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自動解説やYouTube配信も! 築地本願寺のデジタル改革に取り組む若手僧侶

「宗教には関心がない」「お寺にはお墓参りや仏事以外で行ったことがない」という若者が増えているなか、築地本願寺には、全国各地から次世代を支える若手僧侶たちが集まっています。

お寺に生まれて家を継ぐために僧侶になった人もいれば、最初はお寺とはご縁がなかったけれども、親鸞聖人のみ教えに触れたことで僧侶を志した人もいたりと、「お坊さんになった理由」ひとつ取り上げてみても、人によって大きくその内容は違います。

今回の特集では、築地本願寺で働く若手僧侶を取り上げて、彼らがどんな想いで僧侶になったのか、どんな想いで働いているのか。また、実際に築地本願寺ではどのような役割を果たしているのかをご紹介。普段はなかなか表舞台に立つことが少ない「若手僧侶たちの素顔」をお届けしていきます。

デジタルを駆使し、新しい布教に取り組む

伝道企画部 情報システム担当 光森 宏明(29歳・兵庫県出身)

――僧侶になったきっかけは?

光森 あまりお寺と関わりをもたずに育ってきたのですが、父が週末ボランティアのような形で住職をしており、20歳の時にやんわりと仏の道に進むよう誘導されました。

我々世代は宗教に対してあまりいい印象がございませんので、最初は半信半疑で勉強会に参加しましたが、その時に読んだ親鸞聖人のお人柄が書かれた書物『歎異抄』の「苦悩の旧里は捨てがたく、未だ生まれざる安養の浄土は恋しからず候」との一節に感銘を受けました。

「高僧とされる親鸞聖人であっても素直に『お浄土が恋しくない』と言っていいんだ」と知り、親鸞聖人や浄土真宗の存在が気になり、勉強してみたくなりました。それが僧侶になった一番のきっかけです。

――今後、挑戦したいことは?

光森 築地本願寺では毎朝のお勤めをYouTubeで配信中ですが、初めて見た方にもわかりやすいように、お勤めの解説が画面上に自動で流れるシステムを自分で開発しました。

「築地本願寺のお晨朝を見れば、正信偈がなんとなくわかる」ようになっておりますので、ぜひYouTubeでもご参拝ください。

 また、築地本願寺のアプリができました。我々僧侶に直接相談や質問もできますので、皆さんぜひ使ってみてくださいね! 今後は、ご法話の同時文字おこしに挑戦して、耳の聞こえない方にも常例布教をお楽しみいただけるシステムの開発をしたいと思っています。

※本記事は『築地本願寺新報』掲載の記事を転載したものです。本誌やバックナンバーをご覧になりたい方はこちらからどうぞ。