見出し画像

vol.099「クレーム対応は得る物のほうが多い"ブルーオーシャン"。」

誰にでも、特技、取り柄はあるもの。
「『立場』として仕事をする。『個人』を切り離す。結果、精神的に健全な状態をつくる。たとえば顧客との厳しい交渉、俗にいうクレーム対応などの場面にも適用している」ことは、そのひとつです。

先日の記事でお話したトラブルの起きたお客様との交渉、いわゆるクレーム対応について。「ガラ空きのポジションなので、見つけて取りに行くと得るものが多いですよ」というお話でした。

続きで、「クレーム対応」には、いくつか特徴的なポイントがあり、整理してみます。


◆はたから見えるより、難易度は高くない。

日本のいわゆる大企業の管理職は優秀な人ばかりです。いい大学を出て、優良企業に入社して管理職になる。人生で「褒められた回数」の方が多い人たち。挫折経験もすくなく、「他人からものすごく怒られた」経験もあまりない。「トラブルで怒っているお客様」の前に出ていき、自分が先頭に立つみたいなことは、恐怖心が働いて回避したくなる。

一方で、特に大企業同士の交渉で、 よほどのトラブルでも、お詫びの場で怒鳴り続けられることすら そうそうめったにありません。ビジネスパーソンとしての交渉の場であることが多いです。
ましてお詫びの報告中に相手がテーブルを乗り越えて殴りかかってくる、なんてことは起こらない。債務・債権の履行で難航しても、法人格どうしの交渉ごとであって個人が負担させられることはありません(※オーナー社長だったらまったく話は変わります。ここでは企業の管理職、団体戦のプレイヤーとして戦う場面での事例です)
つまり、怖れる必要がない。それがトラブル対応であり、クレーム対応だと思っています。

つまり、クレーム対応をやりたくない人たちから見えている、「引き受けてくれた人」への評価(得点の高さ)と、 実際に対応する人間から見えている実際の大変さ(難度の高さ)には、良い意味でギャップがあるということです。
やってみると、特に危険もなく、相手もこちらも解決(ゴール)を目指している、という点では同じです。永久に係争し続けたいと思っておらず、お互いにゴールを探している。でもはたからみるとすごいことをやっているように見える。eスポーツの大会で、ゲームをプレイする人と、周りで見物している人の構図に似ているかもしれません。

◆得る物のほうが多い"ブルーオーシャン"。

顧客とのトラブル対応折衝役を喜んで買って出ると、その時点で希少価値が発生します。前述のとおり、「やりたがる人はほとんどいない」からです。

「クレーム対応をやりたくない管理職層」からはすごいことをやってるように見える。実務層のメンバーからは「あ、この人 お客さまのところに一緒に怒られに行くのが平気な人だ」「部下のせいにしたり、逃げたりしない人だ」という評価を受ける。他のチームからは、トラブルなのに生き生きと元気に出かけていく姿を見て、「なんか面白い(変わった)管理職がいるぞ」と思われる。また間接的に口コミで評判が伝わったりする。

「他者からの評価」や「周囲の評判」は、自分で作ることができません。口コミサイトのように偽アカウントをつくって自作自演できるものではない。
そして、人事上の評価とか給与とかとは別の軸で、人からの評価・周辺からの評判・口コミというのは、非常にプラスになります。会社という「ひとつのバーチャル世界」で生きていくための、見えない資産です。

トラブルが発生したら「一緒に行きましょうか」と提案する。この一言だけでもメンバーはずいぶん安心します。後詰めがいてくれるとわかるからです。他のチームの事案でも、申し出て同行する(※めちゃめちゃ感謝されます)。
「やったほうが絶対に得だ」が、お客様とのトラブル対応の結論です。

◆「隠れている法則」を見つけ出す大切さ。

やらない人からみればトラブル対応は怖い。引き受ける人の評価が高くなる。だけど実際は難しくない。やると評価や評判を得る。自力では作れない資産であり、大きくプラスである―。
こういった構造、「そこに存在するけど いちいち言語化されてない、隠れているルール」を見つけ出すことが、なにかの仕事をしていく上ですごく重要だと思います。

会社組織でも個人でも、また仕事でもプライベートでも、常に3つの領域があると考えています。
1つ目は、「これはやりなさい」と指示されている、 義務的に必ずやらなければいけないこと。2つ目が「これはやってはダメ」と明確に禁止されていること。3つ目が重要で、「やりなさいとも言われていないけど、ダメだと禁止されてもいない」こと。第3の領域は、かならず存在して、しかもけっこう広いのです。
仕事するにしろ、何か遊びの企画をやるにしろ、第3の領域で、何をどこまで積極的にやってみるか。自分でルールを勝手に決めて、勝手に行動するかしないかで、得られる成果が変わる。前段で、そもそも楽しく面白く、生き生きと過ごせるか、みたいなことに大きく影響すると感じています。

以上、「クレーム対応は思っているほど難しくなく、得るもののほうが多い。なぜか」について、どういう構造でそうなっているのかについて整理してみました。


今回の記事は、CLOVA Note を用いて 音声からテキスト化しました。昨日対談させていただいた太田さんに教えて頂いたものです。
これまでiPhoneの音声入力を使っていたのですが、画面を気にせず話して保存するだけでよく、ずっと使いやすい(※iPhoneはその場でテキスト化されていくので、どうしても見ながら喋ってしまう)。
精度も、iPhoneだと拾い損ねることのある一文の冒頭や語尾、助詞などもかなり正確にテキスト反映されるようです。
「こういうアプリが既にあっていいはずだ」と考えて、面倒がらず調べることが大事ですね。太田さん、ありがとうございます。

最後までお読みくださりありがとうございます。


◇お仕事のお手伝いメニューを試行提供中。※テスト段階のため無料です。
・形態:Zoom等を用いての遠隔ミーティングを主に想定。
・対象:個人事業主の方で心理的安全性の確保された壁打ち相手が欲しい方等。

「ご案内:個人事業で提供するメニューと、提供できる価値(2024.1版)」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?