GAKU TANIGUCHI

時々後輪がスライドする。立て直してトラクションをかけ直す。毎日がその繰り返し。[ in…

GAKU TANIGUCHI

時々後輪がスライドする。立て直してトラクションをかけ直す。毎日がその繰り返し。[ insta https://www.instagram.com/tapebum/] [trailights record http://trailights.com]

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最近の記事

「差別はない」という差別

ここのところ目に余るアイヌ差別がTwitterで続いている。そのなかで気になっているものがある。それは「アイヌ差別はない」とするものだ。 「差別がない」は差別を助長するものとして批判される。それはなぜか。ほとんどの場合「差別はない」は、反差別言説に対抗して向けられる。それは、差別に反対することは無意味だと示すことになる。差別があるので差別に反対しているのに、それが無意味なものと矮小化されてしまったら、反対すべき差別はそのまま維持されることになる。つまり「差別はない」は差別を

    • 希望を持つことそれ自体が闘いだ

      雨が上がり、夏の陽射しの午前。さきほど、LGBT理解増進法が可決されましたが、これからできること、やるべきことはたくさんあります。諦めさせることを目的にした法ともいえるので、諦めない意思表示をすることがすなわち闘いとなると、そう考えています。 #LGBT理解増進法は差別増進法だ (1)「正当な差別」をしてくる者に対して、差別はすべて不当で間違っており、いますぐそれをやめろと指摘する。これまでやってきたこの指摘を、差別への反対を、これからもずっと続けましょう。そして手の届く範

      • 「虹」と揶揄するマヌケたち

        性の多様性条例 すでに全国の各自治体で成立している「性の多様性を尊重する条例」あるいはそれに類するものは、その多くが差別禁止を掲げたものだ。この10年間で、60以上の自治体で同様の条例がつくられてきた。そして禁ずる差別として、就職や住居の差別などにくわえ「アウティング」を挙げているものがある。差別の状況を説明するために書かれた「性自認」という言葉。その条例ができたことで、痴漢は増えただろうか。 杉並区で今回成立した「 杉並区性の多様性が尊重される地域社会を実現するための取組

        • 【ネットリンチと「馴れ合いの居場所系群」】

          ぼくは、この件でいま激怒しています。Twitterでは、ここのところ特定のひとり(Yuichi ‘Li’ Lewisさん、以下ルイスさん)に対して、多数からの卑怯な攻撃が続いています。途中からやりとりを見ると、なんのことかよく分かりませんが、これは集団によるいじめ・ネットリンチと言って差し支えないものです。それが自称「反差別」を掲げるひとたちによって起こされています。 これに加担しているひとは、いますぐその卑怯な行為をやめなさい。また局所的なものに目がいき、善意のつもりでこれ

        「差別はない」という差別

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        • text 4 transversal
          24本

        記事

          中華街はいいけど、風俗店はいや?

          シルクさんの「大阪都構想」に反対するブログに対して、次のツイートをした。 https://twitter.com/trailights/status/1320552502815842315?s=20 そうしたら「中華街はいいけど、風俗はいや」というリプがついていたので反論しておく。 個人の好悪感情の話をしてるんじゃないんだよ。そんなもんはそれぞれ好きに思えばよいけれど。中華街も風俗も、NIMBYとして書かれているよう読めるから「残念だ」と書いたのだ。 ここでシルクさんが書

          中華街はいいけど、風俗店はいや?

          LivesMatter #2

          KoreanLivesMatterのタグの件。前のnoteからの続き。数日のうちに、さまざまな意見が出された。在日からの、自分たちの言葉を奪うなという意見もあった。当然と思う。自分が「止めるべき」と書いておきながらとても心苦しく思ってもいた。そして、たくさんのひとが独自のタグを提示し、やがて気づくとひとつに収斂していったようだ。それは、 #日本人のコリアン差別への沈黙は暴力だ で、これは先に出ていた #JapaneseSilenceIsViolence の訳語だったようだ。多

          LivesMatter #2

          LivesMatter

          後出しじゃんけんのような話をして申し訳ないのだけど、Twitterで数日前、BLMの流れで#KoreanLivesMatterのタグが出てきたときに自分は乗らなかった。賛同しているしすべきとも思いながら、それでも乗らなかったのは、BLMがそれを改変されたくないと訴えていたことを知っていたからだった。なにしろAllLives~がもし無邪気に善意のつもりであったとしても、それは単なるガスライティングのように機能する。そして実際には、善意ではなくWhiteLivesMatterと同

          #BLM

          In solidarity with black artists all over the world, and black colleagues in the music industry, trailights record say no to racism, and I will continue protest action. #BlackLivesMatter, #TheShowMustBePaused ⁣trailights record,(trailights.

