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「自分はこうなんだ」と分かったような事を言うのと、「客観視」することは違う

(写真は日本三大温泉のひとつ草津温泉の木樋:2017年7月撮影)

私の苗字は「髙澤(たかざわ)」です。

デパートなど経営する「高島屋」のロゴマークにもなっている「はしご高」を使います。これは「高」の「異字体」とされています。

高島屋のロゴマーク

いきなり漢字の話、それも私の苗字の話で失礼します。

実は今年に入って、自分の親戚ではない2人の「髙澤」さんに別々の機会で出会いました。この2人も親戚や家族ではありませんでした。

50年以上の生きてきて、こんなことは初めてです。

自分の苗字ですから慣れ親しんだ名前ですが、家族や親戚以外の「髙澤」さんに出会ったことはなかったのでした。

日本で一番多い苗字は現在「佐藤」さんですね。約18%の日本人がこの苗字だそうです。5〜6人に一人が「佐藤」さんなんですね。

もしかするとこれを今読んでいるあなたの名前が「佐藤」さんかもしれません。

苗字ランキングを見ると「内金崎(うちかねさき)」さんが約60名程度で40,000位で最も稀少な苗字だそうです。

「髙澤」さんを調べてみると30,781位ですので、珍しい方なのかもしれません。

随分と「お題」から外れた感じになってきました(笑)。

それでは今回のテーマです。

私「髙澤」が、二人の「髙澤」さんに出会った体験をきっかけに感じていることをご一緒に考えてみましょう。

自分についての「当り前」

あなたにとって当り前になっていることは何でしょう?

  • 改めて考えることもなく普通になっていること。

  • まったく意識なくしていること。

  • ありふれた事々で認識もしないもの。

私にとって「髙澤」の苗字について、自分の名前として全く意識していないものでした。「当り前」だったのです。

自分の苗字も名前も最初に認識したことさえ憶えていません。

これは私が婚姻届を出す際に、苗字を変えることを考えもせずに「髙澤」の苗字を使いました。

私の妻は外国籍で、日本国籍がありませんから、妻の戸籍はありません。ですので、妻は苗字を「髙澤」にする必要はなかったのですが、米国で婚姻届を提出した際に、苗字を「Takazawa」に変更しました。

婚姻以外の理由で私の「髙澤」姓を変える必要にも遭遇しませんでした。

なんの疑問もなく私は「髙澤」なのだと思って育ってきたのです。

このように自分について「当り前」になっていることは、少なくないのではないでしょうか。

これは必ずしも悪いとは言えないでしょう。「当り前」であれなんであれ、自分について認知していることは、仕事でも、プライベートでも役に立つことがありますよね。

これは単に個人についてだけではなく、チームや組織などの「自己」についての認知についても同じような事がいえるかもしれません。

「彼を知り、己を知れば、百戦殆からず」

といわれるとおり、「自己」を知ることは役立つのです。

しかし、そのような「当り前」となっている自分自身についての全ての認知が、役に立つわけでもありません。

教育界で注目されている「メタ認知」について考えてみましょう。

「メタ認知」とは?

もともと「メタ認知」とは、認知心理学の用語です。

メタとは「〜を越えた」という意味を持ち、自己の認知を越えた認知という意味です。

ざっくり言えば「客観的な自己認知」と言えるでしょう。

近年、教育界で注目されたのは文部科学省が教育方針を明らかにする「学習指導要領」の中で取り上げたことが大きいでしょう。

「学びに向かう力、人間性等を育成する教育の充実」から
主体的に学習に取り組む態度も含めた学びに向かう力や、自己の感情や行動を統制する力、よりよい生活や人間関係を自主的に形成する態度等があり、自分の思考や行動を客観的に把握し認識する、いわゆる「メタ認知」に関わる力を含むものです。
「学習指導要領」文部科学省

また、「メタ認知」能力と学力の相関関係を示す調査なども様々出されています。

自分自身について「当り前」に認知していることが、「メタ認知」とは限らないのです。

つまり、客観性を欠いた自己認識になってしまっている可能性があるのです。客観性を欠いていれば、単なる「自意識」である可能性は大です。

それでは、自己の成長はおろか、他者との協働を通して成果をあげることも難しくなってしまいます。

家族・親族でない「髙澤」さん二人と直接お話ししたことは、新鮮な視点を私にもたらしました。私の家族・親族とは全く異なる二人の家族と親族のお話を伺うことで、私の「当り前」は決して「当り前」でないのだという見方を持つことができたのです。

自分についての「当り前」を客観視してみる

自分にとっての「当り前」を客観視すること、つまり「メタ認知」を持つことが、他者とのより良い関係を築くためになるのです。

フォーチュン100に入る米国企業のエグゼクティブ・コーチの第一人者であるマーシャル・ゴールドスミス氏は、トップ・エグゼクティブが成果をあげることのができなくなってしまう理由を著書で紹介しています。

「自分はこういう人間だから」と言い訳になっているために次のレベルでの成果をあげられないことを「コーチング」で客観視することで認知することを勧めています。

「当り前」になっている自分自身のこと、自社商品など、もう一度客観視してみてはどうでしょうか?

更なる成長の課題、よりよい成果をあげる飛躍のきっかけにして下さい。


最後までお付き合いありがとうございます。


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