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vol.092「自分の意見を表明する①「引用の魔力」と「自分で考えたこと」のライン」

誰にでも、特技、取り柄はあるもの。
「自分の意見をはっきり言う。禁止されてないかぎり手を挙げる。自由発言するほうである」
は私の取り柄、が言いすぎなら、少なくとも特徴だと思います。
会社組織人的な視点でいうと、そのおかげで困り事を一気に解決(※)したこともあれば、いわゆる偉い人をめちゃ怒らせたことも、何度もあります。

※その場でリソース(援軍)調達が決定した、不要な宿題を持ち帰るのを阻止 等など。

◆「自分で考えたこと」を発信する。

2014年8月から2020年8月まで、Facebookで「1日1回投稿」を続けたことがあります。
バックナンバーを確認すると vol.2180 とあり、約6年(365日*6=2,190日)です。世の中の突出した業績を残している人たちを見ると、6年どころか永久に、しかも質・量そろった毎日配信を淡々と継続してたりする。前をみはるかすと、はるか遠くまで、先人たちが歩んでいる。
けれどここで大事なのは「偏差値」だと考えています。受験勉強的な意味でなく、単に「連続投稿 2,180日 投稿は(まずは日本語圏で)上位何パーセント以内にいるか」「中央値からどのぐらい離れているか」といった見方のことです。
「順位」を気にするのは、「他者との相対比較で自分に足りないところを気にする価値観」であって、そこからどうステージ移動するかがもちろん大切。その前段階で、「量的事実」で評価を試みること。粗い想像では、日本人(日本語圏)の0.1%未満(10万人以下)だろうかと考えています。

投稿をはじめるとき、最初におよその方針を整理しました。

①本業の内容には触れない
②愚痴、陰口は書かない、
③日記・引用ではなく「考えたこと」を付加する

の3点です。

◆方針を整理しておく御利益(ごりやく)。

SNSを使う方針を決めておく、というのは、とある経営者の方から学んだものです。
その方はFacebookをはじめる際、1か月ほど閲覧のみでまず使用。「およその感覚がつかめたので、ルールを決めて投稿します」と最初の投稿で"告知"されていました。
私には無かった視点で、「あ、プライベートの領域のSNSでも、方針を決めるものなのだな」と小さな衝撃を受けました。たしかに「決めちゃいけない」と誰も言ってないし、決めてデメリットがない。

踏まえて設定したのが前述の3点です。

①本業の内容には触れない
社員が業務で知り得た社内秘の情報を外部に漏らすことは禁じられています。淡々と遵守。
仕事のうえで学ぶことは当然あるから、そこからの発想を書くときは、一般的名称に置き換え・抽象化または脚色して・時間を空けて、わからないようにする。
一つには、ルール厳守することで、「SNSを使っていろいろ発信している けしからん」と物言いが入ることを防ぐことにもつなげる。

②愚痴、陰口は書かない
就業規則うんぬんを抜きにしても、仕事の内容を匂わせる、愚痴や陰口を書いていたら、読む人の受ける印象はかなり悪くなります。
「わざわざ時間(コスト)を割いてマイナス点を稼ぐ」と、なにをやってるか分からない。このあたりは最初に決めました。

③日記、引用ではなく「考えたこと」を付加する
私的な日記、たとえば「今日は忘年会でした~」「どこそこのお店、美味しかったです、イエーイ」だけの投稿はしない。
引用のみのポスト、つまり偉い人や格言など、単にリンクだけのシェア、転載だけの投稿はしない。

難しいのは、③「自分が考えたことを付加する」でした。

◆「引用の魔力」:全部書きたくなる誘惑。

いちばん難しいのは「引用の魔力」です。
たとえば読んだ本や観たテレビ番組に感動したとき。その結論、もしくは「特に印象に残った内容」をサマリして「感動しました」「おすすめです」と引用したくなります。だけど「紹介+感想」であって「付加価値」がついていない。
ここでいう「付加価値」は、「すばらしく価値の高い知見」ではなくて、「投稿者が付け加えた、出典との差分」ぐらいの意味です。

対策として、
「読んだ内容を自分はこう考えた。一部を実際に試してみた(実践レポート型)」
「別の著者も同様の話をしている。共通点を整理してみました(抽象化・共通化型)」
といった切り口で書くようにしました。しかしそれでも、引用のボリューム(箇所の数)はつい膨らんでしまいます。
素晴らしいのはその著者なのに「気づいた・発見した」と、自分の功績に脳内変換している。または「触れておかないと読んだ人が見落とすかも」「手に取る気にならないかも」と、頼まれていないのに余計なおせっかいをしている。そういったことが原因だと思われる。
人間の弱さ、質感の問題です。とはいえ、自分の検索用にも使いたい。

そこである時期から「なるべく数を減らした「ポイント」 + 自分で考えたこと + 参考に『付箋した箇所すべて』」の構成に変えてみました。
「付箋箇所すべて」は、興味があれば一読してもらえばいい。面倒な人は読み飛ばしてくれたらいい。
「読み手に選んでもらう」ということです。

◆「自分で考えたこと」のライン。

「引用の魔力」、言い換えると「偉いのは書いた著者でしょ問題」について突きつめると、「自分が紹介する意味があるかどうか」だと考えています。
元がどれほど良書、どんなに素晴らしい情報でも、「他の人が紹介しても似た内容になるのなら、その投稿は意味が薄い」といったニュアンスです。

そうではなくて、自分の主観(←めちゃくちゃ大事)、自分の固有の関連事例、「実際にやってみたらこうなった」を書く。うまく行ったことでもいいし、予想に反した結果になった、大失敗をやらかした、でも何でもいい。シェアすることで、関連する情報をもらえたりする。
また、賛成や賞賛だけではない、客観的に観察しての率直な意見を書く(※)。

「自分の考え」は 結果的に他の人と同じでもいいけれど、「自分の考えを発信」するときは、他の人との違い=自分でなければ言えないなにか を書くことが大切だ、ということです。

※「単なる賞賛でない、客観的な意見」は、しばしば、その観察対象(本の著者、セミナーの主催者)から歓迎されます。
そういう人たちは「フィードバックをもらえることの価値」を熟知していて、それが少数派であることも知っているからです。だから うまくサイクルが循環すれば、一定の関係構築に発展することもあります。
発展するときのポイントは、
① 大前提としてリスペクトを忘れず、一定の品性のある表現を用いること、
②「批評する=後攻がそもそも有利である」とよくよくわきまえること、
③ 最初に大きなリスクを取っているのは相手(発信者)であって、こちらはタダ乗りの立ち位置であることを忘れない、
だと考えています。


「自分の意見を持つとはなにか」、また「情報発信するとはどういうことか」は、そうそう最終形にたどり着くものではない。そもそも「唯一の正解」があるわけでもない。
今後も定期的に考えて、シェアしてみようと思っています。

最後までお読みくださりありがとうございます。


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