点と点をつないで
遅ればせながら、新しいカレンダーが届いた。
昨年もお世話になった「俳句の日めくりカレンダー」
一日一句、掲示される名句とともに過ごす。
新年五日分を味わうことなくちぎり取るのが忍びない。
隣にいた五歳息子が反応する。
手にとってパラパラし「こんなにあるの?」と呟いた。
君にとっての「一年」はそういう感覚か。
私は全く逆で。
そのパラパラのようにあっという間に過ぎていく。
しかも年々早くなって……
おい、そんな乱暴にしたら全部取れちゃうよ。
と、息子の描いていた絵に目がいった。
よく見るとそれは「点つなぎ」。
数字の点を順番に繋いでいくと、大きな絵が出来上がるもの。
紙いっぱいの象を眺めながら思う。
自分はあとどれくらいの象を描けるだろうか。
演劇台本ならあと何本書いて上演まで辿り着ける?
小説や映画に挑戦するならそれはいつ?
自分のやってきた点を線に、さらに形にできる日はくるの?
今ちぎった薄い紙の束に、重みを感じた。
新暦束に千切りし五日分
(しんごよみたばにちぎりしいつかぶん)
季語(新年): 初暦(はつごよみ)、新暦
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