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火曜日しばらく雑記帳・2023 CW39

何か調べものをしようと思ってブラウザを開いたら、しょうもないニュースにひっかかって思わず時間がかかるときがある。みなさんも覚えがあるだろう。先日は「部長に誘われて飲みに行ったら延々3時間以上も説教されてしかも二人で8500円だったかの飲み代の会計のときに「4000円でいいよ」と言われて引いた」という 1 - 2ページほどのマンガがツイッターでバズっているというニュースにひっかかった。

思わず30年近く前の話を思い出したので書いておこう。私と同僚が上司と3人で但馬へ出張に行ったときのことだ。

私は京都から、同僚と上司は大阪からだった。行きは全員バラバラで別々の特急に乗って出かけた。午前中に先方の工場に入り軽く打ち合わせの後、出石皿そば( 出石皿そば巡り - 但馬國出石観光協会公式サイト但馬國出石観光協会公式サイト (izushi.co.jp) )の有名店に連れていっていただき、みなさんと楽しく会食、午後は工場見学、最後にラップアップの打ち合わせで夕方に終了。今から思えば、若い二人に工場の勉強でもさせてやるか、というような出張で、お気楽出張と言ってしまうと先方には大変な失礼な、今の時代ならとても許されない、と思う。

工場の方々も含めてみな笑顔で終了、上機嫌の帰りの列車は、私は京都方面で別行動だったが、同僚と上司は大阪まで3時間ほど、同じ特急で席が隣だったらしい。

その上司は仕事にも厳しかったし、私達への要求も高かった。しかし、それ以上に自分に厳しい人だったから、出張の帰りで乗り合わせた部下に説教なぞは絶対にしない。それどころか仕事の話を持ち出すようなことはしない。しかも同僚は酒を飲まなかった。その上司は、もちろん、酒を飲まない人を前にして一人で酒を飲むような失礼なことはしない。

酒も飲まずにあたりさわりのない世間話を3時間ほどしていたらしい。


「あれは大変でした。仕事の話や説教のほうがどれだけ楽だったか。。。」

と後日、同僚はこぼしていた。


その上司からは、数えきれないほどのことを教わり、いまだに出来ていないことも多い。こんな時にあの人だったらどうするだろうか、と苦しい局面では考えるときもしばしばだ。だいぶん前から年賀状を交換するくらいで、もう縁遠く、会うこともない。でも、もし仮に気軽に会えたとしても相談に行ったりはしないだろう。

「何をしないといけないのか、もうとっくに自分の中で答えを出しているだろ?」といたずらっぽい目を眼鏡の奥で光らせて言うだろう。愚痴や泣き言は相談にはならないし、相談すべき内容が整っているならばすでに答えは出ているのだ。


■ 何年か前からパッケージの調理例どおりにインスタントラーメンを作って食べるシリーズを facebookのアルバムでシェアしている。改めて見てみると最初のサッポロ一番みそラーメンが2016年3月21日となっている。

ということは足掛けもう7年と半年、296 items ということでもうすぐ300を数えることになる。

ちょっと前に買っておいたKALDIのフォー、2種類をこの日曜日に作って食べた。

まずは、フォー・ボー。「ボー」というのは牛肉のことで牛肉を使ったフォーだ。ベトナムのフォー屋さんは朝のまだ暗いうちから開いていて多くのベトナム人でにぎわう。それに習って満を持して日曜日の朝食にした。

ベトナムの米の平たい麺・フォーはおなじみだろう。5分茹で弾力のある平たい白い麺はクセがまったくなく口当たりいい。スープは液体スープをのばすタイプで調味油がついていてコクを増す。こちらもクセなく適度な脂でとても美味しい。

2023/9/24 朝食 フォー・ボー
2023/9/24 朝食 フォー・ボー、下準備が終わったところ
生のハーブは、ミント、バジル、香菜、クレソンも足した。ミントの香りがキッチンを満たして爽やかで気持ちがいい。
野菜は、軽く火を通した豆もやしに薄切りの紫玉ねぎ、そして、青ネギを縦に細く切ってクルっと丸まったのを作るのはお手のものだ。
牛肉はちょっとだけ張込んで、サシの入った国産牛肉で750円/100gの薄切りを買ってきて使った。
生の赤唐辛子がなかなか入手しにくいのだが、この日のために、先月墓参りで上野に行ったときにアメ横に寄って、タイ産のをいくらか購入しておいた。パッケージの調理例のものよりかなり赤味が強いがまぁ許される範囲だろう。 ライムはカットすると香りがよくうっとりする。

