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花冷や見切りをつける習ひ事

六歳息子が最後のタブレット学習(「こどもちゃれんじ」)を終えると、しまじろうたちが卒園の歌を歌いだした。
保育園同様、二歳の頃からお世話になってたのでじーんとする。

息子を見ると、画面を凝視し涙を流していた。大丈夫?
「終わっちゃうの寂しい」
自分でやめるって決めたくせに。
「やめるって決めるとやりたくなるの」
……分からないでもない。

毎週日曜のスイミングスクール。
いつも嫌がっていたのが、この一ヶ月何も言わずに通いだした。
理由を聞くと「もうやめるって決めたから」
ママと約束したらしい。
クロール25m泳げたらおしまいと。
バタフライも背泳ぎも興味なし。
タイムトライアルなんて競争嫌いの息子にはなんの魅力もないようで。

「明日は先生の前で手を回してみるつもり」
進級テストでクロールもできるよ、と飛び級を狙うらしい。
「終わりを決めるのがいいんだよ」
ぬう……人生で演劇をだらだら続けてきた私自身に引け目があるのか。
その言葉にゾクッとした。


(はなびえやみきりをつけるならいごと)

季語(晩春): 花冷


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