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神戸大学編入とそれから1年 追記: 編入から2年 2022.02

明石高専建築学科から神戸大学建築学科に2020年度編入した話。勉強方法、問題傾向や実際に使った書籍、そして編入して1年経って気づいたこと(オンライン授業)について書いています。

追記
また、それから一年、院への進学を決め卒業までを書き足しました。

1 勉強方法

編入での必要な勉強期間はおよそ6ヶ月で神戸大学の場合試験が8月にあるので2月ごろから勉強スタート。(私はやる気がなかなか起きなかったので3月から。勉強道具(iPadとapple pencil)が全部揃ったらやるという条件をつけることでようやく勉強し始めました。)最初から一日8時間勉強するという目標を立ててしまうと挫折します。達成感や報酬がないと人間続けられないので。そのため、[ポモドーロテクニック]と[とりあえず鉛筆を持つ]ことをお勧めします。

1.1  具体的にどんな勉強を行なっていたか?

編入数学過去問特訓 (4周)
編入数学徹底研究  (2周)
マセマシリーズ 微分積分線形代数電磁気学ベクトル解析 (各2周)
(ベクトル解析は、やらなくてもよいが知っていると数学物理に強くなれる)
Next Stage (覚えるまで)
Dragon English (覚えるまで)

わからないところは検索すれば大抵出てくるのでそういった教材を利用して勉強するとより理解が深まる。

2 神戸大学工学部3年次編入試験の傾向

神戸大学工学部の編入試験は数学、物理、英語の筆記試験が工学部共通の試験で、その他面接と小論文があります。

数学線形代数微積分が問われる。過去7年間で、線形代数ではベクトルから行列、次元に至るまで、微積分では2変数のテイラー展開やヘッセ行列、重積分の領域を導出するなどが問われた。

物理力学電磁気学が問われる。過去7年間で、力学では摩擦、バネ、重心、惑星運動[ケプラーの法則類]。電磁気学では、平行板コンデンサー、クーロン力、電荷などが問われた。(ある編入学の対策サイトでは物理はあまり点数取れなくても大丈夫とか平気で嘘が書かれているがデマである。)

英語長文読解、文章穴埋め、英作文が問われる。長文読解は主に英字新聞などから抜粋されたものが多く、文章の内容が理解できれば容易に解くことができる。文章穴埋めはNextstageという本のイディオムなどが中心に時制なども出題される。(比較的簡単。)英作文は日本語で書かれた文章を英訳するという問題。(慣れれば簡単にできる。)

2.2 過去7年間の年度別 出題傾向

2014
数学 1.線形変換 2.固有値 3.極値 4.重積分
物理 1.力学[穴埋め] 2.電磁気学
英語 1.長文読解[1] 2.文章穴埋め 3.英作文

2015 
数学 1.n次正方行列の漸化式 2.線型独立 3.極値 4.重積分
物理 1.力学[穴埋め] 2.電磁気学
英語 1.長文読解[2] 2.文章穴埋め 3.英作文

2016 
数学 1.線形変換 2.固有値 3.極値 4.重積分
物理 1.力学[穴埋め] 2.電磁気学
英語 1.長文読解[Industrial Revolution] 2.文章穴埋め 3.英作文

2017 
数学 1.線形変換 2.固有値 3.極値 4.重積分
物理 1.力学[穴埋め] 2.電磁気学
英語 1.長文読解[3] 2.文章穴埋め 3.英作文

2018
数学 1.線形変換 2.固有値 3.極値 4.重積分
物理 1.力学[惑星 穴埋め] 2.電磁気学
英語 1.長文読解[the japan times, May 27, 2017] 2.文章穴埋め 3.英作文

2019
数学 1.線形変換 2.固有値 3.極値 4.重積分
物理 1.力学[穴埋め] 2.電磁気学
英語 1.長文読解[the wall street journal, July 9, 2018] 2.文章穴埋め 3.英作文

2020
数学 1.線形変換 2.固有値 3.極値 4.重積分
物理 1.力学[惑星 記述式に変更] 2.電磁気学
英語 1.長文読解[the japan times, May 14, 2019] 2.文章穴埋め 3.英作文

神大HPで配布されているものは英語の長文が読めないけど、これは読めちゃう。過去問販売中(2020は無料)

