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写真展に行ったらとても退屈だったから、SNSをやめたくなった。

ここ最近、美術館や商業施設で開かれている写真展にいくつか行きました。
お金を払って見に行くやつです。
これが…とても退屈だった。

弁明のために言っておくと、渋谷の某有名ギャラリーでやってる入場料無しのポートレート展とかではありません。

この退屈だった写真展の原因を考えました。
写真を見る人が何を求めているのか、何に惹かれるのか、何に飽きるのか。
結論としては「SNSなぞやめるべき」。

今日はそんなお話。


退屈な写真展

見に行った写真展のうち、一つは現在開催中なので書くのは控えます。
もう一方はすでに終了しているのでいいかもしれない。
『ソール・ライターの原点 ニューヨークの色』(以下、ソール・ライター展)。

近年になって評価が急増したフォトグラファー「ソール・ライター」。
彼が撮影した1,960~90年代のニューヨークの風景写真を中心に、彼の友人のポートレートや仕事などを展示していました。
noteで記事を書くにあたり、写真について調べるうちなかで彼を知り、興味を抱いていたので「行かねば」と。

もう一つも同様に、日本の1,970年以後の日本の風景写真が中心の展示。
ソール・ライター展と併せて、どちらも退屈でした。
会場を出る30分前くらいから「もういいかもな」なんて頭によぎってしまうほど。

展示を見終わって、「逆に面白かった展示は、何が良かったのか」と振り返ってみました。
良かった展示の良かった理由は千差万別で…
しかし共通してるのは”発見”があったことです。

発見に費やすコスト

例えば現在開催中の『テート美術館展 光』(国立新美術館)は、見に行って良かったと思える展示の一つでした。
記事に行った感想を書いているので、ご覧いただけるとハピ。

テート美術館展が良かったと思えたのは、ひとえに「きれい!なんできれいって思うんだろう」という疑問を見出せたからだと思っています。
印象派をはじめとした鮮やかな色彩で光を表現した作品を見て、人類が歩んできた歴史や英知といった、明確な価値を手軽に発見できたことが大きい、と。

対して上述した2つの展示では、そういった発見に至るためのコストが非常に高かったのです。
当時の風景を見て「こうだんたんだ~」とはなるも、それが発見ではなかったのです。
テート美術館展と同等の「気持ちのいい発見」に至るためには、深い事前知識と考察が必要なように思えました。

美術展示に知識欲を求めて行っているからかもしれませんが、得るものがないと退屈なのです。

SNSという手軽な発見の劇薬

同じ感覚に陥りたくないというあなた。
SNSのアカウントをすべて削除して、町を散歩し、本を読みましょう。

なぜ、安くないお金を払ったのに退屈だと感じたのか。
それはSNSが手軽な発見をひっきりなしに提供してくれる劇薬だからです。

日常のちょっとした知識やネタ、ニュースと付随する知識、論争など、SNSには刺激的な情報たちがゴロゴロしています。
何より、答えにたどり着くまでのコストが圧倒的に低い。
10年前ならGoogleに色んなワードを投げ込みながら1次情報を探していたものが、集合知によって瞬間的に収集され提供されるのですから。

そして写真についても同様です。
SNSでウケる写真は、大概色鮮やかで、絶景で、見たこともないようなものがほとんど。
同時に「場所はどこか」「どんな人が撮ったのか」といった情報もセットで提供され、知識が蓄えられたり問題が解決するスッキリさも味わえるのです。

もし私がSNSに浸かっていなければ、ソール・ライターの写真も興味深く見られたのかもしれません。
しかし私が興味を抱いたのは、彼が撮影した(私が知っている)著名人のポートレートと、彼の生涯でした。
写真そのものは、お上品な汁物のごとく、刺激が足りなかったのです。

自分が展示をするとして何が提供できるのか

11月に展示を控えています。

ここで私は何を提供できるのか。
つまらないとスルーされるような展示にしないよう、何ができるのか。

正直言えば、衝撃的な発見の提供など到底叶いません。
私程度に出来ているなら、歴史上色んな方が名鑑に載るでしょう。
では何をするかと言えば「サカナクション」したいと思います。
何度か私の記事に出現するサカナクション。

100人いたら100人にアプローチできるコンテンツ。
ポートレートがそれになるには、被写体が国民的な人物である必要があります。
名も知らぬ人物の写真など、(私含めて)興味なくスルーするでしょう。

だから、ごくごく一部の方にアプローチできるように。
市場原理におけるニッチャーにならねばなりません。
ともしたとき、「私はこの写真の見方を知ってる」という特別感を味わってもらえる体験の提供こそ、私の戦うフィールド。
ちょうど「ポートレートは体験の提供」と宣う人間ですし。

SNSの喧騒を離れ、リアルの展示に足を運んでくださった方ですから。
ちょっとでも持って帰れる特別感をくるんで帰ってほしい。
ギラギラしたウケる写真なら他の方がやってくれます。
私は私にできることを、んで「こいつの魅力分かってっし」な人を一人でも獲得しにいきます

あ。
SNSやめろって言ったのにXの投稿引用しちゃった。

おわり。

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