無関心の栗
四歳息子のインフルエンザ予防接種。
大人も予約し一回目をママと、二回目をパパと一緒に注射する作戦。
先ずは一回目。
朝、伝えた瞬間に号泣。
どうして前もって教えないんだ。ひどいじゃないか。
悪態をつき、ごねる。
私がいつものように「注射嫌いのおじいちゃんの話」をし、どうにか気持ちを落ち着かせ、コツを伝えた。
とにかく違うことを考えろ。
ママとしりとりしててもいい。
注射に対し「無」になるんだ。
「……無理。やってみたけど考えちゃうよ! 泣」
*
病院近くのスーパーで母子を待つ。
心でエールを送っていたら、レジで激しい声が。
なにやら爺さんが揉めている。店員に怒鳴っていた。
幾度も謝る店員の女性に対し、エスカレートしていく。
中立だった野次馬も、次第に店員派になるほどの罵倒。
負けるな!
瞬間、店員は黙りこくった。
詰め寄る爺さんを見つめ返すも、一切しゃべらない。
おおっ!
彼女は「無」になった。
怒声飛ぶレジに置かれたままの栗
(どせいとぶれじにおかれたままのくり)
季語(晩秋): 栗、山栗、柴栗、丹波栗、毬栗(いがぐり)、焼栗、ゆで栗、栗山、栗拾……
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※息子は優しい女医さんの「吸って、吐いて」の語り掛け注射のおかげで、泣かずできたそうです~パチパチ。
・注射嫌いのおじいちゃんの話はこちら↓↓
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