休むということ
今回は私の身体で二度目の病気についてをつらつら書いて行きたいと思います。病気というと大きいものを想像するかもしれませんが、命に関わることではないので大丈夫です。
私は一度、身体を壊しております。目の神経をストレスと自分が引き起こした栄養失調によって、おかしくしてしまいました。それから医師からドクターストップをかけられていて一年半くらいは仕事をせずに休んでました。
そして新しい仕事に就くことが出来ました。めでたかったです。で、その新しい仕事をして三年ほど。また身体を壊しました。
簡単に言えば、その会社はブラックだったんです。休みがほとんどなく、休日も上司からの電話やメールなど。休む日を潰されることなんかいっぱいありました。そして、何より、従業員がほとんど辞めて行き私だけになったのも原因だったと思います。
そんな休むことが出来ない会社で働いてしまって、私はまた身体を見事にボロボロに壊してしまいました。情けない話ですね。ネットでブラックに働いていた人たちのそのときの気持ちや話を見たりすると「わかる~」となります。辞めるということが出来なくなってしまうんですよね。
しかも壊した時期が、またもや七月あたりという。夏、なんです。私は夏に身体をよく壊すんだなと思いました。
今回、身体を壊したのは味覚です。味を失いました。今の世の中、感染症にかかってしまえば味覚嗅覚が無くなる、なんて症状もありますよね。私は一度経験したから分かるんですが、味覚嗅覚、本当に大事です。人生が楽しくなくなって絶望します。何を食べても美味しくないんですからね。
味覚が無くなるときも、ほんとうに突然だったんです。仕事が終わって、夜。自分の部屋でのんびりしてる時でした。何でもなかった舌が急に違和感を感じたんです。もやもやするような。じんじんするような。痛いとまではいかないんですが、ずっともやもやし始めたんです。最初こそ気にせずにいましたが、そこから甘い飲み物を飲んでも、しょっぱいお菓子を食べても味が感じなくなったんです。
その時はまだ仕事をしていたので、流石にヤバいと思いながらも病院に行く時間なんてある訳もなく、そのまま様子見にすることにしてました。もうすでにその時は休みはほぼありませんでした。週一あればいいほう。ほんとうにクソな会社でしたよ、ええ。
仕事をしつつもこの味覚の無い生活がスタートしました。何を食べても味がしないので本当に美味しくなかったです。頭の中ではこの食べ物はこういう味と分かっているんです。でもいざ食べて見ると想像していた、絶対にこういう味がくるっていう感覚が無いんです。甘いものなのに、甘くない。という変な感覚が起こるんです。一番くそまずだったのはしょうゆ系ですね。あればダメでした。夕飯にざるそばが出たんです。私ざるそば好きなんですけど、ダメでした。食べられませんでした。まだ白米を食べていた方が良かったです。本当に頭の中の味と口の中の無味無臭がマッチングしなくて、気持ち悪くなったんです。こんなになる!?と思いました。
私の味覚障害はただの味覚障害ではないのか…?など思いました。つゆの味なんて分からなくて、でもつゆの味ってこうでしょ!?みたいな頭の中でパニックでしたね。しんどかったです。ぜんぜん食べれなくてその日は無理矢理飲み込んだちょっとのそばで終わりました。
あくまで私が経験した話なので、他にもいろいろあると思います。これはあくまで私の話。その人の身体によってもいろんな症状があると思います。私はもうパニックに近かったと思います。コーラを飲んでも炭酸水を飲んでいるのと変わりなかったです。でも頭のなかではコーラの味を覚えているんです。でも覚えている味がしないので、分からないんです。もうパニック以外の何ものでもありません。
めちゃくちゃ心配した母親はいろんなことを試してくれました。でもやっぱり味なんか分からなくて、早く病院に行けよと思うでしょう。
でも病院に行く機会が出来たんです。私が救急車で運ばれたからです。仕事のストレスで出勤前の朝、お腹の激痛で歩けなくて死ぬ寸前だったのが原因です。母親が流石にやばいと思い救急車を呼んで、そのまま病院に行きました。大きな病気ではなく、一時的なものだったのでその日で家に帰ることが出来ました。家族にはかなり心配をかけました。母親は泣きながら怒ってましたが、しょうがないですね。
そのときに、ちょうどいい機会だと思い、味覚のことも調べて貰いました。
もちろん、お腹の原因も調べるために、ありとあらゆる検査をされました。血もいっぱい抜かれました。検査が凄まじく大変でした。
