血は争えない
血に弱い。
見ると腰砕けになる。
採血中に気を失ったこともある。
実は私、いつもベッドに寝ながら採血してもらってます。。。
そんな血嫌いの血を受け継いだ四歳息子。
やんちゃ盛りで生傷が絶えないがその際、血が出てなければOK。再び暴れ出す。が、血が目に入ると――即KO。凹んで動けない。
今週は火曜日に膝を擦りむいた。
大層な怪我じゃない。少し出血があっただけ。
息子はどーんと落ち込んで帰ってきた。
赤いものが見えるだけでもう駄目なのだ。
痛いほどよく分かる。
「痛い痛ーい、やだー」
風呂から近所に鳴り響くかの絶叫。
聞き耳を立てれば、膝の絆創膏を剥がす剥がさないで揉めている。
……分かる。
血嫌い族にとって絆創膏は、傷口を見ないための心の絆創膏。
なにも風呂で取らなくてもー、なのだ。
やがて、ぱたりと叫び声が止む――お?
二人が終わって私が最後。
風呂の扉を開けて気が付いた。
どうやら息子の傷は癒えたらしい。
仕舞湯に絆創膏の浮く初冬
(しまいゆにばんそうこうのうくしょとう)
季語(初冬): 初冬(はつふゆ)、初冬(しょとう)、冬初め
※仕舞湯(しまいゆ)……みんなが入りおわって、湯船の湯を落とすころの風呂。←→新湯、更湯(さらゆ)
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