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個性的であることと、周囲の視線と。

毎年恒例の紅葉狩り。
有名スポットの寺だけに人出は多い。

写生するご年配の一団がいた。
思い思いの位置に座り「紅葉」を描く。
と、見どころの鐘楼に一人のおじい様が。
真下に陣取り、皆とは逆方向を見て描いている。
写真家たちから不満の視線をぶつけられても意に介さない。
慣れ合わぬ姿勢、他人と違う視点はアーティストにとって大切。
でも人として生きづらかったのでは? と同情。

昼はマクドナルド。
四歳息子は食事もそっちのけで絵を描きだした。
黙々と、鼻水まで垂らしながら。
何をそんなに、と覗き驚いた。
絵に吹きだしを付け台詞を書き、物語を作っている。
――漫画家だ。
目配せして私は食後のコーヒー、妻はスーパーへ買い出しに。
気にする素振りはない。でも鼻、鼻!

混んできてテーブル待ちの視線に気づき「もう行くよ」と声をかけると、「まだ食べてないのに」と悪びれぬ息子。
もう二時間だぞ。

もしや君も……


水洟


まんが描く子は水洟を気にもせず

(まんがかくこはみずはなをきにもせず)

季語(三冬): 水洟、鼻水



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