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vol.140「基本的には強みを伸ばすこと:「創造」「細密」が苦手、「模倣」「省略」が得意な話。」

個人の単位で「強みを伸ばすか弱みを補うか」どちらか一つ選べと言われたら、「強みを伸ばす」だと考えています。100対0、とまでは言わないまでも 8:2か、9:1ぐらいで「強みを伸ばす」ことにコストを費やす。

過去のメモを読み返しながら、書き出してみました。


◆就いた仕事で能力を発揮するとき。

前に、友人とこんな話になりました。


友人は、世にまだ無いものを創出する仕事をしている。
新しいプラスの値を探し出す、増やすのに向いている。
ビジネス創出の能力が高い。
クリエイティブな才能がある。

私は、すでにあるものを活かす仕事をしている。
または、発生したマイナスの値をゼロへと収束させるのに向いている。
トラブル解決の能力が高い。
クリエイティブな才能がない。または少ない。

友人のミッションでは、理解者(スポンサー、PTA、応援団)を増やすのは、アナロジー(類推)、メタファー(隠喩)である。
明日からの未来のこと。
いま無いものの説得力を提示するのだから、想像力(創造力)を使う/使わせることになる。

私のミッションでは、理解者(スポンサー、PTA、応援団)を増やすのは、データ(実績値・数字)、ファクト(事実)である。
過去から今日までのこと。
いまあるものの説明を行うのだから、事実、または異論の出ない計算を用いることになる。


友人も、私も、めぐりめぐって、自分の資質と親和性の高い仕事(世界)に就いたということです。

その後、異動でまた職務は代わったけど、キャリアを振り返っても、「マイナスをゼロにする」「発生したトラブルを終結させる」任務のとき、能力を発揮していたと言えます。

◆自分の能力を 棚卸しすること。

私自身は、クリエイティブな才能がほぼないと自己評価しています。新しいものを創出するセンスに乏しい。

たとえば子どもの頃、家で時間を過ごすとき、弟(3歳ちがい)が始めた=発明した遊びに追随していた。父から「お前は弟の真似ばかりだな(独創性がないな)」とよく言われたものです。
才能を持っている人、知人・友人たちを見ると、うらやましく思うことがあります。

かわりに、
「発見して」「真似すること」
「分解して」「組み合わせること」
が得意です。

特異点を発見すること。違和感を抱くこと。
違和感を持ったら確認の質問をすること。中身がわからなくても入口と出口で管理できること。

偉大な能力を持つ人の、全部ではなく部分に狭く絞り込むこと。
そこに焦点を当てて、取り出し、小さなエリアで複製(真似)すること。

複製したものを、分解すること。
別の複製パーツと組み合わせること。試して、自分向けに改良すること。
人からもらって、加工すること。人に材料を渡して、任せて、転用方法を考えてもらうこと。

こういったことが得意です。

関連して、
真似ること・渡すことにプライドが邪魔しない、気にならない。メンバーの実案件ひとつひとつの詳細がわからないことがストレスにならない。

かならずしも仕事に限らない領域でいうと、
・誤字脱字を見つけるのが平均より早い。
・教わったことをなぞるのが得意。
・先生や上司の特徴を見つけるのが早い。
・かいつまんで紹介するのが得意(※話が長くなることがある)。

総じて、「創造」「細密」「具体」が苦手で、「模倣」「省略」「抽象」が得意だと言えます。

自分の能力を棚卸ししておいて、特徴を説明できることは、かなり重要だと思っています。

◆その能力はどんなときに活きるのか?

「創造」が苦手で「模倣」「省略」が得意。関連して「先攻」より「後攻」が得意。

だから例えば研修やセミナーで、なにかのプログラムをやるとき、
1回目(Before)が 20点くらいのグダグダになる代わりに、
2回目(After) で 70点か80点くらいのそこそこになる、

ということが起こります。

「2回目で習得するなんてすごいですね」と言われたことがあるけれど、本質は「1回目がグダグダになること」にあらわれている。

仕事なら、前述した「マイナスをゼロに/トラブルを終結させる」とき力を発揮する。
過去に起因する(つまり自責でない)問題を、途中から引き受けることにストレスを感じない。情報のない段階で、トラブルの相手先(たとえばクライアント)へ、先遣隊として接触するのが平気です。

もともと詳細が気にならず、後攻が得意だから、「会話してから(たとえば怒られてから)考えればいいや」と思ってしまう。

トラブル、特にこちら起因の不利な状況での交渉は、経験(場数)を積むことで急速にスキルが上がる。ゼロをプラスにする分野、たとえば「プレゼンで大きなプロジェクトを勝ち取る」といったことよりも、習熟効果が大きく作用する分野だと感じています。

「原因のない成功はあるけど、失敗にはかならず原因がある」に似た構造かもしれません。

◆基本的には強みを伸ばすこと。

メジャーな問い「強みを伸ばすか弱みを補うか」と言われたら、「強みを伸ばす」だと考えています。大きな組織はまた別だけど、個人単位なら、苦手を克服するより得意を発揮するほうが、効率が良い。生産性が高くなるからです。

その大きな組織でも、別(独立したテーマ)というよりは当然に、「強みを伸ばすことに集中する個人」の組み合わせで設計していくのだと思います。

強み・得意なことの中から、希少性の高いものにさらに絞る。それだけやる。それ以外は引き受けない。得意な人にやってもらう。現実には「ほかのことは一切やらない」とまではなかなか行かないけど、目指すのはその状況です。

「得意で希少=ほかの人間ができない/やりたがらないこと」の一つが、私の場合は「発生したトラブルを引き受けて終結させる」でした。
取るリスク=難易度の高さのわりに、得られる謝意や評判=リターンのほうが大きかったから、効率が良い・生産性が高くなる、と言いきれます。


「自分の弱点と向き合う」ことも簡単ではないけど、「強みを正しく把握する」ことはけっこう難しいものです。
また、「自分の強みはなにか」までは把握したとして、「その中で希少性の高いものはどれか」と明示的に自問している人は、そんなに多くないと感じます。
だから棚卸しして、自問を習慣化できると、「人材としての商品価値」みたいなものが持続・伸長できると考えています。

最後までお読みくださりありがとうございます。


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