全力で推したいダジャレ|毎週ショートショートnote
男はドアを「コンコン」と2回ノックした。
「布団が?」
「I Can Fly」
「入れ」
短い言葉を交わすと、鉄製のドアがゆっくりと開く。
2026年、日本では法律でダジャレが禁止された。ダジャレジスタンスは、再びダジャレ大国ニッポンを取り戻すべく、地下で密かに活動を続けている。
外ではダジャレ秘密警察が目を光らせており、レジスタンスは秘密警察の目を欺くため、
「布団がI can fly」(布団が吹っ飛んだ)「トイレへGo away」(トイレに行っといれ)「イルカはNAGORIYUKI」(イルカはいるか)
など、日本語と英語、さらには昭和の名曲を混ぜたダジャレを使っている。
「みんな! もう少しの辛抱だ!」
――バーン!!
「全員動くな!」
ドアが勢いよく開き、ダジャレ秘密警察が突入して来た。
「ずいぶん探したぜ。覚悟しろ!」
しかし、ダジャレジスタンスには、秘密警察に対する秘策があった。
除雪車除雪作業中……除雪車除雪作業中……
ブラジル人のミラクルビラ配り……ブラジル人のミラクルビラ配り……
きゃりーぱみゅぱみゅ……きゃりーぱみゅぱみゅ……
「うわ!? やめろ!!」
早口言葉攻撃に耐えられなくなったダジャレ秘密警察は退散した。
【了】(497字)
たらはかにさんの「毎週ショートショートnote」参加用です。
今週のお題は「全力で推したいダジャレ」。
久々に「バーン!」の登場です。
久々過ぎて、すっかり忘れていました。(;^_^A
54字編はこちら。
先週のお題は「音声燻製」でした。
ありがとうございます!(・∀・) 大切に使わせて頂きます!