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vol.074「誰にでも特技はある:マイルールを勝手に定めて運用してみる。飲みニケーション不要説。」

誰にでも、特技、取り柄はあるもの。

「許可されてもいないが、禁止されてない範囲から、自由にやれるお題を見つける。マイルールを勝手につくり、周囲に宣言する。メンバーから評価されたり感謝されたりする」
は、そのひとつです。

取り柄というと大げさかもしれません。
大多数の人が"取り組みテーマ"と考えていないこと。明示的にとらえたり、言語化まではしてないことに、フォーカスする習い性、といえばいいでしょうか。

今回は「飲み会に関するマイルール」のお話です。


◆上司部下の「飲みニケーション」不要説

仕事関係で、自分からはメンバー(いわゆる部下)を飲みに誘わないと決めて、何年か経ちます。
きっかけは出口治明さん(元ライフネット生命、元APU学長)の講演動画でした。
「飲み会は仕事ではない。『飲みニケーション』とか言ってる管理者は一掃されるべきです」
出口さんらしい、どっしりと、しかし、切れ味抜群の断定。「自分で仕入れた情報をもとに、主観=自分の意見を言いきる」お手本にしてるモデルの一人です。
「なるほど、そうだよな」と納得して、以後、「マイルール」を明確に定めた、と記憶しています。

◆踏まえて、整理してみた。

業務時間を終了したら、自由時間だ。管理者が、手当を払わずに拘束してよい理由はない。

かと言って、部下は一般に上司の誘いを断りづらい。断るのにも心理的負担がかかる。もちろん個人差はあるから、飲み会歓迎、または断ることにまったくストレスを感じない人もいるだろう。
ひとまず「断りづらいのだ」という前提に立てば、間違いは起こらない。

そして、業務時間中も顔を合わせている、かつ利害関係にある上司と、一緒にいる時間は精神的苦痛が伴う。
よほどに話の面白い相手でもないかぎり、2時間つきあうのは苦行だろう。
まして、アルコールが入って持論を繰り返す。または毎回同じ話題をする。部下は上司側が思っている10倍ぐらい賢いから、態度には出さない。愛想笑いをし、合いの手を入れる。
もはや「罰ゲーム」と言っていい。

※ちなみに私は態度に出すほうで、一人だけ途中からずっと黙ってるか、次の予定があることにして(または急ぎの電話が入ったふりをして)途中で先に帰ったりします。

そうこうしてやり過ごし、お会計になる。上司の全おごりでないかぎり、金銭的負担が発生する。すこし多めに出していい気になっている、その「残りの支払い」は、それぞれ個人の私的財産だ。
削り取り、減らす権利は、「上司」には1ミリも何の資格もない。

そしてお金もさることながら、いちばん貴重なのは時間だ。時間は、その人の人生の持ち時間だ。
「時間を奪っていないだろうか」「時間を費やす=生命(寿命の一部)をもらってる」という視点を持てる人は少数派だ。(照れくさい。青くさい。ちょっとスピリチュアルっぽい。)

ときどき、特に、部下や後輩を飲みに誘って、断られると「用事あるの?」「なんで?」と聞く人がいる。
すこし考えればすぐわかるが、答える義務はない。または聞く権利はない。
昼休みも同じ。休憩時間は自由時間だ。(無給ですよね?私の勤務する会社はそうです)
業務の終了以降が自由時間なら、昼休みも自由時間だ。

◆「飲み二ケーション」の"功罪"。

部下とコミュニケーションを取って関係構築するのは、悪いことではない。ただし、業務時間内に行うべきものです。

「そうは言っても業務を円滑におこなうためにも」
「みんなに声をかけないと不公平だ」
と、「飲みニケーション」の効用を信じてやまない人が、まだ生き残っています。

朝から/心身がリフレッシュしてて/業務時間中=スイッチONの状態で&シラフで出来てないことが、一日の疲れが蓄積されて/OFFの状態で/アルコールが入って出来る、とは考えにくい。

「いや、うちは関係ができているから」
「参加したメンバーは楽しそうにしているよ」
そう思っているのは上司だけです。

「こっちから声をかけてあげないと、部下からは誘いづらいかもしれないじゃないか」と、「上司には声かけする責務がある説」を唱える種族も、まだ生き残っています。

一緒に飲みたくなったら、心配しなくても向こうから誘ってくる、と覚えておきましょう。誘われないのなら、あなたや私とは飲みたくないということです。 

「上司の誘いは迷惑でしかない」という仮説、
「自分には正統な権利があるだろうか」という問いは、持っておいていい。

飲みに誘う上司は、「飲み会が有意義である理由」を並べたがる。
かたや、誘われる部下は、「波風たてずに断る口実」を探している。
上空からミたら、かなりのエネルギー(ベクトル)のロス。すこし大げさにいえば、人類にとって損失だと思っています。

「自身が若いとき、部下のとき、上司から誘われて毎回嬉しかったか」
「はて、そういえば自分は、そんなに魅力的な、面白い人間だろうか」
と考えたら、理解するのはそんなに難しくない。

上司(管理職)は、いいとこ見せようとか(主観的に)尊敬されようと思わなくていいから、まず、仕事時間内に意識を集中する。

『話はさえぎらずに、最後まで聴く』
『例外ルールをつくらず、結果責任を取る』
『相手によって態度を変えない』

の三つぐらいからはじめて、習慣にできたら、まずは十分だと思います。

チームメンバーからすれば、楽しくない場につきあわされるくらいなら、これらの要素のほうがずっと嬉しくて、ずっと重要なこと。
上司は「最大の環境要因」です。

以上のようなことを踏まえて、制定し、宣言した「飲み会に関するマイルール」(チームのローカル指針)は、後編でご紹介します。


今日は気温があがらず、体感としては少々肌寒いほどでした。
季節の変わり目、風邪などご留意ください。

最後までお読みくださりありがとうございます。


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