し、現地の消費者のニーズや嗜好に合わせたストーリーテリングを通じて、感情を揺さぶるキャンペーン戦略に成功。コロナ禍にも関わらず成功マーケティング事例は非常に面白いですし、勉強になります。

いつかの記事に記載しましたが、広告のコミュニケーション戦略にはCognitive response(認知)とBehavioral response(行動)の2種類が存在し、Cognitive response には更にInfomation, Emotion, Imagenaryの3つのタイプの広告がある話をお伝えしましたがマリオットの広告はまさにEmotion-basedですよね。

Marriott Bonvoy

そしてマリオットの凄い強みは、クレジットカードとポイントプログラム。カードの年会費は49,500円とお高めなのにも関わらず愛用する消費者が多い印象です。

  1. 宿泊特典: 会員は、特定のカード会員ランクに応じて、無料の客室アップグレード、レイトチェックアウト、無料の朝食などの宿泊特典を受けることができる。泊まらずに食事だけする時もマリオット系列ホテル内のレストランやバーは基本割引となる(例えばeditionでのアフタヌーンティーも15%offなど)。

  2. ボーナスポイント: 新規カード会員は、特定の条件を満たすことでボーナスポイントを獲得。期限なしのポイント還元率も3〜6%なので貯めやすい他、カード更新時に無料宿泊特典が毎度付与されるので年会費の元が取れるどころか1泊3.5万以上のホテルに泊まればプラスに(同伴者1もOK)。

  3. 国際旅行特典: 国際旅行者向けに特典を提供することがあります。例えば、海外でのショッピングやレストラン利用時にポイントが2倍になるなどの特典がある。またポイントをマイルに変えることも可能。

  4. 保険特典: マリオット・カードには、旅行傷害保険や旅行キャンセル保険、レンタカー事故保険などの保険特典が付帯している場合があります。

紹介URLはDMください:@study_insta1010

ということでいかがでしたでしょうか?今回は久々にマーケティングについて語りました。やっぱりマーケティング勉強するっておもしろいですよね!また他にもマーケティング関連記事を作っていけたらと思いますので、お楽しみにしててください。

参考


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