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vol.088「話すのなら意見を言う:常に『自分の意見』を持つ:前編」

前回ご紹介した矢野香さんの「計画無しに喋り出さないこと(意味のないことは言葉にしない)」の続きです。

矢野さんの教えを裏返すと、「口を開くのなら意味のあることを言いなさい」、つまり「(一般論や検索すれば判る情報ではなく】自分の意見・主張をかならず言おう」とも言えます。目的を持って、それを達成しましょう、ということです。

前段で、常に自分の意見を持っておくことがとても大切だと言えます。

◆意見を言う人、言わない人。

しばらく前に、師の一人とのディスカッションで、「自分の意見を、言う人と言わない人がいる」という話題になりました。
師も私も「意見を言う人」という点では同じ。だけど、アプローチ方法はそれぞれの形(違い)があり、大きな示唆を得ました。

「意見を表明する」ってどういうこと?人生にどんな影響があるんだろう?私の例でいうとどんな取り組みをしてきたか、を振り返る機会になったので、シェアしてみます。

整理してみた私の傾向は以下のようなものです。

・自分の意見は言うほう。「角が立つ」という理由(だけ)で、言わずに見送ることはしない。
・他者に対しても「思ってることがあれば言えばいいのに」と考えるほう。「意見を言ってない人、発言してください」と水を向けたがるほう。
・水を向けるが、ある時点で、「意見を言いたくないのならいいや」と、面倒くさくなって見切りがちである。

師は「意見を言う言わないも含めて各々の選択。自身は前へ進む」というスタンスでした(※推測・補い混じり)。

他方で、意見を言わない人の心理は、
「相手との関係が/場の雰囲気が、悪くなるかも」
「先頭を切って言うのはちょっと気が引ける」
「反対意見を言われることで傷つきたくない」
「その場の空気や価値観が合わず、言う意欲が起きない」
等など、さまざま考えられます。

これらの感情は私にも起きるから、気持ちはわかります。わかるけれど、苛立ちを感じて、途中で突き放す(発言してもらうのを、あきらめる)こともあります。

ともかく、「意見を言う人」の、「意見を言わない人」へのスタンスは、人それぞれ違いが出る。
今回の例で端的にいうと、他者に対する鷹揚さ(寛大さ)、自身に対するブレなさの差が、スタンスの違いを生んでいるのかな、と考えました。

※師は「ブレない」「他者に惑わされない。自分は自分」という芯の強さでは(強さでも)随一の人。

◆意見を言われたときにどうするか問題。

意見を言われる側に立ったときはどうでしょうか。

大前提として、
「なにかを成し遂げようとしたら、反対意見は出るもの。ぜんぶ聞いてはいられない。周囲との距離を保つことも必要」
と考えています。

すべてを同時に手に入れることはできない、捨てるものが出てくるよ、という当たり前の原理です。

・人づきあい(例:飲み会のお誘いを断る)と引き換えに、時間や資源を集中することで得られるものがあった
・誰もやりたがらないことを引き受けていると、そのうち面白がってくれる応援者(スポンサー、PTA)があらわれて助けてくれた
といった経験が少なからずあるけれど、この原理(捨てるとなにかを拾える)のひとつだと思います。

「皆から好かれる」ということは起こり得ない。「誰からも嫌われない」または「誰とも仲良くする」は「何もしていない・選択してない」に等しい。

基本的には、(1) 角が立つのを避ける (2) 嫌われてでも進む、の二択でしかない。
※三つめの選択肢、「誰からも嫌われず、しかも前に進む」道があるのかどうかは、まだ答えが見つかっていない。

とても大切な認識として、「批判される側と、批判する側とでは、つねに前者のほうが行動している」。

後者=人を揶揄する/指摘するほうが簡単で、効率が良い。成功率も高い。後出しジャンケンだからです。
前者=批判される側、行動する側はつねに、効率が悪い。成功率が低い。先攻だからだです。

守りに徹するなら、なるべく新たな行動を起こさず、変化をつけないほうがいい。
野球に例えると「打率と安打数、どちらを重視するか」の問題。打率を下げたくない、アウトになりたくなければ、打席に立たないのが一番確実です。

前者=行動する側 を取る場合、「リスクを取っていない評論家の言うことは聞かなくていい」と考えることで、すこしは気が楽になります。

話の合う(と自分が思ってる)人、有益な関係を築いている相手を想い起すと、
「ときには波風を立ててでも、目標に向かって戦う人」
「弱みで悩むより、強みを活かそうと苦闘している人」
が多いように思います。

◆「言いきること」が価値を生む。

同じくしばらく前、別の師の誕生お祝いメッセージをSNSに投稿したところ、Voicyで取り上げられ、全文読み上げていただく、という出来事がありました。
情報発信・セミナーや講演のプロフェッショナルの声に乗ると、内容が3ランクぐらいグレードアップして聞こえたけど、それを差し引いても、リスナーの皆さんの反響が厚く、好意的なものが多かった。

発信する練習を続けてきて、すこしは人に読まれる/聴かれることを書けている、というのもあるだろうけど、
「自分の頭で考えたことを、自分でカテゴリつけして、自分の言葉で言いきった」
からだと、思いあたりました。

「考えたことを頭の中にとどめず、書く。見えるようにする」ことは、まちがいなく効果があります。

理解が深まる効果:
「意見を言う」の前段で、「書き出すことで考えを整理できる」効果がある。「話すことで自分でも理解が深まる」現象も同じで、オートクライン(autocrine、オートクリン。自己分泌)という呼び名があるらしい。
①お金がかからず、②自己完結できるから、コスト対効果がとても大きい。
世の中にいろんな"ハック"がある中でも、利用したほうがいい最上位にくると思っていmす。

読み返せる効果:
日記なり手帳に、そのとき考えたことを書き留めておく。翌日読み返す。「ああ、やっぱり夜は変なこと考えるな」と思う。数か月後、数年後に読み返す。「このときはこんなふうに考えてたんだ」と振り返る。

Facebookの「思い出機能」では1年前、2年前、n年前の投稿が表示される。後者の効果に加えて、編集することで考えを継ぎ足し/更新することもできる。自身のコンテンツとして(例えばnote記事の元ネタ集として)再利用できるから、とても便利な機能です。

「やる理由」を整える前に、書きはじめておいて、量が蓄積されることは大きい。「質」は解釈の余地があるけど「量」は動かせない事実だからです。



常に自分の意見を持つことの重要性、そして、迷ったら「やる理由」を整理する前に始めることの価値についてのシェアでした。

最後までお読みくださりありがとうございます。


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