2.3 合格ライン

各試験およそ75%の得点で合格できます。

配点にばらつきがあるとか、数学が重視されるとか、そういった記事を多く見かけますが全て嘘です。受験生を油断させるデマです。なぜなら神戸大学側に配点に重み付けをするメリットがなく、編入後 試験に出てきた数学や物理はほぼ使わないためです。実際に合格体験記に得点率が書いてあればその人の総合得点の平均を出してみてください。少なくとも70%程度の値に落ち着くはずです。

また、建築学科に限って言えば面接は点数に入っていません。厳密に言えば全員満点です。そのため数物英でしくじった場合面接小論文で取り返すことはほぼ不可能です。(小論文の評価はおそらくABC評価です。)

建築学科のみスケッチがありますが怖気付くほどの難易度ではありません。(実際絵心ほぼ0の私でもパスできた。)試験で重視されているのはバランス感覚です。あまりにも偏ったり歪んだりした絵を描いている、空間把握能力に著しく欠けている受験者をふるい落とすための試験だと思ってください。

3 編入して1年

できた友達0人、落とした単位0、認定された単位81

オンラインのため友人ができません。これは新入生よりも厳しい世界です。なぜなら受ける授業に対面授業が少し含まれる1回生と全くない3回生の違いによるものです。しかし、気づくこともあります。一人で授業をうけ、一人で課題に取り組むことは一見辛いように見えますが、一人で取り組むとみんなで取り組むよりもしっかり勉強できるし、人に振り回されず自分のしたいことができます。

単位認定はほぼほぼ認定されるため3回生でたくさんの授業を受けなければならないとか、留年といったことはなかったです。1年間で受講した単位数は20強で、そこまで取らなくても十分4回生へ進級できます。そういった単位関係はメンターとなる先生がついてくれ面談やメールで相談に乗ってくれるためほぼ心配する必要はありません。

神戸大学は2021年度も原則オンライン授業ということで参考になれば嬉しいです。

オンラインだからどこにいても講義が受けられる。そのメリットを利用して普段ならば休学や夏休みを利用しなければならない海外で語学留学なども、同時にやりつつ神戸大学の単位が取れるっていう考えもあったりします。コロナによる渡航制限がなくなればの話ですが。なのでオンライン授業にも大きなメリットがあります。(朝ごはん食べながら授業が受けられるとかいう話は内緒)

建築学科においては、研究室配属は他の大学と比べて非常に遅いため、研究に充てられる時間が短く、計画系の研究室では卒業研究は全て設計のみという制限があったりします。

4 編入して2年

できた友達2人、落とした単位0

研究室に配属され、3人の同期と出会いました。私は建築学の中でも環境分野の研究室に所属していたため、ゼミでは協力しながら数値計算のプログラムを作成したりしながら仲良くなることができました。

院試については、周りの人たちは8月の試験に向けて、6月ごろから勉強を始めている最中、取り残されるように私の配属された研究室のメンバーは研究を進めていました。院試勉強に取り組むことができたのは結局、試験2週間前のことでした。

どきどきしながら試験の後、さらに研究に取り組み、気づけば合格発表の日になっていました。結果は無事合格でした。

研究が進み、無事卒業論文をボロボロになりながら書き終え(高専でしんどいことはわかっていたはずなのに、なぜか繰り返してしまう地獄)4月から院生になるということで、2月から研究再開しました!

4.1 神戸大学工学研究科建築学専攻へもし編入生の中で進もうと考えている方へ

アドバイスとして高専で受けた授業が少しでも身についていればほぼ勉強は必要ありません。とりあえず過去問をゲットして1周解くだけで合格できると思います。それほど難易度の高い試験ではありませんでした。また、私の場合、試験ぎりぎりまで研究を進めていたことで口頭試問で研究について詳しく聞かれた時に詰まることなく答えることができました。また、志望動機も固まりやすいので万人にはお勧めできないですが、適度に研究を進めておくことは良いことかも知れません。

ということで高専から大学編入してから2年経ちました。コロナの影響でいろんなことが刻々と変化し、振り回されていましたが振り返ってみると貴重な経験でもあるなと、、、思えま、、(友達さえいれば)した。

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