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消費について真剣に考えてみる

NEWSPICKSで注目のコメントとして頂きました。折角なので、コメントした背景をこちらで記したいと思います。
NEWSPICKSはこちら→ https://newspicks.com/news/4336835?ref=search&ref_q=H%26M&ref_t=top

H&MのCEOが、
"「消費をやめよう」と呼びかける気候変動の活動はファッション業界にとって「恐ろしい」脅威"と語ったそうです。
詳しくはこちら

そこで、今回はファッションの消費について考えてみたいと思います。

1.供給過剰なファッション市場

国内のアパレル市場規模は、バブル期の約15兆円から現在約10兆円に減少しています。一方で、国内生産と輸入を合算した国内供給量は20億点から40億点弱に倍増しているのです。単純計算すると、衣料品の単価が約3分の1に下がった格好になっています。

背景には、生産国が海外にシフトし安価な商品が大量に入ってきたことや海外ファストファッションの攻勢などがあります。
ここで問題なのは、日本市場への供給量の多さでです。この供給量では、国民1人が毎年30点以上は購入しないと消化できない計算となります。

まさに、国内のファッションは供給過剰になっています。

2.意味のあるもの

ファッションの潮目が変わり始めたのは、人々が環境を意識し始めてからでしょうか。昨今、どのような業界でもサステナビリティやSDGsなどが叫ばれていますが、ファッションのプロの目線も確実に変わりつつあります。トレンドやデザインも大切ですし、勿論、品質が重要であることは言うまでもありませんが、作り手の背景やストーリーに共感でき、筋が通っているもの、健全なものへの関心が今まで以上に高くなっています。

存在そのものや作り手、また買い手にとっての意味が重要だという事です。

消費者にもこの視点は、浸透してきています。デザインだけにはなびかない。安いだけにもなびかない。

つまり、もうこの世の中に無駄なものはいらないのです。

何が無駄かを見極める目は必要ですが…(事業仕分けで無駄といわれたものが、命に役に立っている今日この頃です。)

このような背景が原因かどうかは分かりませんが、業績の悪化したファッション企業や日本から撤退した企業も見受けられます。持続可能性が「脅威」といっている、某〇&△社が業績に影響しているのは、言わずもがな…の様な気がします。

3.持続可能な未来に向けて

改めて、作り手も売り手も、世の中に”意味のあるもの”を送り出す担い手として、買い手もその背景を理解し本当に自分にとって”意味のあるもの”を消費していく担い手としてコミュニケーションしていくことが、未来に繋がっていくのではないでしょうか。

決してファストファッションを否定しているわけではなく、それが本当に売り手や買い手にとって意味があるならば、それはこれからも社会に求められていくことでしょう。

冒頭の"「消費をやめよう」と呼びかける気候変動の活動はファッション業界にとって「恐ろしい」脅威"に関して、

幸い私は被害には会いませんでしたが、台風19号で避難を体験いたしました。近年の異常気象による災害には心を痛めるばかりですが、我々ができることは何かと考えたときに、消費の中で、もし行動に表せることがあるとしたら、出来る限り実行していきたいと感じる今日この頃です。

"消費"をやめるのではなく、"消費"をして表現しようと思います。


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