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連載「差押えコラム。未払金を取り返せ!⑲」 ー 差押えに必要な書類と銀行口座について ー

※当記事は連載「差押えコラム」の第19回です。第1回から読む方はこちらです。

こんにちは!筆者の渡邉です。このコラムは、私がある会社から、未払いとなった業務委託料を回収するまでの軌跡を記録したものです。初noteでいきなり生々しい体験談ですが、記憶が新しいうちに共有できたらと思い、筆を取らせていただきました。
私のように「会社から給料が払われない」「クライアントがギャラを振り込まない」といった被害にあわれている方にとって、少しでも問題解決の手助けになればという思いで執筆します。
現在は無事に未払金を回収し、元同僚と新たに「合同会社Mauve(モーヴ)」という会社を立ち上げ、アプリケーションやWEBサイトの受託開発を行っています。
※Mauveでもnoteにてコラムを掲載しておりますので、よろしければご覧ください。
https://note.com/mauve_0210/

登場人物の紹介

私は2020年末から、アプリケーション等の制作会社(以下、A社)で、バックオフィスの仕事を業務委託で請け負っていました。

登場人物2

2021年7月27日 ― 送達証明書の発行 ―

この日、裁判所から一本の電話がありました。
仮執行宣言中もA社から異議申し立てがなかったため、いよいよ強制執行にうつることができるとのこと。

ただ、じゃあお願いしますと簡単に進めるわけではなく、支払督促と仮執行宣言付支払督促を送付した証明書「送達証明書」の発行が必要だということでした。(これは私側の問題ではなく、強制執行にあたり裁判所内で事案を取り扱う部署が変わるため必要なのだそうです)

送達証明書

以下、裁判所のHPからダウンロードできます。
https://www.courts.go.jp/saiban/syosiki/syosiki_sonota/soutatu_syoumei/index.html

申請から発行まで2週間程度の時間がかかるという話でしたが、実際は1週間ぐらいで手元に届きました。

2021年8月10日 ― 敷金の差押え ―

裁判所より送達証明書が届き、いよいよ強制執行を進められる準備が整いました。

この時点で私がA社を離れて約半年。A社の財政状況が気になっていました。

新たな人を雇ってビジネスを始めるようだとか、社長個人の資産や家族からの援助でなんとか会社をやりくりしているようだとか、そんな話を人づてに聞いていたため、タイミングによっては資金が底をつくのではないかと気が気ではなかったのです。

苦労して差押え手続きをしても、現金が戻ってこないならやりきれません…。

そこで私は、強制執行を管轄するセンターに相談しました。
曰く、銀行にお金がない可能性があるならば、不動産の敷金で回収することも可能だということでした。

念のためA社が所属するビルの敷金を調べたところ4か月分だということが分かりました。これなら、私と栗田2名分の未払金は十分回収できそうです!

そのうえで、まず銀行口座から差押えをするのか、それとも最初から不動産敷金を差押えるのかは悩みどころでした。

どちらにしても、強制執行には費用がかかります。
ことが長引くほどに費用負担が増えるリスクを頭に入れたうえで、私たちは銀行口座の差押えから進めることにしました。

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2021年8月16日 ― 銀行口座の獲得 ―

A社の銀行口座を差押えるため、私と栗田は強制執行の管轄センターへ債権差押命令申立書の手続きに行きました。
窓口の方は丁寧で、分からない部分など色々と教えてくださいました。

必要書類については、当時のメモが見つかったので、以下に記載します。

なお、様式についてはいつも通り裁判所のホームページにありますので、こちらも参考にしてみてください。
https://www.courts.go.jp/tokyo/saiban/minzi_section21/saimumeigi_sasiosae_saiken/index.html

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債務名義に基づく差押え

<書類>
・申立書表紙
・当事者目録
・書式4 債務名義が支払督促の場合
・書式9 預貯金

持ち物
・支払督促正本
・支払送達証明

登記
・代表者事項証明(A社と差押銀行分)

郵便切手
・印紙4000円
・郵便切手3495円分(500円:5枚、100円:4枚、84円:5枚、20円:5枚、10円:5枚、5円:3枚、2円:5枚)
※切手は、余った分は返却いただけるそうです。

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さて、ここで必要になってくるのが債務者の銀行口座です。
銀行口座の差押えをするためには、該当の口座のある銀行名と支店名が必要です。
裁判所が勝手に調べてくれるわけではないのです…。(大事なポイントなのでインド人の画像も貼っておきますね)

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親しい間柄でも銀行口座まではなかなか知りませんから、ここで躓く人もいるようです。

もしわからない場合は、各銀行・各支店にあたって口座を探さなければなりません。

口座の開示費用は1件あたり数千円かかるため、見つかるまで探し続けるとなると莫大な費用を覚悟することになります。

私はどうしたかというと、A社で働いていたことがプラスに転じました。私はバックオフィス全般の仕事に関わっており、融資用の書類に口座を記載したことから知ることができました。

ただこれは偶然チャンスがあったというだけです。一般的にどんな対策があるか、私なりに考えてみました。ここからは申し訳ございませんが、有料にさせていただきます。

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