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vol.094「ITの『残酷さ』:能力の差を増幅する道具。」

誰にでも、特技、取り柄はあるもの。
「自分の意見をはっきり言う。禁止されてないかぎり手を挙げる。自由発言するほうである」
は私の、少なくとも特徴だと思います。
会社組織人的な視点でいうと、おかげで問題解決が一気に進んだこともあれば、相手を意図せずめちゃ怒らせたことも(数しれず)あります。


◆「SNS心がけ」を、必要とする人、しない人。

前回ご紹介した、『SNS心がけ7か条』。

①友達申請の際はメッセージを添える
②「見られている」という観点を持つ
③「美味しくなかった」紹介はしない
④上から目線でコメントしない
⑤コメントは「記事に関係あること」を書く
⑥「当事者が見てもいい」つもりで書く
⑦「タイムラインはその人の所有物」と心得る

こういった心がまえ集、戒め集って、必要とする人、しない人に分かれます。

・必要とする人=心がまえがないとすぐ崩れる人、あってもできない人
・要らない人 =心がまえがなくてもできる人、できるようになった人

理論上は4象限存在するけど、実際は最初からできる人と、最後までできない人 に大きく分かれるように思っています。
ITという道具が、能力の差を縮小するのではなく、増幅する道具だからです。

◆「ITは能力差を増幅する」説

感覚的で、例外もあるのを承知で、
(1) 現実の生活で基本マナーが出来ている人は、SNS上でも同じように振る舞える
(2) えらい人ほど、SNS上でも謙虚である。セルフコントロールが出来ているという傾向があると考えています。

スポーツ界のスター選手、芸術の著名な作家で、本業の活動や言動が賢い人は、SNS上の発言、行動も賢い。または鋭い。独自の意見を常に持ってて、発信している―。

『心がけ7か条』だって、ことさら書き出さなくても、「目の前に相手がいる」「周囲を大勢の見物客にかこまれている」と置き換えたら、やっていいことの線引が直感的にわかる。「現実とSNSとで、相関がある」と言えそうです。

なぜそうなるのか、要因を考えてみました。
おそらく、あらゆる道具の中でも、特にITが、
「その個人の、弱みを打ち消すものではなく、強みを強調するもの」(現実世界を仮想空間に再構築するもの)
だからだと考えています。

現実世界で自分で勉強して自分の意見を持ち、発言できる人は、仮想空間でもそう行動する。
現実世界で自分で調べず、借り物の表現を使って、他者の意見(権威の情報)に依存する人は、仮想空間でもそうなる。

ITは、個人間の、能力の差を埋めてくれるのではなく、むしろ増幅する」ものだということです。
とても残酷だけど、事実を、近いかたちで捉えている、と考えています。

ITという道具のこの特徴は、人類が発明してきた過去のさまざまな便利な道具と、おおきく異なる点です。
たとえば「自動車」は、オリンピック選手も一般人も、高速道路では時速80kmから100kmで走る。つまり「速く走る」ことにおいて、能力の差を埋めています。

◆「ITの使い方」で気をつけていること。

ITという便利で、特異な道具の使い方で、気をつけていること。※気をつけているということは、意識しないとやらかしてしまうということです。

・個人攻撃しない。
SNS上で、特定の個人を攻撃しない。
※仕事ではやってたことがあります。同報に自分より上位の役職者関係者を多数追加して送るので、タチが悪いですね。自分は正しいと思い込むことの罠です。

・単なる引用をしない。
単なるシェアのみ、リツイート(リポスト)のみ はやらない。内容が素晴らしいとき、偉いのはその人であって自分ではない。
考え、意見、主観をなにか付記する。

・タグ付けをしない。
基本的にこちらからはタグ付けしない。よほど信頼関係に確信が持てて、内容的にプラスになる場合のみ行なう。または「タグ付けしてね」と了承をもらった時点で行なう。
「相手のタイムラインがタグ付けだらけで埋まらないか」「相手はタグ付けを無視する、という負担が発生しないか」と考えるようにしています。
※Facebookを始めたころはこのあたりの感覚が弱く、いま思えば失礼なことをしていた。

・調べてから書く。
極少数派とまではわからないけど、語句や意味、著名人ならいわゆるガセ情報ではないか、など「一度、検索する」ようにしている。
逆にいうと、投稿記事内にひとつ情報を書く、コメントひとつするのに、平均より時間がかかってると思う。

ITは能力差を増幅する道具で、私自身は心がまえやガイドライン集がないと転落しがち。あるとレベルが上がるゾーンの能力です。

※余談ですが:たとえばプレゼンやショートスピーチで、1回めはグダグダ、アドバイスをもらった2回めは急激に修正されるタイプ。白紙のキャンバスに絵を描くのは苦手。スケッチのお手本が横にあって、補助線が引かれてて模写するのは得意。

◆SNSに見る、反面教師としての例:

現実世界でも仮想空間でも、他者の横暴な振る舞い、理不尽な行動を目撃したら反面教師にするといい。取り合って腹を立てては同じレベルの人間になってしまう。「こうなってはダメだよ」と教えてくれている、モデルだと考えよう。そういった意見を最近何度か読みました。まあ、そうなんですよね。けれど、見ててイラッとすることはあります(私は他人に手厳しいほうです)。

私の思いつく反面教師モデル(仮称)の例は以下ぐらいでしょうか。

・匿名性:
匿名であることに隠れて、名乗って対面では言えないようなことを書きこむ。攻撃する。しつこく粘着する。

・無関係:
自分に関係のない他人の人生に首を突っ込んで、評論したり非難したりする。権限や責任のないことについて、「こうあるべき論」を展開する。

・嫉妬:
人の思わぬ幸運、窮地からの脱出。自分の身には起こらないのに、という妬み。「他人が得するのが許せない」心理だろうか。

冒頭に触れたように、こういった人たちを見て、腹を立てることも「自分の人生と関係のないことにエネルギー(時間)を浪費する行為」だから、連鎖しているのだ。

人間の心の暗い部分に起因する現象だから、(私の場合)よほど意識して、気をつける必要があります。


人より下手だから、人より練習する。成長の4段階でいえば、まずは「有意識有能」、「意識したら、実行はできる」を目指す。
何かを成している人は、発信している人が多い。または、言語化してない人はいない。考えて、準備して、鍛えている。
そんなふうに考えています。

最後までお読みくださりありがとうございます。


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