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月のかけら|140字小説
今日は月明かりがない。
光を使い切ったのだろう。
私は海に落ちた月のかけらを黙々と集め、両手に乗せて「ふぅ」と息を吹きかけた。
するとかけらの1つ1つが羽のようにふわりと舞い上がり、ゆらゆらと漂いながら夜空に吸い込まれて行った。
月に光が戻ると、私は月明かりが届かないところへ身を隠した。
【140字小説】
オンライン文芸コミュニティ「星々」さんが主催する140字小説コンテスト、「春の星々」に応募したものです。
今回のテーマは「明」。
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