そしてベトナムの男たちの多くは、昼から夜遅くまで店先に集まりプラスチックの椅子に座りこんで、飲み食いしながら一日中喋っている。それに習って、同じ日の夕食はフォー・ガーにした。「ガー」というのは鶏肉のことで鶏を使ったフォーだ。

2023/9/24 夕食 フォー・ガー

生のハーブや野菜は豆もやしを入れてないことを除いて、フォー・ボーと同じ組み合わせだ。

鶏の胸肉は塩と砂糖をすりこんで、カットせずにジップロックに入れて沸騰する手前程度の湯で10分くらい茹でた後に室温に下がるまで放置する。つまり低温で火を通すのだ。

ハーブは香りが渾然一体となってメチャメチャ美味く、唐辛子の鮮烈な辛さもいい。スープが味をどっしりと支え、トッピングの強い味に負けず、とても美味しかった。

フォー・ボーもフォー・ガーもどちらも期待以上の美味さだった。

2023/9/24 夕食 フォー・ガー
途中でハーブ増し、鶏増し、ライムを絞って唐辛子をちょいと足した。爽やかさと辛さが複雑さを増し、おいしい。

ハノイに数日の出張で行ったのがもう10年近く前、ホテルの朝食はスキップして、あたりがまだ真っ暗なうち6時前ごろにフォー屋さんに食べに行った。店頭に何羽も鶏がつるしてあってなかなかワイルド、間口が狭く奥行がある店でしっかりとした工場の作業台のような長テーブルが並んでいた。意外とこってり、チリソースや香菜やライムがテーブルに備えてあっていろいろ好みの味に変えることができて、それもよかった。

さて、カリーは得意ではあるが、得意であるだけにネガティブな面もある。材料やスパイスの組み合わせなどはやはり慣れ親しんだものになり勝ちで、コンフォートゾーンから脱却できず、いつだってコンサバな点で面白味が欠けるかもしれない。

2023/9/22 カリー3種
下が、鶏とジャガイモのカリー、左が、チャナダル(豆)のカリー、左上が白いんげん豆とトマトのカリー。ジャポニカ米のご飯にはフライドオニオンをふりかけ、生の青唐辛子と紫玉ねぎを箸休め。

今回のスパイスは、コリアンダーシード、クミンシード、フェヌグリークシード、ターメリック、赤唐辛子。

鶏のカリーは、ヨーグルトで煮込んで爽やかでコクがしっかり、チャナダルのカリーは時間をかけてじっくり煮てスパイスだけでシンプルに豆の旨味と滋味で、白いんげんとトマトのカリーはスパイスを控えめにしてトマトの旨味・酸味を活かす、だいたいそんな感じだ。

と、このように書いていると、日々余裕のよっちゃんに見えるかもしれないが、湖の上で優雅に浮かんでいるように見える白鳥も水面下では足をバタバタさせて必死に水をかいているものだ。

先週はちょっと息詰まる情勢でラボにも顔出さず、新横浜の事務所に籠っていたので弁当はなし。

2023/9/20 昼食
牛と万願寺の地中海風・スダチ添え、自家製ポテトサラダ、キュウリ、出汁巻き、しば漬けに雑穀入りご飯にふりかけ
2021/9/21 昼食
マグロと万願寺でスパゲティ


いつの間にか秋分の日もすぎた。そろそろ万願寺唐辛子もしまいにする。季節は巡る。


■先週にひっかかった音楽を少し

1.レバノンの女性歌手、タリア・ラフード、3か月ほど前にバリへ行ってレコーディングしてきたらしい。

先週、SNSに投稿されていた。1分に満たないプロモーション用のトラックだが、ずっとループして楽しく聴ける。インドのタブラやインドネシアのガムラン、パーカッション、中東のウードや中国の二胡、などがミックスして、ポップなバックコーラス、となかなか魅力的なインターナショナルな曲に仕上がっているようだ。この手の曲でありそうでなさそうな、アラブ歌謡の節が効いたメロディと歌声がいい。

これは、大きな転機になるか。来年か再来年はもうずっと手の届かない大スターになっているかも。・・・今だって手は届かないが。。。

2.トルコの女性歌手 Burçin (ブルチン)がセゼン・アクスの歌をカバーした Kaç Yıl Geçti Aradan (何年が過ぎ去ったのか:chatGPT 4 訳)が耳に止まった。光がたっぷりでライブ演奏の様子をちゃんと写す映像が好感触、美しい。

他にもいろいろYouTubeで動画がアップされているが、たとえば "Veinte Años" (20年間)。

"BesameMucho"

