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【学び③冊目】コンサルタントの経営数字の教科書

はじめに、この本を読む前にどのようなことを期待していたか

私が、この本を読む前に自分が知りたいと思っており、この本を通して知ることが出来るだろうと、仮説を立てた点は2点あります。

① 経営者の視点
コンサルタントは経営者を相手にビジネスを行う以上、経営者の視点を理解している必要があるのでは無いかと考えました。確かに、相手に取るビジネスの産業は多岐にわたりますが、その中でも共通して存在する、経営者の考え方のエッセンスのようなものが存在し、この本で、それについて知ることが出来るのでは無ないかと考えました。

② 経営者のビジョンを数値に落とし込んでいく過程
経営者のビジョンがあり、それを次に具体的な数字に落とし込んで戦略を立てていくということは、すでに理解していましたが、もう少し踏み入り、どのように具体的に数字化し、成果につなげていくのかという過程の部分を知りたいと思いました。タイトルに経営数字とあるので、言語的な部分だけでなく、そのような数字的な部分についても、この本を通して深く知ることが出来るのではないかと考えました。

主に、この二点の部分に注意のアンテナを張りながら、この本を読み始めました。

社長が任せたいコンサルタント

信頼でき、かつ社長が見落としている部分のインサイトを補充してくれるようなコンサルタント。

まず、最初の驚きと発見がこの部分にありました。最初私は、社長が任せたいと思うコンサルタントは、経営的な部分で完全に頼りきってもらうことができ、その部分を完全に担うことができる「先生型」のコンサルタントであると考えていました。しかし、実際はそうでなく、社長と同じ視点に立ち、社長が気付くことが出来ないような、気づきを与えてくれるようなコンサルタントが、選ばれるコンサルタントだということを知りました。同時に、冒頭で、ビジネスを相手に商売をするという表現を使いましたが、実は相手にしているのではなく、一緒に働いているのだ、という気付きを得ました。

コンサルタントのトーク術


本の全体を通して、実際にどのようにお金のブロックパズルを用いるかについてよりも、どのように話すかの、トーク術についての部分の比率が高いという点に疑問を持ちました。その疑問からつながったのは、スキルや知識にたけているだけ(職人)では、コンサルタントは務まらないという考えです。具体的には、会計の知識があり、数字に強いだけでは、社長に信頼されるコンサルタントとしては、100%合格では無いということです。本の中であげられていた例でいうと、社長に経営数字の話をするに、数字の専門家ではない社長に分かりやすく説明し、理解してもらうには、一定の手順が存在し、トーク術を要するのです。ここで連想されたのは、「コンサル一年目が学ぶこと」という本の一節にあった、相手と同じ土俵にたって話すということです。相手がそのことを知っていることを前提として話すと、結局、理解してもらえないどころか、ただの自己満足になってしまいます。このように、コンサルの仕事は知識だけでは務まらないものであるということを、あらためて実感しました。

お金のブロックパズル


私が本書を手に取る前に知りたいと思っていた②の部分は、この部分に全て集約されていました。自分自身に関しては、これから簿記や会計の知識をつけていくので、会社の資金の流れを把握することは、これから出来るようになるとしても、それをどのように経営者に理解してもらえるように話すのかという疑問がありました。それを、分かりやすく可視化したものがこのブロックパズルです。また、そこから未来の収益をシミュレーションして、何をすべきかなどを具体的にブレイクアウトしていくという過程において、コンサルの仮説思考のプロセスが組み込まれていると感じました。

社長のビジョンの言語化


コンサルが経営者と一緒に取り組むことに関して、現在直面している経営上の問題の解決(借金の返済の問題など)と、経営ビジョンに向けての行動の2種類があるとのことが書かれていました。しかし、この本で扱っているそれぞれに関しての内容の割合をみると、大半が前者について述べており、ビジョンとその言語化について触れている部分が登場し始めたのは、ようやくラストに差し掛かった部分からでした。もしかすると、コンサルが扱う問題の大部分は、前者の現状の問題解決の部分が占めているのでは無いか、というような考えにも至りました。

それはさておき、ここでは、ビジョンが不明瞭なまま会社が運営されている場合が多く、まずはお金を儲けてから、具体的なビジョンを考えるというスタンスにより、結局どんぶり経営から抜け出せなくなってしまう会社が少なくないというジレンマについて知りました。この話を抽象化すると、目的、手段をまず考え、次に実行し、結果がようやく表れるということで、勉強など他のことにも適用することが出来る考え方だと感じました。まずは、ビジョンを明確にしない限りは、手段も定まらず、簡単に放棄することもできてしまいます

まとめ


最初に知りたいと思っていた2点の内容について、②の具体的な数値への落とし込みに関しては、お金のブロックパズルというものに全ての答えとエッセンスが詰められていました。①の経営者の視点については、私が最初に考えていた視点とは、完全に異なる角度からのインサイトを得ることが出来ました。経営者の視点で考えるというのは確かに合っているのですが、経営者が抱えている主な問題は何なのか、またそれを、経営者に寄り添ってどのように解決するかに焦点が当てられていました。全体として、数字の部分だけでなく、コンサルタントに必要とされるエッセンスを様々な角度から触れることが出来ました。すべてに関して、まだ一度読んだ今の段階では完全に理解できたとは思えないので、繰り返し読み、スキル的な部分、考え方の部分ともに、入社までに身に着けたいと感じました。

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