見出し画像

外食が苦手です。楽しく外食するには?【仏教で答える悩み相談17】

人の数だけ、悩みは尽きぬもの。皆さまから寄せられた悩みに、お坊さんや仏教関係者たちが答えます。
 

今月のお悩み

Q 外食に行くと、料理を間違えられたり、料理が出てくるのが私だけ遅かったりすることが多いので、外食が嫌になります。楽しい外食ができる方法を教えてください。
(60代・女性)
 

A1 笑いに変える余裕を

 お困りのこと、もっともだと思います。またひょっとするとなにか私は運が悪いのではと思っておられるのかもしれません。
 
 人間は今だけを生きることが苦手です。今の背景に過去を考え、また未来を想像します。ただその遠因を運や自分の過去の行為のみに求めてしまうのは、悩みをより深いものにしてしまう可能性があります。
 
 仏教でも因果を説きますが、一因一果ではありません。因縁果と因に加えて縁が作用すると考えるのです。ある行為、あなたの場合だと注文と結果の間には注文をとった人や店の状況などの縁が作用していると考えるのです。縁はある程度選ぶことはできますが、完全にコントロールすることはできないのです。
 
 たとえば度々注文を間違える店には行かないとか、注文のメモを渡すなどミスを少なくする工夫をしてみてはいかがでしょうか。

 それでもまた遅かったり間違われたら「また間違われちゃった」と笑いに変える余裕を持つといいかもしれません。
(西照寺住職・酒井淳昭)

A2 ポイント制にしてみては

 もしまだ辛抱できそうなら、注文を間違えられたり、料理のサーブが遅かったりするのをポイント制にして、10ポイント貯まったらすこし贅沢なデザートを食べるなど、辛抱した自分へご褒美を贈るのはいかがでしょうか。あ、そのご褒美が間違えられたり遅かったりした場合も、ポイントに加算してOKです。

 ただあんまりポイントが貯まるようでは、そんな悠長に気構えるのも難しい。もう辛抱ならないその時は、怒りをエネルギーに費やして、注文の時に歌舞伎調の睨みを効かせ、セリフ調子を真似てみてください。きっとあなたへの興味でいっぱいになった店員さんは、もう間違えたり、もたついている場合じゃあなくなるはずです。
 (隆照寺住職・小柴隆幸)

A3 次につながる気づきを探そう


 楽しい外食ができる方法となると、それぞれの気持ちの持ちようかと思うので、「これが最善の方法ですよ」と自信を持ってお勧めできる方法は思い浮かびませんが、私はこうしてますよといった方法をお知らせしますね。

 私は料理間違い、提供が遅いなどあったとしても、そのままいただくようにしています。単なるどこかの席との提供間違いであれば、そこに持って行ってもらえれば良いですし、そうでない場合にはそのままいただくようにしています。今日は自分の食べたかったものが食べられなかったかもしれないけど、次にまた来た時に食べようかなと、次へつながるかもしれないですよね。もしかしたら、何か割引券などいただけるかもしれません。

 悪いことばかりじゃないですよ。良いこともきっとあると思いますよ。
(築地本願寺コンタクトセンター戸見嶋淳昭)

※本記事は『築地本願寺新報』掲載の記事を転載したものです。本誌やバックナンバーをご覧になりたい方はこちらからどうぞ。

この記事が参加している募集

最近の学び