「難病になって何を学んだんですか....?」(3)
(写真は2016年8月最初の入院を終え、退院直後に自宅で食べた食事)
初めての入院生活
2016年7月「紫斑病性腎炎」という難病を発症して入院しました。
ここまでの経緯を知りたい方は、ご面倒をおかけしますが、シリーズの(1)とシリーズ(2)をご覧下さい。
紫斑病自体が収まっておらず、点滴に含まれている痛み止めが、切れると身体の節々が痛み、おとなしくベッドに寝ていることができなかった上に、閉所恐怖症気味の私はじっとベッドに横たわっていることができませんでした。
ハイパフォーマンス・コンサルタントの髙澤健(たかざわたけし)です。
難病を発症して何を学んだかと尋ねられることが少なくありません。これを読んでくださっているあなたの成長のために何らかの刺激になればと願ってしばらくシリーズで書きたいと思います。
主治医の先生に、腎臓の生体検査をする必要があることを告げられ、生体検査をした後、8時間ベッドに横たわって動かないでいることができるか?と聞かれました。
「できません」と答えました。夜になってもおとなしくしていることができず、痛みを紛らわすためにも、閉じ込められた気持ちを解消するためにも、フロアを歩き回っていたからです。
自分に突然起こった危機に、身体も、頭も、心もついて行くことができませんでした。
ただ、早くここから出たい。
直近のスケジュールはキャンセルし、1ヶ月以降の予定はそのままにするよう職場に指示を出していましたから、実際にすぐに退院できると思っていたのです。
腎臓の生体検査
しばらくして、身体の痛みが徐々に治まり、腎臓の生体検査を受けることにしました。ただ8時間ベッドに寝た状態で動いてはいけないという条件は、自分にはできないと思われましたが、とにかく検査を受けなければ、退院できないからと自分を納得させました。
3回の採取しますと言われました。部分麻酔ですので意識はありますが、針が刺さっても痛くはありません、と思ったのは3回目まででした。
3回目は腎臓が動いてしまって、十分な採取ができなかったので、もう1回採取することになりました。4回目は少々痛みを感じたのですが、これで終わりだとほっとしました。すると、4回目も十分な腎臓細胞が採取できなかったようです。もう一回と言われました。
5回目激痛。
時代劇の中で日本刀で腹部を刺し通されるシーンがありますが、きっとこんな痛みなんだと勝手に思っています。何か背中からお腹まで、刺し通されたような激しい痛みでした。
ようやく5回の接種が終わり、手術台から転がされるように、うつ伏せから仰向けにベッドの上に移されました。
8時間動けない。寝たきりになってしまわれた方も同じ病院に入院しておられる中、情けない話しですが、気が遠くなるような思いでした。加えて仰向けにベッドの上に寝るだけではなく、自重を使って止血をするために砂袋をベッドと背中の片側に挟まれていました。
え〜知らなかった!ただ安静にしてさえいれば良いと思っていたら、微動だにできない。それも背中の一部だけベッドの上の砂袋によって押し上げられた状態で。これが苦しかったのですが、何とか8時間耐えました。「知らぬが仏」とはこのことです。もう一度すると言われたら、できるかどうかわかりません。
で、何を学んだの?
「8時間安静にしていなければならない。」そのことだけが強く迫ってきて、砂袋のことは説明があったのかもしれないのですが、頭に入っていませんでした。なぜ、8時間安静にしていなければならないのかが、わからなかったのです。止血のためでした。
何かの指示をだされるときに、その理由を説明されることでその指示に従いやすくなることがあります。逆にその指示の背後にある理由がわからない場合に、指示に従いにくくなることもあるでしょう。
今回の学びはこれです。
指示を出すときには、明確な指示を出すだけではなく
なぜその指示の背後にある理由や目的をつたえること
それによってやる気や納得して仕事に取り組むことができる
ある調査によると職場の上司に対する不満の第1位は、
「指示が曖昧」
だそうです。
指示を出すときには、「何 (What)」、「いつ(When)」、「誰(Who)」、「どこ(Where)」、「どのように(How)」などが明確になっていることは大切です。
しかし、それに加えて「なぜ(Why)」も加えることで、指示がより明確になるだけではなく、仕事に対する理解もやる気も深まりやすくなります。
人間誰しも「無意味」なことをすることほど、辛いことはないものです。目的や理由を納得して取り組んでもらうことが肝心です。
あなたの指示が、仕事に対する理解ややる気を引き出しますように。
ここまで読んで頂きありがとうございます。
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