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酒井順子連載「あっち、こっち、どっち?」

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築地本願寺新報に掲載中のエッセイストの酒井順子さんの連載です。気になるふたつの言葉を取り上げて、紹介していきます。
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#多様性を考える

トンカツを食べるとき、端っこと真ん中はどっちが好き?

 向田邦子さんの名エッセイ集『父の詫び状』の中に、「海苔巻きの端っこ」という一編がありま…

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麺類に砂糖、お餅にトウガラシ。“甘辛味“に隠れる、アジア人の気質とは

お昼には麺類を食べることが多い私。家には、七味唐辛子や柚子七味、はたまた京都に行った時…

丸い世界で生きるのは、実は大変なのかもしれない

 四人で食事をする時、丸いテーブルと四角いテーブル、どちらがあなたはしっくり来るでしょう…

「終わる」ことより「続ける」ことの方が難しい 

 糸偏(いとへん)の漢字が好きです。「綿」「絹」「綾」「紅」……などと思い浮かべてみれば、…

「捨てる」と「ためる」 酒井順子さん連載コラム『あっち、こっち、どっち?』③

 自宅で過ごす時間が多い今、手がける人が目立つのが「断捨離」です。「断」や「離」よりも、…

「外」と「中」 酒井順子さん連載コラム『あっち、こっち、どっち?』②

 新型コロナウィルスの影響で、家の中で過ごす時間が長くなっています。私達にとってコロナ禍…

「みんな」と「私」 酒井順子さん連載コラム『あっち、こっち、どっち?』①

タイトル 「みんな」と「私」  子どもの頃、流行りの玩具やら服やらを親にねだる時、 「みんな持ってるんだから、買ってー!」  と言うことが、しばしばありました。  その時、親から返ってくるのは、 「みんなはみんな、自分は自分!」  という台詞、もしくは、 「みんなって、どれくらい? クラス全員、それを持っているってわけ?」  という台詞であり、「みんなが持っているから買ってくれ」という戦法は、あまりうまくいかなかったことを覚えています。  しかし「みんなが持っているから買