マガジンのカバー画像

あとできくやつ

17
運営しているクリエイター

2020年9月の記事一覧

“出てくる人や起こった出来事を私が断罪しない。”藤野可織『来世の記憶』を語る。

“出てくる人や起こった出来事を私が断罪しない。”藤野可織『来世の記憶』を語る。



これまでに書きしたためた20編の物語を集めた

藤野可織およそ3年ぶりの短編集、『来世の記憶』(KADOKAWA)。

2006年「いやしい鳥」で第103回文學界新人賞。

13年『爪と目』で第149回芥川龍之介賞。

そして14年『おはなしして子ちゃん』で第2回フラウ文芸大賞を受賞するなど

活躍を続ける藤野可織。

その最新作『来世の記憶』にあるのは“静か”で“ちょっと不思議”な物語たち。

もっとみる
“いっぱい色んなものを隠し、埋め、漂わせた物語”高山羽根子『首里の馬』を語る。

“いっぱい色んなものを隠し、埋め、漂わせた物語”高山羽根子『首里の馬』を語る。



2009年「うどん キツネつきの」で第1回創元SF短編賞佳作。

2016年「太陽の側の島」で第2回林芙美子文学賞受賞。

そして今年2020年『首里の馬』(新潮社)で第163回芥川賞受賞。

沖縄の古い資料館で様々な記録の整理をする。

オンラインでクイズを出題するオペレーター。

それが主人公の仕事。

台風が近づくある夜、幻の宮古馬が庭に迷い込んできた・・・

どんなものでも記録は残して

もっとみる

“座右の言葉は、読者の期待に応えない。”森見登美彦が語る『四畳半タイムマシンブルース』。



森見登美彦の代表作『四畳半神話大系』。

上田誠率いる劇団ヨーロッパ企画の代表作「サマータイムマシンブルース」。

二つの名作が“悪魔の合体”して誕生したのが

『四畳半タイムマシンブルース』(KADOKAWA)。

表紙は、森見作品には欠かせない中村佑介が飾る。

舞台は夏の四畳半アパート「下鴨幽水荘」。

『四畳半神話体系』のあの面々の前にタイムマシンがやってきた!

そう、あの“もっさり

もっとみる