『ママガチャ』

夕食後の団らん。
ママがほろ酔いで息子に絡んでいる。
「シンはさ、もしママ以外なら保育園で誰のママに一番自分のママになって欲しい？」
「え～」と楽しそうに考えるシンを見て、パパも答えを想像する。

気さくに話しかけてくれるカオル君ママか。
いつも笑顔で優しいカナデちゃんママか。
シンはややあって「やっぱりリョウマ君ママ」と大親友の名を挙げた。
「おうちにも遊びに行ったし」

「いやーん。負けちゃう」と楽しげなママにシンが逆質問をする。
「ママは誰のママがいい？」
ママは「せっかくなら女の子のママになってみたいからミヅキちゃん」
と、シンのことを「彼氏」だと言ってる女の子の名を挙げた。
「考えるの楽しいね」と賑やかなひととき。

シンがパパに振り返る。
「パパは誰のママがいい？」
「え、そっち？」
まさかのママ選びに戸惑うパパ。どんな視点で決めていいやら。
あの人は優しそう、あの人は奇麗……
ブツブツ悩んでいるとママが「なんか真剣で嫌」とそっぽを向いた。

雪女ほのかに酒の匂ふ妻

（ゆきおんなほのかにさけのにおうつま）

季語（晩冬）： 雪女郎（ゆきぢよらう）、雪女

---

※日記を小説風に表現しています__🖋
息子も今や「もし～～だったら……」と想像を楽しむまでに成長しました。