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今までの人生39(サンタがくれたモノ3)

「わかったよ。絶対行くから。」

そう言って電話を切った。

その後、久しぶりにシャワーを浴び
髪を乾かす。

もともとセミロングだった髪の毛は
いいだけのびてボサボサだ。

一番近所の1000円カットに朝イチで行き
ボブにしてもらった。
短くしたのは中学生以来だった。
美容師さんに本当にいいのか何度も聞かれた。

自分でもなぜボブだったのかわからないが
何せ清潔にして行かなければいけない。
私は何年も引きこもって何年も人に会って
いなかったのだから・・・
(今思うとそうゆう気持ちが強かったのかもしれない)

急いで帰宅し
荷物を詰めたカバンを見る。

絶対最後に父に会う!

この時はこれしか頭になかった。

うつ病になってからこの日までの中で
一番頭を使ったと思う。

どうやって実家まで行くか・・・

・まだ午前中雪は降っているが頑張って
 何時間も歩いていく(確実に無理な距離だ)


・何とか友人に頼む
 (頼み事を出来るほどのリアル友人はいない)

・タクシーで一直線で行く
 (金銭的に無理)

・公共の交通機関で行く
 (もうこれしかない・・・)

まだ時間は早いが出かけるために着替える。

落ち着かない。
考えると落ち着かない。
でも行くしかない。

部屋の中をウロウロ歩きながら
実家まで行く方法をシュミレーションする。

地下鉄の駅まではいける。
人の目を見ない。
自分しかいないと思えばいい。
改札を通れないだけ。(一番の難問)
改札を通れたら地下鉄に乗るしかない。
乗ったら終点まで目をつむっていればいい。
そしてタクシー乗り場まで行ってタクシーに乗る。
実家まで行く。
これだけだ。

数日家を空けることが何年もなかったので
寒かったが火の元が心配でストーブを消し
ガスの元栓を閉める。

家を出るのは14時予定。
何時間も前から着替え、コートを着て
部屋の中をウロウロしながら
ずっとシュミレーションする。

14時5分前のタイマーが鳴った!

よし行こう!

不安だらけの中、大きなカバンを持ち
戸締りを何度も確認し地下鉄へ向かう。

地下鉄駅に到着。
上は見ない
足元だけを見て耳栓をする。
交通パスを手にし
深呼吸
かすかに聞こえていた人混みのザワザワ感と
駅のアナウンスがだんだん遠くなる。

今私は駅に独り。
不思議とそう感じた。

今だ!

改札にパスをあて通り抜ける。

改札を通れた!
地下鉄に乗れる!

気が緩んだのか人混みのザワザワ感や
駅のアナウンスがかすかに耳栓を通して聞こえる。

少し顔を上げる。
やはり人は多かった。
でもなぜか世界がぼやけている。

この時点ですでに私は泣いていたのだ。
周りの人は何だこいつ
キモッと思っていただろう。
でももうこの時はそんなのどうでもよかった。

地下鉄が到着し
そこそこ混んでいたが優先席が空いていた。
申し訳ないと思ったがカバンも重かったし
優先席の端に座り目をつむり
涙を拭きながら終点駅に向かった。

うつ病になって初めて地下鉄に乗れた。


今日はここまで


気を付けていたが
微妙に軽い風邪をひいてしまった。
私の朝活がぁ〜
いつもはXでおはようポストしてから
朝が始まるのだが、今日は順番がぐちゃぐちゃ

でもまぁいっか。
やることをきちんとやればいいよね!
自分に言い聞かせ散歩は夕飯の買い物時に
スーパーの中をいつもより多めにぐるぐる
してこようと思う。

30代後半でうつ病になり、 病気になった原因や、 51歳を機に第二の人生を歩もうと未来を望むことを決めた、 これからのことを綴っていきたいと思います。