2学期の始まりにする話 その2 〜かしたらかむわ〜

 学校の先生は学校の話だけしていてはいけないと思います。学校だけが社会であるという誤解はじめじめとした空気や閉塞感を生んでしまいます。ときには、特に休み明けくらいは、世の中で起きていることを話題に挙げたいものですね。

 ここのところ連日のように河村たかし名古屋市長がニュースに取り上げられていますね。…金メダルをかじったあの件です。

 確かにちょっと不快感のあるニュースでしたが、正直ここまで話題になることか?平和ボケしとるなーと思ってしまいます。私が一番ひっかかるのが、当の本人である後藤選手は「表彰式でもらったメダル」に価値を感じており、交換に消極的であったのに、国際オリンピック協会や大会組織委員会などが協議し、新たなものと交換されることになったという点。

 きれいに消毒すればよくない?

 協会や委員会の人は暇なの?

 この協議も税金を使って行われているの?

 ネットで河村辞めろ!とか言ってる人はストレスたまってるの?

 肝心の後藤選手の気持ちはどこへ?

 …とまぁいろいろなことを思うわけです。そこでやっと本題ですが、こう思うああ思うというものを学級で意見交換してみてはどうかということです。

 発表する生徒が固定化したり、聞く雰囲気がよくなかったりという問題解決の一助とするのです。私もそこまで関心はありませんが、書いてみると上のようにどんどん意見が出てきます。こういうことを取り上げ、生徒から「意見」を出させ、それをおたがいに聞かせるのです。

 すると、意見を言うということへのハードルが下がったり、相手の意見を聞くことの面白さが理解できたりするということです。もちろん、1回で劇的に変化するものではありませんが、時々こんなネタを挟んであげることで学級の雰囲気はよくなっていくのではないでしょうか。

例えばこんなイメージです。

①教師が気になったニュースを紹介する。

 最近この人のニュースよく見ない?知ってるかな?そうそう、この人は河村たかしさんと言って名古屋市の市長なんだよね。結構みんな知っているみたいだね。何で話題になっているか知っている?ちょっと説明できる人はいるかな?…そうそう、知らなかった人もわかったね。

②着眼点を与え、生徒に考えさせる。

 ここで、私が疑問に思うことは「メダルは本当に交換するべきなのか」という点。みんなはどう思う?

③多面的な見方を褒め、今後の話し合いにつなげる。

 肝心なのは後藤選手か、なるほど、同じように考えた人はいるかな?あ、あなたは他の市民のことを考えたんだね。(…と議論をある程度続けて)

 オリンピック協会は交換するという結論を出したみたいなんだけど、今のみんなの話し合いは面白かったね。いろいろな立場から物事を考えると議論が盛り上がったね。


…という具合です。停滞したとき以外はあまり教師の意見は言わない方がよいかもしれません。「噛んでしまったメダルはどうするの?」などの新たな疑問を出した生徒もその着眼点を多いに褒めましょう。そこから「もったいないから名古屋市長の市長室に飾るのは?」のような一笑い起こるような意見が出れば、私は素晴らしいと思います。「かわむらたかし→かしたらかむわ」などの小ネタを準備しておくこともよいですね。

 あなたが意見をもったニュースを何か一つ、夏休み明けに生徒と語り合っていてはどうでしょうか? 山芝T

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