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vol.089「自分で考え、自分が意思決定する:常に『自分の意見』を持つ:後編」

前回の「どうせ話すのなら『主観にもとづく意見』を言おう」の続きです。

◆「自分の意見で生きていこう」

ちきりんさん著『自分の意見で生きていこう』にこんなことが書かれていました。

(1) 自分で考えよう
・誰かのではなく【自分の】意見を明確にするために「考え尽くす」。その意思・経験・練習を積もう
・「正しいか間違いか」ではなく「自分の意見かどうか」。正解は「調べるもの」、意見は「考えるもの」

(2) 自ら発信しよう
・意見を言わない・議論しないのは「フリーライド」。そのコミュニティにとって存在価値がない
・ネット上に自分の思考を発信しないのは、職歴や学歴を持たないのと同じくらいに不利になる

(3)自身で決めよう
・リーダーシップの第一歩は自分の意見を持つこと。「自己決定」がオリジナルの人生をつくる
(以上、勝手に要約)

『自分の意見で生きていこう』ちきりん著、ダイヤモンド社より

「独自の視点で、言いきって、批判に とんちゃくしない(完全スルー)」
という点において、ちきりんさんはトップレベルの人だと思います。


◆「自分の意見で生きているか」、点検結果

三つの切り口を、自身に置き換えて、セルフチェックしてみました。

(1)「自分で考える、誰かのでなく自分の意見を言う」

◯ 考える、自分の思考を追う・反芻する、ということ自体は昔からやっていて、習慣化している。歩いているとき、電車のなかで、考えるか、口のなかで無音で喋ったりしている。
△ 断定よりも、質問の形を取ることがある。または相手の意見を先に知ってから後攻で意思表示することが多い。
△ 「最初にポジションを決める」は明示的に意識したことがなかった。「意見(結論)」よりも「思考(過程)」を意識しているのだと思われる。
◯ 長年考えているテーマ、興味関心が強いお題。つまり、資源を多く投入しているテーマでは、自分の意見をはっきり持っている。
△ 自分が尊敬する人の見解・発信内容・価値観の影響を受けやすい。

(2)「ネット上に自分の思考を発信する」

◯ 質:SNSでの定期的な投稿を始めるとき、最初におよその方針を整理した。①本業の内容には触れない(守秘義務)、②愚痴と陰口は書かない、③単に「飲んだ」「美味しかった」でなく「自分が考えたこと」を付加する、の3点だ。
◯ 量:6年で約2,000件の1日1回投稿をしていた。「総量」はさほど劣ってない。「期間」はもっと必要だと感じてる。
◯ 環境:SNS友達の内訳=本業関連5分の1、それ以外が5分の4。「弱いつながり理論(故・瀧本哲史さん)」を信奉してるから、「ネット向けに自分の思考を発信している係数 0.8」と考えると悪くないと思っている。
◯ 実験:noteで①背景なしで自分の発信していることがどのぐらい誰かのアンテナに引っかかるか(世の中に通じるか)の実験(2020~2021)、②長文を投稿する訓練(2021~2024.4)、③毎日投稿(2024.5~)を実験中。
△ 共通:記事の多くは、本当にとがったこと、波風の立つことは書いていない。「自分の意見」を100%踏み込んで発信してない。

(3)「自分の人生を自分自身で決定する」

△ワークでは、他者の意見に影響をうけている。対人関係、摩擦回避を重視して、穏便に済まそうとする、下手(したて)に出ることが多い。
◯ライフ(プライベート)ではやっているほうだ。良しあしはさておき、人生の重要な決定を、誰かに相談したことがほぼない。

まとめると、

◯ 同書の結論のひとつである、「オリジナルの人生のキーワードは自己決定」は、比較的実行している
△ 「リーダーシップ」はさほど発揮していない。他者に関わり続けることがどちらかといえば面倒くさいほうだし、趣味・道楽も個人でやる形のものがほとんどだ
◯ 「自分の思考を発信する」は一定の質・量で実践できている

とは言える。

「自己決定」でいえば、そもそも人生における重大な決定の際、人に相談しない。結論は自分で決めてきた。それが全て良いとも言いきれなくて、判断材料の情報が限られること、我流(独善)にとどまりやすいこと、等のデメリットがありえる。

ちきりんさんの主張「ネット上に発信しないのは職歴や学歴を持たないのと同じ」は、極論すれば「存在しないのと同じ」(なぜなら見つけてもらえないから)とも言えそうだ。
2024年現在、そこまでは行ってない。勤める会社の同僚や上司、また世の中の実績ある人たちで、「SNSをほぼやってない」人はふつうに多く居る。

◆できていること、できていないこと

「発信する」という行為は、超一流に登りつめる必要がなく、著名人と張り合うものでもない。

① 世の中の平均よりは、ある程度の上位にいること(発信している質、またはノイズの少なさ)
② ある時点でカウントしたとき、簡単に追いつかれない量=ログがあること

のほうがずっと重要だと考えている。
Facebook、noteで、いいね!やスキの数を(あまり)気にせずに投稿を続けているのはそのためだ。

一方、「自分以外の他者に、思考の結果をぶつけて、投げ出さずに働きかけ続ける」は課題のひとつ。
ちきりんさんの『自分も考えて意見をぶつけ合うのが「めんどくさい」というなら、コミュニティは成立しない。タダ乗り、寄生者だ』というくだりに、うなずきもし、ドキリともさせられた。

ここでいうコミュニティとは、たとえば家庭のことだ。
ファイナンシャルプランだったり育児のことを、一方が考えるのを放棄して、パートナーに「任せるよ」の(一見理解がある、寛容であるという)スタンスを取ることだ。
たとえば会社のことだ。出席している会議で、一言も発言しないことだ。もしくは誰かの意見への評論、「ダメな理由」の指摘に終始する姿勢だ。
たとえば有志の勉強する場のことだ。リスクを取って自分の意見を言わない。思っているのに意見を出さなかったが、あとから「実は私もそう思っていました」と言出すことだ。

「タダ乗り、寄生者だ」は、本当に、ほんとにそのとおりだ。

大切な相手に対してのマイナス評価は、確信がもてるまで保留する。先延ばしにすること。
その時点でよく分からない新しい勉強のお誘いや、今までやってなかったことへのトライは、「やる理由が整理・納得できる前に」はじめてみること。
これらが非常に重要で、有効だと再認識した次第でした。



常に自分の意見を持つことの重要性、自分のステージに置き換えて、実行可能なレベルに分解すること点検してみること、についてのシェアでした。

最後までお読みくださりありがとうございます。


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