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片道切符|140字小説

いつも港にやって来るボロボロの定期船。
客が乗り降りしているところを見たことがないし、一体行き先はどこなんだろう。

乗組員に尋ねると「乗ってみるかい?」と言うので、好奇心が勝った。
出港して、真っ黒な渦の中に吸い込まれながら気付いた。

あの世行きの片道切符に引き寄せられてしまったんだと。

【140字小説】


オンライン文芸コミュニティ「星々」さんが主催する140字の小説コンテスト、「一月の星々」に応募したものです。

毎月テーマが異なり、今月のテーマは「定」。
文中に最低1回は「定」の文字を使うことになっています。

ありがとうございます!(・∀・) 大切に使わせて頂きます!