迷走期の新米社労士たちへ。私たちはなぜ社労士になったのか?【2023年8月】
こんにちは、リベルテ社会保険労務士事務所の渡邉です。
この記事を読んでいる方のなかには、これから独立を考えている社労士の方や、すでに独立・開業している社労士の方がいらっしゃると思います。みなさんは、社労士を続けることに悩んだことはありませんか?
私は2023年にリベルテ社会保険労務士事務所を開きましたが、開業のバタバタがひと息ついた夏頃、まさに社労士を続ける目標を見失っていました。
この記事ではそんな迷走期の乗り越え方ついて、体験談を書いています。
目標がブレるとき
とても個人的な話になりますが、私はある人との約束を果たすために社労士になりました。
(私の自己紹介についてはこちらをご覧ください。)
前々から社労士の仕事に関心を持っていましたが、実際に社労士資格を取ろうと一歩を踏み出すきっかけになったのは、その人の働く場所をつくりたい、そのひとの助けになりたいという思いからでした。
めちゃくちゃ個人的な事情なので詳細は省きますが、私はその人のために社労士になったのです。
すごく特殊な事例のように聞こえるかもしれませんが、実はこういうことってまあまああることだと思います。
・仲の良い友達に誘われてカフェを開業
・親の期待に応えたくて家業を継ぐ
・憧れの人を追いかけて同じ業界へ就職
こういう場合、仕事そのものよりも、友達や親や憧れの人といった自分以外の誰かが目的(目標)になっていますよね。
私もそうだったからわかるのですが、自分のためより誰かのためにと考えた方が、やる気や情熱が湧いてきたりするものです。
しかし、ある日その人がいなくなったとしたらどうでしょう?
一緒にカフェを開業しようと持ちかけてきた友達が「やっぱりやめた」と言ってきたら? それでも1人でカフェをオープンさせるでしょうか。
いくら期待をかけて育ててくれたとしても親御さんはいつか亡くなりますし、憧れの人だっていつ転職してしまうか分からない。そもそも一緒に仕事をしてみたらガッカリするような人かもしれないし...。
実際、私と約束を交わしたその人も、紆余曲折があり一緒に働くには至りませんでした。
自分以外の誰かを働く目的や目標にしたとき、その人次第で自分の人生も左右されてしまいます。すると、なんのために始めたんだっけ?と迷いが出てきます。
たった一人で仕事をしているならまだしも、お客様や従業員にとって経営者の迷いは困りものです。
迷走期の乗り越え方
もし迷走期に入ってしまったらどうしたらいいのでしょう?
私は「迷走期=自分と向き合う時期」だと考えました。
開業してから毎日のように新しい人に会い、コミュニティを広げてアクティブに動いてきましたが、この時期は気持ちを切り替えて自分と向き合う一人の時間をしっかり取るようにしました。
・自分はそもそも何がしたかったのか?
・何が好きで、何をしているときに達成感を感じるのか?
・社労士という仕事を通して何を達成したいのか?
頭で考え、ときに紙に書き出し、仕事や人生に対する目標や未来図を自分の言葉で語れるようにすることを目指しました。
事業の目標を聞かれて、「社会の役に立ってお金も儲けたい」なんてぼんやりした言葉で答える経営者には誰もついてこないでしょうし、信頼もされません。
思い描いているイメージを言葉にすることで、自分以外の人ともイメージを共有できるようになります。
誰かの言葉ではなく、自分の言葉で語ることでメッセージは強く相手に響きます。
ビジネスにおけるこうしたイメージの共有は信頼感や共感に繋がり、いつしか共感してくれた人たちが自分を支えてくれるようになります。
つまり、それが会社としてのMVVの原型なのです。
・Mission(ミッション/使命)
・Vision(ビジョン/理想像)
・Value(バリュー/価値)
このMVVを提唱したピーター・ドラッカー氏は、組織のリーダーが最初におこなう仕事のひとつを、「組織のミッションを考え定義すること」としています。
ちなみに、こちらがリベルテ社会保険労務士事務所の事業理念です。
他者とキャッチボールをしよう
「迷走期=自分と向き合う時期」という話とは矛盾しますが、一人で考えつづけるのには限界があります。
どんなに客観的に考えようとしても、どうしてもその人の価値観や経験の内側に制約されてしまうからです。
そこで大事にしてほしいのが他者との言葉のキャッチボールです。
考えに考え抜いたことでも、誰かに話すことで思わぬ問題点に気づくことがあるものです。そして、キャッチボールの相手は誰でもいいというわけではありません。いくら仲の良い友人や信頼している人だとしても、専門知識がない人に適切なアドバイスはできません。
私が社労士として大切にしているのもこの部分です。
社労士の仕事は申請や手続きをするだけでなく、事業の成長につながるコンサルティングを労働環境や労務の角度から行うことで、経営者にとって信頼できるキャッチボールの相手になることだと思います。
そのためには社労士としての専門知識があるのはもちろんのこと、経営者と労働者のどちらの立場にも立てる視野の広さや、あらゆる人生経験を総動員しなければなりません。
私は「起業経験のある社労士」として、スタートアップの経営者さんや中小企業の経営者さんに寄り添っていきたいと思っています。
日本企業の99.7%を占める中小企業がのびのびと成長して行けるなら、日本の社会全体により良い未来が待っていると信じています。
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