見出し画像

「これって記事になるの?」ニュースの基準を大公開

メディアにはたくさんの取材依頼が来ます。プレスリリースであったり、ライターに直接連絡があったり。でも、それは全て記事になることはありません。
枠がないから?
いえ。厳しい表現ですが、価値がないからです。
なんの価値かと言うと、ニュースの価値です。
ニュースとは、まだ一般的に知られていない新しいことや珍しいこと、と定義されています。報道畑のイメージがありますが、
「ニュース=記事のネタ」と理解してもらえると、紙もWebも全ての媒体に当てはまると思います。
以前、珍しい組み合わせの重要性について記事で触れています。こちらも併せてご覧ください。

人が犬を噛んだ理由は?

これはかなり昔から新聞記者のバイブルみたいに言い伝えられていることなのですが、犬が人を噛んでもニュースにならないけれど、人が犬を噛んだらニュースになる、という考え方があります。単純に、珍しさだけよりは、「その理由が聞きたくなる」という基準も付け加えていいと思います。
それでは、ニュースの基準を具体例で示していきます。

○中小企業が倒産した
ニュースにならない→資金繰りに困ったから
ニュースになる→国内初のコロナ関連倒産

○少年サッカーの練習試合で5試合連続ハットトリックを決めた選手がいた
ニュースにならない→海外チームのジュニア出身だった
ニュースになる→野球チームから借りてきた助っ人だった

○温泉旅館が夕食に新メニューを取り入れた
ニュースにならない→地元の海の幸をふんだんに使った料理
ニュースになる→地元の海で捨てられる食材だけを使った料理

○銀座に高層ビルが建設されることが決まった
ニュースにならない→大手企業が出資した住居と商業施設の複合ビル
ニュースになる→タジキスタン人が出資した住居と商業施設の複合ビル

○超有名芸能人がYouTubeチャンネルを開設
ニュースにならない→チャンネル登録者数が100万人を超えた
ニュースになる→チャンネル登録者数が1000人から伸びない

画像1

事実の先にあるものがニュース

いかがでしょうか?
「ニュースにならない」の例えは、ネタにならないわけではありませんが、プレスリリースなどでは弾かれる可能性が高いものと考えてください。
「ニュースになる」のほうは、新しさ、珍しさ、理由を知りたくなる、の要素を全て含んでいます。これは時代に大きく左右されるので、ご注意ください。
事実を知っただけでは、何がニュースか分かりません。
取材(リサーチ)をして初めて、情報の価値を選択することができます。
世に出回っている情報は、本当に価値のあるものでしょうか?
そんな視点で読んでみると、普段のライティングに生きてくるかもしれません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?