ギターにサックスやトランペット、アップライトのベース、といった編成でフランスのジプシージャズを思わせる軽いジャジーな音作りで、柔らかくて明るい歌声が映える。惚れた。

Spotifyでは 2021年からシングルばかり7枚リリースされているだけのようだ。

これから楽しみなミュージシャンだ。

3.久しぶりに Liberation Music Orchestraの曲が耳に飛び込んできた。ベースのチャーリー・ヘイデンとピアノとアレンジのカーラ・ブレイが中心のジャズ・バンドで、スペイン内戦や中南米の紛争・アメリカの介入・ニカラグア内戦などをとりあげ反戦メッセージが色濃いが、フォークソングを取り入れわかりやすいメロディのテーマに、メンバー全員のフリーでエネルギッシュな即興演奏を前面に押し出し、しかし、カーラ・ブレイとヘイデンのアンサンブルが見事にまとめる、まさに自由と調和を感じさせる稀有なバンドだ。1993年のライブ録音がリリースされたようだ。

4曲で 1時間14分。しかし、いろんな人に聴いていただきたい。


4.ポルトガルからファド、Cristina Branco (クリスティーナ・ブランコ)のシングル "Passos Certos" には聴き惚れる。


5.ブラジルの新進女性ボーカリスト、Katarina AssefとJulia Vargas の "Restos"


6.先日リリースされたばかりのマッテオ・マンクーゾのデビューアルバム "The Journey" から "Silkroad," ビデオクリップが YouTubeに上がっていた。

アコースティックギターの静かなイントロから、エレクトリックでジェフ・ベックを思わせる導入、そして2’55"あたりからのタッピングをたっぷりフィーチャーしたソロ、3’25秒くらいから独特の右手の構えから縦横無尽に駆け巡る高速ソロ、なかなか聴きごたえがある。4'12"あたりからまたアコースティックギターで新しいテーマを弾いてエンディング。憎い構成だ。

ヤマハのギター Pacifica が相性いいのだろう、アタックが強くメリハリのいい骨太の音が心地よい。

シチリアはパレルモ近くの名所旧跡で撮影されたらしい風景もなかなか魅せる。


7.クラシックギターで注目の二人、Alexandra Whittingham (アレグザンドラ・ホイッティンガム)と Stephanie Jones (ステファニー・ジョーンズ)のデュオで、セルジオ・アサドのFarewell。



■先週末の土曜日の早朝は新横浜で、一晩中降った雨が上がったあと、曇り空の下で 13.1km 走って来た。朝晩はだいぶん涼しくなってきて、この日は25℃くらいで走りやすかった。

2023/9/23 462.4km 計画比 99.3% 今年の目標は640km

9月末で計画比97.5%までは許容できるという見通しに対して、99%以上で着地できそうなので、今年も目標に到達できる見込みだ。

■さて、一難去ってまた一難、まだまだ厳しい情勢なのだが、バレエの発表会を見に行く。おととし、カントの「判断力批判」に触発されて「美しいと認識する力」を実践から洞察しようと考えたおり、バレリーナの友人に誘われて感動してから、毎年の恒例となった。

スクール発表会のお知らせ NYDCバレエスクール第14回発表会 『コッペリア』全幕 同時上演 / Names、バレエコンサート、HipHop 曳舟文化センター 16:30開演 入場料: 2000円(小学生以下は無料) どうぞお楽しみに!

Posted by NYDC Ballet School on Thursday, September 7, 2023

今年の演目は「コッペリア」。先月、イギリスの Royal Opera House のDVDを購入して予習している。一通りは見て流れはつかんだが、繰り返し見て音楽や登場人物、見どころを覚えて備えるつもりだ。

Royal Opera House: Coppelia

コッペリアはわかりやすい。アクロバティックな振付で魅せるところはないが、いろいろなスタイルの素朴な感じさえする踊りに親しみやすい音楽とシンプルなストーリー、ドン・キホーテにくるみ割り人形を見て3作目がこれ、というのも出会いの順番としては絶妙だ。

一番大事なのは名前を覚えることだ。ヒロイン Swanilda を踊るのは Marianela Nunez、相手役 Franz はVadim Muntagirov。


マリアネラ・ヌニェスはさっそく instagram でフォローしたら、毎日たくさんの投稿が来て見るのが大変だ。他の方がシェアしたストーリーを自分で再シェアするなどするので同じ投稿が何度も出てくる。なんとかならないのだろうか。とはいえ、これはドン・キホーテのキトリのヴァリエーションだな、とすぐにわかるようになったのが嬉しい。

見るものと見られるもの、意識と無意識、心、身体、姿、形、鏡、修行、哲学、科学、いろんなことを考えさせられる。

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