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「難病になって何を学んだんですか....?」(1)

(写真は2016年7月13日人生初めて入院した日の病院食)

研修旅行の企画準備のためイギリスへ

2016年6月29日に日本を発ち、ウィーン経由でロンドンへ向かいました。リーダーシップ研修旅行の準備をするためでした。

それまで米国への研修旅行を企画していたのですが、米国は「スクラップ&ビルド」の考え方があり、時代が変わればこれまでのものを完全に壊して新たなものを作るか、さもなくば、そこを出て新たな地でゼロから新たに始めるという世界観があります。

日本の様に歴史がある国のリーダーシップ研修のために米国の例は刺激にはなるものの、英国バージョンの「温故知新」を学ぶことが、日本のリーダーにとって異なる刺激を与えてくれるに違いないと思ったのです。そこで、オクスフォード大学、ケンブリッジ大学、マンチェスターユナイテッドなどの経営から学んでみようと考えたのでした。

ハイパフォーマンス・コンサルタントの髙澤健(たかざわたけし)です。
この記事を読んでくださっているあなたが、「最高の自分」に向かって成長するために、少しでもお役に立ちたいと願いながら書いています。難病を発症して何を学んだかと尋ねられることが多いので、あなたの成長のために何らかの刺激になればと願ってしばらくシリーズで書きたいと思います。


赤い斑点...虫刺され?

ロンドン、オクスフォードの受け入れ先を訪問してマンチェスターに向かった時に、滞在先のシャワーで太ももに赤い斑点が一つあることに気がつきました。虫刺されか、かぶれかとも思いましたが、かゆくも痛くもなかったので、何だろうかと思いました。持っていたハンドクリームを一応塗っておきました。

ケンブリッジ大学で教えている友人を最後に訪問した時には、赤い斑点が両脚に拡がっていました。その晩は友人宅で最後の夜をすごしました。ところが、激しい腹痛と身体の節々の痛みで一睡もできませんでした。持ち歩いていた鎮痛剤を飲んだのですが、薬の効果が薄れると激しい痛みが再発し、薬を飲み続けるというくり返しでした。

翌朝は腹痛で何も食べることができず、そのまま鎮痛剤を飲み続けて、ヒースロー空港に向かいました。日本への直行便であれば良かったのですが、経由地のウィーンで一日観光をしようとスケジュールを組んでいましたので、体中の痛みで観光などできる余裕はなかったのですが、ウィーンで寺院やドナウ川に出かけたのでした。この頃になると痛みに加えて、足がむくみで膨れ上がり、靴を脱ぐことができなくなっていました。薬が切れると痛みが激しく、食欲もわかないので、機内食も食べず鎮痛剤を飲み続けて日本に向かいました。


空港から病院へ

空港に家族が迎えにきてくれましたが、その晩に夕食を兼ねて会議に出席しなければと思っていたので、家族にも体調について詳しいことは伝えませんでした。

会議の会場に出かける途中に、皮膚科のクリニックに寄りました。「これは皮膚じゃありませんね。すぐに結果の出る大きな病院で検査を受けて下さい。」と医師に勧められました。鎮痛剤を飲み続けて、会議でもほとんど何も食べることなく、会議を終えて自宅に戻りました。

翌日、総合病院に行くと皮膚科と内科の両方の検査を受けて下さいと受付で言われました。皮膚科の医師が膨れ上がった足に拡がる赤い斑点を見て、「これは内出血ですね」と言うのを聞きながら、一体何が起きているのだろうと思いました。

その後、内科の医師より赤い斑点は「紫斑病」の可能性が高く、「紫斑病性腎炎」になっている可能性が高く、生体検査をする必要がある旨を伝えられ、入院を勧められました。

生まれてこの方一度も入院などしたことのない私は、どのように反応してよいかわからずに「いつ頃から入院すれば良いですか?」と聞きました。

「今日、このまま入院できますか?」と言われ、「できますが...」と答えました。

「どの位ですか?」と尋ねると「生体検査のために1週間ぐらいは入院してもらうことになると思います。」

そこから、入退院を9回もくり返すことになろうとは、全く予測もしていませんでした。


難病になって学ぶこと

しばらく私が「紫斑病性腎炎」という難病を患ったことを通して何を学んだのかについてシリーズで書きたいと思います。私が辛い思いをしたから慰めて欲しいとか、カタルシス効果のために吐き出そうという思いは一切ありません。

ここで紹介させて頂くことによって、少しでもこれを読んでくださっているあなたの「最高の自分」への成長のために役に立てば、刺激になればと思っています。

今回の学びはこれです。

何か問題が起こると自分で何とかしようとして、
人には知らせない方が良いと思うが、
早い段階で開示することが大切。

私は自分で何とかしようとしていました。迷惑をかけることになるからと、家族にも会議参加者にも、自分の状態をはっきりと言いませんでした。自分で何とかできると思っていたのです

飲み方を無視して3日間飲み続けていたので医師にも飲んでいた鎮痛剤のことも伝えませんでした。その鎮痛剤は「イブプロフェン」。後でわかるのですが、腎臓病の私が飲んではいけない鎮痛剤でした。

あなたにもきっと問題に直面することがあるでしょう。リーダーとしての立場があると、問題を開示することに抵抗を感じるのではないかと思います。

しかし、問題を隠蔽し続けても問題は自然には解決も消滅もしません。すみやかに相応しい助けを受けるために、一人で何とかしようとしないで適切な他者に相談をすることをして頂きたいと思います。私を反面教師としてください。

長くなりました。今回はここまで。





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