見出し画像

vol.141「自分の得意不得意と『なぜそうなのか』を知っておくこと。」

為末大さんの記事より、「人数におけるコミュニケーションスタイルの違い」。

対象人数(範囲)によってコミュニケーションに求められる能力が変わるよ、というお話です。

定義では4段階に分けています。
スピーチ:多くの人・片方向で話す。司会:多くの人・双方向が発生する。ファシリテート:数人。話す比率をコントロールする。インタビュー:1対1。相手の話を引き出す。
為末さんは、人それぞれ得意なコミュニケーションの範囲がある(仮説)と指摘しています。


◆自分の「得意不得意」を把握する。

場の対象人数によって、均等ではなく得意不得意があるはずだ、というのは本当にそうだなと感じます。
私の場合、「1対1で相手の話を聴く」が多分いちばん得意です。別々のコミュニティの、複数の人に具体的な表現でほめられたことがあり、自己評価(だけ)でなく上手なほうなのだと考えています。

次がファシリテートです。
オンライン会議も含めて、数人が横一線で集められたとき、口火を切るのにストレスを感じない。その場の前提(コミュニティの性質、初対面か二回目か等)、メンバーの雰囲気を見ながら提案をします。「お名前五十音順でいきましょう」「私の画面に映ってる順に当てますね」、あるいは「発言したい方、自由に挙手してください」といったことです。
さほど失敗しない、というと語弊があるけど、他の人を観察して比較した感覚では、たぶん得意です。

苦手なのが「範囲」の大きい場。特にスピーチ(プレゼン)は苦手です。相当準備をして原稿を書いて、何度も練習しないと失敗します。
要因の1つは、長く喋りすぎること。文節が増える、一文(句点。から句点。まで)が長くなる。トータルで長くなる。
もう1つは「余分なことを話す」。予定にないこと、考えてもなかったことが口から出る。さもそれらしく、でも頭の中では「あ、違う違う」と思いながら喋っています。

苦手は訓練するとして、自分の得意不得意を知っておくことは意味があります。

◆「得意」の要因を分析しておく。

インタビュー、ファシリテートが得意な要因、比較的うまくいかせてる要素はいくつかあります。

・相手を観察する。
 場に参加している数人を観察して、「喋りたそうだな」とか「いま一瞬怪訝そうな顔をした」、挙手しないけど何か意見がありそうだ、といったことを見つける習慣(癖)がある。

・フックを拾う。
 相手がさっき言ったこと、前回聞いたこと、プロフィールや資料に書いてったことを覚えてて、話題に出す。

・ペーシングする。
 相手がゆっくりだったらゆっくり話す。沈黙したらこちらも沈黙する。

・ノンバーバルを積極的に用いる。
 姿勢:身を乗り出す、背中にもたれる、呼吸:目をみはって吸い込む、ため息を吐き出す、表情:目で笑う、眉間にシワ、動き:ゆっくりうなずく、頭を振る、視線:見つめる、外す。

管理職層の同僚や、セミナー等で出会う他企業の同じ立場の人を「観察」した感触では、上手なほうだと思います。「上手」とは、才能がある・センスがあるのではなく、単純に研究しているから。テーマとして設定して、コストをかけて訓練してるからです。
我流でやってるか、もしくは所属先の提供するオフィシャルの研修を受講したのみでやっている人と、差がつくのは当然です。能力が同程度なら体系的にトレーニングしたほうが勝つに決まっています。

※特にノンバーバルはかなり細かく調節している。相手が話しやすそうか、長く多く話してくれるかを見ながら試行する。「調節」「試す」というとなんだか戦略的な、腹黒い感じに思えるけど、効果が大きいからです。それで相手をコントロールできたような気にならないことは重要だけど、やらないよりやったほうがいい。「どう思ってるか」ではなく「どう言動したか」ではじめて人に伝わる。
努力はする、しかし全てが伝わっているとは思わないようにする』スタンスが正解だと考えています。

◆真似るのは、そのプロの「本業」以外だ。

為末さんは、特に「考える視点」の仕入先になっています。
「この問題を、その切り口で定義するのか」「そもそもそんなことを考えるテーマに設定するのか」という発信をされていて、非常に参考になる。

勉強にはいくつかの形式があって、たとえば相手の持ってるコンテンツ(知恵)の内容すべてを知ろうとすると、著書を何冊か読んだり、講演を探し出して聴講する必要がある。
比べると、「視点」、スタート地点としての「切り口」を真似るのは、費やすパワーが小さい。為末さんはそれに当てはまる。
短めの単発の記事に「視点」「問い」が入っていて、「読む時間」に対する「手に入るビックリ」が多い人、吸収効率の良い人だと捉えています。


プロフェッショナルの、本当の本業、たとえば走る能力で世界大会の決勝に出る、みたいなことは、真似のしようがない。持っている才能、住んでいる世界が違いすぎるからです。
それよりも、問いの立て方、思考の進め方、言葉の選び方、捨てること。そういったことを真似するのが良いと考えています。一流のプロで「二つめの能力の柱」も鍛えている人の、二つめを真似る。私(たち)の一つめよりも、しばしばレベルが高いからです。「レベルが高い」というと、人間の価値の大きい小さいがあるような聞こえ方をするけどそうではない。
一つめの能力を伸ばしてきた「考える力」が二つめにも適用されているから、その成果(恩恵)を享受したほうがお得ですよ、という話です。

最後までお読みくださりありがとうございます。


◇お仕事のお手伝いメニューを試行提供中。※テスト段階のため無料です。
・形態:Zoom等を用いての遠隔ミーティングを主に想定。
・対象:個人事業主の方で心理的安全性の確保された壁打ち相手が欲しい方等。

「ご案内:個人事業で提供するメニューと、提供できる価値(2024.1版)」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?