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【学び63冊目】チェンジリーダーの条件

イノベーションとマーケティング?
〜企業の存在意義とは?〜

経営理念には、企業の存在目的が込められています。企業ごとに千差万別ですが、共通していえるのは、その目的が、組織の外部、つまり社会にあることです。存在目的が内側にある場合、それは企業とは言えません。家業です。企業であれば、その存在目的は必ずその外側にあるものです。ドラッカーは、企業の目的は、「顧客の創造」だと言っています。文字通りに受け取れば、違和感を感じる人もいるでしょう。顧客を得ることが企業の目的だなんて、欲望丸出しだと、殆どの人が感じます。

ですが、2点ここで考えたいことがあります。
まず、顧客の創造は、顧客の獲得は、違う次元の話です。顧客の創造を、顧客を獲得することだと考え、それが目的だと考えると、いやらしく感じてしまうのでしょう。更に言えば、「顧客の獲得を目的のはおかしい」という考え方ですら、間違っています。「金儲けは賤しいもの」だという考えは捨てなければいけません。得ているものは、企業が社会に与えている価値の指標だからです。

顧客の獲得の話はさておき、ドラッカーが言っているのは「顧客の創造」です。

市場を作るのは誰でしょうか?
神でしょうか?

いいえ。

顧客でしょうか?

いいえ。

答えは、企業です。市場を作るのは企業の役目です。顧客は製品を買うのではありません。サービスを買うのでもありません。その製品、サービスから得られる「効用」を買うのです。その「効用」も有効需要に変えるまでは、潜在的ニーズにすぎません。それを掘り起こすのが、企業の役目です。
最初の定義づけに戻りますが、企業の目的は、顧客の創造なのです。

そして、その目的を達成し続けるための企業の機能はいくつあるでしょうか?
実はたった二つだけです。

マーケティングとイノベーションです。

マーケティングは、顧客が欲しているものに答えようとする活動です。自社が何を販売したいかという考え方は、マーケティングとは無縁です。販売とマーケティングは対の概念であるとすら言えます。そして、その方法は一つではありません。ペルソナが何かにより、マーケティングの方法は千差万別です。共通しているのは、顧客にとっての「効用」は何かにフォーカスをしている点です。「ジョブ理論」では、顧客が片づけたいジョブという表現していますが、言いたいことは同じです。

ただ、マーケティングだけしていれば、企業は目的を達成し続けられるという訳ではありません。もし、社会、経済が静的なものであれば、マーケティングをし続け、顕在しているニーズにこたえ続けるだけでも、企業は生き続けられます。ですが、実際は社会、経済は動的なのです。変化をしない企業は淘汰されます。変化し続ける社会に対応するには、企業自らも変化するしかありません。今までになかった方法で、顧客のニーズに答えていく必要があります。これが正にイノベーションです。

そして会社の中長期的な戦略のほとんどは、ノベーションにフォーカスしたものになります。イノベーションは、企業にとって重要性の課題です。緊急性の課題をこなすことによって、企業を永続させることはできません。先送りできてしまうことをいかにして先送りしないかが、企業存続のためのテーマになってきます。
目的である「顧客の創造」をし続けるためには、常に一歩先を見続けていかなけれないけません。


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