お腹の痛みはやっぱりストレスから来るものでした。薬をたんまり貰いました。そして、ついでにどこかほかにも悪いところはありますかと言われたので、舌がおかしいです。味覚が無いです。と伝え、こちらも検査してもらいました。血液検査をされ、結果的には大きな病気ではないとのこと。癌とかね。舌については原因不明でした。もっと専門的な病院に行って調べてもらったほうが良いとのことで、耳鼻科を教えてもらいました。
それから数日経って、耳鼻科に行きました。
そこでもやはり、原因不明。どうして味覚がなくなったのか分からないとのことでした。こちらでも血液検査をしてもらい、味覚に必要なものが不足していないかなど徹底して調べて貰いましたが、先生からは「原因不明」としか言われませんでした。原因不明から来るものはほとんどはストレスからだと言われました。そうです、ストレスなんです。
とりあえず身体を休めて、口の中を清潔にしてくださいと薬を貰って終わりました。もうこれは前と同じパターンで身体を休めるしかねぇってやつです。なので、私は仕事についても辞めようと決意しました。
仕事中に悲しくもないのに泣きながら仕事をしていましたし、もう限界だったんだと思います。会社の人間はほんとに嫌いでした。
体調を壊した為、仕事を辞めるとちゃんと理由を話したんですがそのクソ上司は「体調不良で辞めるなんで出来るわけ無いじゃん」みたいな宇宙人なみの発言をしました。あ、宇宙人に失礼ですね。退職届を出したのに、返されましたからね。「体調不良で退職とか無効だから」みたいな意味分からない発言に赤ちゃんかな?と思いました。こいつは今までどうやって生きてきたのか?と思うくらいに。本当にクソクズな奴でした。もうぼろくそ言います。もちろん、労働基準監督署に行ってちゃんと相談しました。
バチボコ喧嘩をして無事辞めることが出来ましたけど。
それから味覚が治るまで身体を休めましたね。休みっていう休みを三年分に手に入れて、たっぷり寝ました。この期間もやはり仕事はしないようにと言われました。舌は悪化する一方でしたが、ちゃんと休むようになってからはほんの少しずつですが、味が分かるようになってきました。
治ってきたなって思ったのは、めちゃくちゃ濃い味付けのものを食べて分かりました。本当に普通の人は食べれないくらいに濃い味付けで、やっと「あ、分かる」っていう感じでした。塩分過剰摂取野郎でしたね。でも味が分かったとき嬉しすぎてバクバク食べてしまいました。
ちょっとずつ治って行きましたが、こちらは目の時よりもかなり時間がかかりました。現在もたぶんまだ完治はしておりません。たま~に、なんか舌がもやもやしておかしいなってときはあるんですけど、味自体はちゃんと分かるようになりました。今では普通に食べれます。
治りかけのときに、ちょうどコンビニに「濃いめのカルピス」って売り始めていたんですが皆さんご存知ですか?
味覚が分かり始めてきたときに、私あれをめちゃくちゃ飲んでました。唯一甘味が分かる飲み物でした。味覚のなかで一番治るのが遅かったのは甘味でした。甘いのが分からないというのが多く、しょっぱさしか分からない期間が多かったんです。だから偶然にもあのカルピスを見つけて、濃いめか~となんとなく分かるかなと興味本位で飲んでみたら、ほんのわずかですが甘さが分かったんです。
濃いめカルピスを飲んで、普通のカルピスを飲んでいる感覚です。わたしにとっては濃くなかったんですよね。甘い!って衝撃が走って、それ以来ずっと濃いめのカルピスばっかり飲んでました。甘味ってほんとに美味しいんですよね。
そんなこんなで、味覚って大事なんだと痛感しました。人間その感覚も失ってしまったら大変だということも分かりました。こうして、健康な身体を壊して行く必要なんてどこにもないのにね……。世の中にはいろんな人がいるし、持っていない人だっている。持っているものを失くすようなことしなくていいんだよと本当に思う。健康って大事だなって。
命に関わる大きな病気ではないけど、それでも人間の身体にとっては大事なところ。ひとつでも失くしたら生活の仕方がそれこそ変わってしまう。ちょっとくらい大丈夫なんてこと、無いんだなって思いました。
目の神経を壊すときに冗談半分で「私はたぶん神経系を壊して行くんだな」と思っていましたが、本当にそうなるとは思ってませんでした。まさかの味覚。びっくりですね。流石にもう壊したくないなと思っています。
もう身体は壊したくないものです。休める環境ってほんとうに大事だなと。バランスよく仕事が出来て、バランスよく休める環境がもっと増えて欲しいものです。