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【社会福祉士】がんになった場合の社会資源の活用について考えてみた

こんにちは。現役社会福祉士のタカヒロです。

ふと、思ったことが一つ。

note読んでいる人って、2~30代の方が多そう。
親が要介護状態になったとき、どうするんだろう。

と同時に、「若年者の介護」について考えてみました。

上記の2~30代の方は親の年齢も若く、一般的に高齢者と呼ばれる65歳に達していない方が多いと思います。

まだ若くて病気と無縁な印象を持たれている方がいるかもしれませんが、生活習慣の変化から5~60代の中年期でも脳血管疾患、心筋梗塞、がん以外に、生活習慣病と言われている糖尿病やストレスが原因で精神疾患を発症する場合もあります。

そうなると病気によっては介護が必要な状態になることもあります。

20代、30代で親が入院し介護が必要な状態になったら、どのような対応をしますか?どこに相談しますか?

 このnoteでは、突然介護が必要な状態になった親や親族に対して、今後の生活支援について、社会福祉士の立場から解説します。


50代でがん発症

50代といれば、まだまだ現役世代で職場内でも責任あるポジションまたは経営など会社の中核を担っている場合があると思います。

そのような方が突然病気にかかったら家族としてどう対応していくか。

中年期の疾患率が上昇している現代において、「まだ親は大丈夫」と思っている方が多いです。しかし、不測の事態はいつ起こるかわかりません。親や親族が病気になった場合のシュミレーションをしておくと、いざというときに焦らなくてよいと思います。
 

生活習慣病について

現在の日本では40~74歳までの間は高齢者医療確保法によって、特定健診を実施することになっています。また、健診の結果、一定の基準に当てはまる者に対して特定保健指導を実施しています。

指導対象になる病気として、高血圧・糖尿病・脂質異常症などです。また、生活習慣の改善も指導対象となっており、不適切な食事・運動不足・睡眠不足・喫煙習慣者が該当します。

なぜここまで国が、中年期の生活習慣病の改善に本気なのか。

それは、下記の通り。

「生活習慣病介護が必要となった主な要因の約6割」
「死因別死亡割合の約6割」
「一般診療医療費の約3割を占めている」

よって、医療財政的にも改善することで、将来の医療費を抑制することにもつながるからです。

併せて、がんを発症しても働きながら治療を継続できることを国が進めている政策の一つに挙がります。

がんの治療は何年もかかる治療と言われています。手術をしたから完治というわけではなく、転移のリスクを抱えながら生活をしなければなりません。

がんの治療方法や医療的な説明については、私の立場では説明することができません。ですが、先ほど述べた通り、がんというのは治療期間が長く年齢が若い方でも発症する病気ですから、就労支援やその後の経済面のサポートが必要不可欠です。


雇用の継続

まず雇用について説明します。

がんになったとしても、がん対策基本法にて、事業主には雇用継続に向けた配慮をすることが努力義務として明記されています。よって、現代においては「がん=クビ」とはなりにくい状況です。雇用を継続するためにはここだけでも押さえておきましょう。

がんの治療を継続していく上で、様々な症状が支障となります。

・ 抗がん剤の副作用によるだるさや疲れやすさ
・ 吐き気、食欲低下
・ 下痢や尿漏れの問題
・ 脱毛など

それらの症状について、できる限り職場と話し合いを持たれることをおすすめします。

職場に自身の症状を知ってもらうことで雇用環境上での配慮を検討してもらい、少しでも働くことへのストレスを緩和することが、治療と就労の継続へとつながります。症状をうまく説明できない場合は、ノートなどに記載し、職場の担当者と一緒に確認することも適当だと思います。


経済的問題

そして、がん患者にとって経済的な問題もあります。

入院費、通院費、薬代、その他実費でかかるものは多いです。就労することである程度カバーできますが、がんになり仕事をセーブしなくてはならない状況では、病前のような収入を確保できるかは不透明です。

そこで制度の活用が必要

入院したことがある方は経験があると思いますが、医療費の助成には「高額療養費制度」というものがあります。

これは同一月内に自己負担額を超える医療費の支払いがあった場合に超えた分を払い戻される制度です。

自己負担額の上限は課税状況によって個人差はあります。また、行政によっては全額支払い後に払い戻しではなく、初めから自己負担額のみの支払いでも可能という場合がありますので、お住まいの自治体へ相談されることが望ましいです。


公的助成制度の活用

他に「傷病手当金」というのもあります。

これは社会保険に加入している方が、業務外の理由によって病気やけがを負いやむなく休業した場合に、休業4日目から給与の約3分の2程度の手当金が支払われるというものです。

毎月、主治医に申請書を書いてもらう必要がありますが、給与の一部が入ることを考えれば、ぜひ活用したい制度の一つです。

その他にも様々な公的助成制度があります。

がんになることでこれからの人生に暗い影が出てきますが、上記に説明した制度等を活用しながら就労を維持することは可能だと思います。


おわりに

わからないことや不安なことも多いと思います。

そんなときこそ、治療先の主治医や医療ソーシャルワーカーへ相談されてみてください。

制度の説明や活用方法、職場との情報交換など支援できることは多いので、悩んだら一度相談されることをおすすめします。

では、今回はここまでとします。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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