          ひとつのもの

          「音楽に政治を持ち込むな」のなかにある愚かさは、政治への忌避感だけではない。「音楽に政治を持ち込むな」を批判し、音楽に政治を持ち込んでなにが悪いと言っているひとが、音楽と政治を分けていることの愚かさもある。 音楽は政治そのものだし、政治は文化・芸術を含んだわたしたちの生活そのものだ。それらをことさらに分けて考える必要はない。もちろん、あらわれ方を見ればそれぞれは別の姿をしているものだ。同じ場所にあるものがあらわれ方によってそれぞれの姿をしているのだけど、元は同じ場所にある一

          ひとつのもの

          良いところ悪いところ

          ものごとの良い面と悪い面は、あちらの端とこちらの端にあって、ひとびとはそれをあっちからこっちへ走り、またこっちからあっちへ走りして、その振れ幅の大きさを強いられ続け、やがて疲弊してしまう。そして潰されてしまう。 そう感じたのはあの震災のあとのことだ。その振幅に耐えることは、たやすくない。震災のあと、さまざまな出来事や情報に一喜一憂させられ、やがて気持ちが潰れされていった。その振幅に耐えるために、こころを閉ざし、論理を捨てたひとをたくさん見た。 やがて違う感覚を持つようになった

          良いところ悪いところ

          母との会話

          昨年の秋に実家に帰省したときのこと。2年あまり帰っていなかったのは、40代半ばも過ぎて大学院に通い始めて忙しくしていたからだった。父とも母とも頻繁に電話で話していたので、取り立てて目新しい話題があるわけではなかったのだけど。 二人きりになったときに、母が   ——これからは文章を書いて出したりしていくつもりなの? と尋ねてきた。大学院でつくった冊子に載せた文章を読ませようと父に送っていたりしていたので、そんなことを言いだしたようだった。うん、まぁそういうこともあるかもしれない

          母との会話

          #SaveOurSpace

          #SaveOurSpace 【新型コロナウイルス感染拡大防止のための文化施設閉鎖に向けた助成金交付案】 https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdoS3wgiYphbbmU-c-qnf65nj4oHhknV6LVY3BPpVYoMa6-XA/viewform 上記署名の賛同人に、音楽に関わるひとりとして名を連ねさせていただきました。現在、新型コロナウィルスの感染拡大防止のために、ライヴハウスや劇場などへのイベント、ライヴの自粛要請

          #SaveOurSpace

          【反ヘイトスピーチ】カウンター動画アーカイブ

          秋山理央さんによるカウンターの記録。その精力的な活動にいつもあたまが下がる思いだ。それと同時に、ここに記録された醜悪で卑怯なヘイト街宣以上の数のヘイトが、この間街に垂れ流されてきたことを忘れてはならない。差別に抗い社会に公正さを取り戻すための活動はさまざま試みられている。カウンターはそのひとつに過ぎないけれど、街に向けて問題を可視化するものとして相応の効力を持っている。

          【反ヘイトスピーチ】カウンター動画アーカイブ

          メッセージ

          津久井やまゆり園の大量殺傷事件の犯人に対して、横浜地裁は死刑判決を出した。最大級の量刑が出されることは十分理解する。だけれど死刑そのものに反対の立場をとっている自分としては、納得しこれでよかったなどとは到底思えない。 なにより、今回の犯人は被害者となった障害者たちを「生きている価値のないもの」と考え標的にした。生きている価値のないひとなど、どこにも居はしないし、それを誰かが断定できるわけもない。 死刑は、更生が見込めないと考えられるものに与えられるのではないか。だが、更生が見

          メッセージ

          スペイン風邪

          「スペイン風邪」という言葉には子供の頃からなじみがあった。祖父がそれに罹り倒れたと聞いているからだ。部落では食えず、祖父は神戸に出稼ぎに行っていたそうだ。その神戸でスペイン風邪にかかり倒れた。仕事先から電報を受けた曾祖父が引き取りに行った。出稼ぎせざるを得ない階層の人間は、病に倒れれば満足な医療を受けることもなく引き取りを強いられる。それが祖父や曾祖父の生きた世界だ。いまなら神戸から在所までは山陽本線ー姫新線という鉄道を使う。だがその当時はまだすべてが開通していなかった。曾祖

          スペイン風邪

          (続続)0930文化庁前

          前の投稿から5ヶ月が経った。その後を書かねばと思いながら、なんとなく筆が重かったのだけど、区切りとして少し書いておく。 吉開菜央さんからは、彼女の文化省前での言動について、個人的に謝罪のメールをいただいた。10/4のことだ。あの夜のあと、しばらく彼女は山川冬樹さんとツイッター上でやりとりをされていた。その中で心境の変化があったのだろう。ご自身のHPにも文章をあげている。 https://naoyoshigai.com/0930-bunkacho-speech-1041.htm

          (続続)0930文化庁前