帝王切開でできた2つの傷【海外で第一子出産】

私は先日帝王切開で第一子を出産し、
お腹に傷ができました。

そして、
同時に心にも傷ができたようです。

私が現在住んでいるのはカナダのトロント。
この土地で初めての妊娠と出産を経て、
女の子の育児をスタートさせました。
産後間もないので、
いわゆるマタニティブルーズというものなのか、
朝方になると毎日涙が出てきます。

今回は帝王切開での出産の記録を残したいと思います。

順調だった妊娠経過

妊娠経過はとっても順調でした。

カナダでは助産院が人気で、
なかなか見つからないこともあるようですが、
私は運よく助産院との契約ができました。

日本のような手厚い診察はありませんでしたが、
各検査で問題は見られず、
順調としか言いようがないマタニティライフでした。

自然分娩に向けての出産準備

妊娠初期は情報が少なく、
自分のお産がどうなるのか、どうしたいのか、
具体的に考えていませんでした。

その後、
定期的に助産師さんの検診を受け、
妊娠出産関連のYouTubeやブログを見あさっていると、
「自然分娩がしたい」と思うようになりました。

また、
妊娠経過が順調だった私は、
自然分娩になるだろうと勝手に思い込んでいきます。
会陰マッサージをしたり、
出産センターについて調べたり、
イメージトレーニングも自然分娩のことばかり。

丸三日間続いた陣痛

予定日を1週間以上過ぎた早朝、
ようやく陣痛が始まりました。

待ちに待った陣痛。
朝早かったので、
「今日中に生まれるかな」とワクワクしながら、
陣痛間隔が狭まるのを自宅で待ちました。

陣痛間隔は5分くらいに縮まったり、
また10分くらいにのびたり、
なかなか進みませんでした。

結局、
自宅から出産センターに移動できたのは、
3日目の夕方、
陣痛間隔3分と子宮口6cmという状況。
陣痛3日目で疲れていたのかもしれませんが、
赤ちゃんに会える喜びでテンションは高めでした。

陣痛促進剤とセットの無痛分娩

3日目の深夜、
助産師さんから心苦しそうに、
陣痛促進剤を打つために病院へ移動することを提案されます。
自然分娩への憧れよりも、
とにかく早く出産を終えたかったので、
助産師さんに従って、
すぐに出産センターを後にしました。

カナダでは、
促進剤と無痛分娩はセットなようで
病院について準備が整った4日目の朝方、
麻酔を打ってもらい、
3日間付き合った陣痛の痛みとおさらばしました。

痛みはないけど子宮収縮の感覚はある状態で、
静かに出産の時を待つことになります。

緊急帝王切開であっという間に誕生

4日目の午前中、
待てど暮らせどその時はやってこず、
とうとう帝王切開という言葉が出てきました。

まさか帝王切開になるとは思っていなかったので、
ショックはありましたが、
やはり早く赤ちゃんをお腹から出したい一心で、
帝王切開に合意しました。

すると決まれば早いもの。
ベッドに寝ているだけで、
たくさんのスタッフが手術の準備をし、
あっという間に手術が始まりました。

熱が出ていて頭がボーとしているせいか、
麻酔が効いて上半身が震えているせいか、
痛みはないけどかなり不快なコンディションの中、
赤ちゃんが生まれました。

今まで聞いたどんな声よりも、
美しくきらびやかな私の赤ちゃんの最初の泣き声は、
一生忘れられません。

誰かが私の胸の上に赤ちゃんを乗せてくれたけど、
間近で赤ちゃんの顔を見ることも、
自分の腕でしっかり抱きしめることもできませんでした。

産後1ヵ月間の経過

産後翌々日に退院するまでは、
ハイな状態のまま基本的に幸せな気分で過ごせました。
(義母がずっと病室にいるのが本当はちょっと嫌だったけど)

2週間の育休を取った夫も、
積極的に赤ちゃんのお世話と私の食事のお世話に努めてくれました。
最初の1週間は、
よく寝る赤ちゃんが可愛くて、
帝王切開の傷の痛みや母乳育児の乳首の痛みに耐えながら過ごしました。
2週目からは、
赤ちゃんがよく泣くようになり疲れてきたものの、
体は少しずつ回復していたので掃除や洗濯は自分でするようになりました。
3週目からは、
夫が職場復帰したので、
育児と家事をすべて受け持つようになりました。

いつからかお腹の傷や乳首の痛みだけでなく、
心がつらくて泣いていることに気づきました。
やっぱり出産施設で自然分娩がしたかった。
自然分娩でなくても自分でイキんで経腟分娩がしたかった。
生まれたての赤ちゃんをすぐに自分の腕で抱きたかった。

夫がいびきをかいて寝ている横で声を殺して涙します。
朝方の授乳後、
満たされて赤ちゃんが微笑む顔を見ると涙が止まりません。
一生懸命出てこようと頑張った赤ちゃんの頭にあるこぶを眺めながら、
「ごめんね」と言いながら。

まとめ

マタニティブルーズなのか、
帝王切開ブルーズなのかわかりませんが、
赤ちゃんに泣いたり、
夫に怒ったり(ここには書いていませんが)して、
産後の1ヵ月を過ごしました。

お腹の傷の跡はこれからも残りますが、すっかり痛まなくなりました。
心の傷はまだまだ痛むけれど、全く目には見えません。
助産師さんが産後の心のケアもしてくれたので、
少しずつ和らいでいっています。
夫にわかってもらえたら一番いいのに。

次の子について聞かれることもありますが、
今はそんなこと考える気にもなりません。
私の心の傷が完全に癒えて、
そんな傷があったことを夫がもう少し理解してくれてから、
計画が立てられるようになるのかなと思っている次第です。

妊娠出産産後の詳細については、
また別の記事に残したいと思います。

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