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18.現状を知り、強みを生かし、改善を続ける

どうしても「売れる商品」を作りたくなりますよね。でもそれより大事なのは「自分の強みを生かしたビジネスや商品を生み出すこと」です。無心に手を動かしていると仕事をした気分になるものですが、大事なことは自分はどんな価値を提供できるのか、頭を使って考えることです。自分を活かすビジネスや商品は、利益と自信を与えてくれるのです。

※この投稿は、もの作り系クリエイターや小規模事業者(ファッション・アクセサリー・デザイン・クラフト・雑貨など)向けに、起業し事業を育てていく方法を、著書「好きを仕事にする自分ブランドのつくりかた」から転載して紹介しています。

テーマ24:現状を分析する

◆強みを知ってオンリーワンになる

強みは、ブランドによってさまざまです。
経営者の行動力やバイタリティ、自発的に行動する優秀なスタッフ、ほかに競合がいない個性的な商品など目に見えることから、頼りない経営者を自然に周りが助ける社風、人との出会いを大切にする性格、経営者の趣味や得意分野が仕事に活かせるなど、目に見えないものも強みとして挙げられます。
もし強みに気がついていないのなら、いろいろな角度から質問をぶつけていくことで、はっきりしてくるでしょう。
「一番評価が良いのはどの商品ですか?」
「取引先はどこを高く評価してくれていますか?」
これらの問いにすぐ答えられるのは、強みを知っている会社。考え込むようであれば、強みがない平均以下の会社か、気がついていないかのどちらかです。

さて、どんな業種でも、ジャンルを狭めていくと限りなく日本一に近いポジションにどこかしら近づきます。売り上げが伸びないときは、大市場でのナンバーワンではなく、限りなく狭い市場でオンリーワンを目指すのも手です。

インターネットの普及前、オンリーワンはお客様を見つけることができず、自己満足だけの規模に終わるケースがありました。しかし、普及後は日本中・世界中から同じニーズのお客様を集められるようになり、今ではオンリーワンであることが十分ビジネスの勝機になります。
売り上げ日本一は目標が遠くて本気になれません。でも、鮮やかな切り口で、あ るジャンルでの日本一を目指せば、それがブランドの個性や特長、強みになります自分のブランドならではの強みがわかり突破口を見つけたなら、事業を大きくするチャンスかもしれません。飛躍の道を探ってみてください。


◆勢いは売り上げを、こだわりは利益を高める

組織の勢いは売り上げを作り、こだわりは利益を高め、戦略は成長スピードを速めます。
もし売り上げを伸ばしたいのであれば、強みを探して絞り込み、一気に勢いをつけ、自分が一番活躍できるステージを探すことです。利益率を高めたいのであれば、商品や販売方法に対するこだわりを強め、顧客満足を高めます。
売り上げが大きくなっているのに儲かっていないのは、顧客満足度が低くなっているサインです。現実には、リピーターが少ないというカタチで現れます。
お客様には価値ではなく価格で判断されている可能性があるので、もう一度こだわりを掘り下げ、ブランド価値を高め、それを伝えなおすことが大切です。

◆作業を減らし、頭を使う

「働いても働いても利益が出ない」「忙しいのに生活が苦しい」という人が少なくありません。あなたはどうでしょうか? この理由を考えてみましょう。
原因のひとつは、働く時間の中身にありそうです。

仕事には大きく分けて「新しい価値を作るために頭を使う仕事」と「同じことを繰り返すために手を動かす作業」の2種類があります。
前者の仕事で新しい価値を作るためには、知識を得たり、ノウハウを学んだり、先人にアドバイスを請うたりと、今まで自分が苦手としていたことにも取り組まなくてはならないでしょう。苦手なことやつらい時間を避けるために、身体を使う作業に逃げてはいないでしょうか。
手を動かして作業をしていれば、仕事をした気分にはなります。長時間働いて疲れ、何かを成し遂げた満足感を得ることもできるでしょう。つらい現実に直面しなくてよいし、手を動かしていれば気持ちがラクなのです。そうして、ますます作業に時間を割くようになります。 はたしてそれで成長できるでしょうか?

今の仕事を、新しい価値を作る仕事と同じことを繰り返す作業とに分けてみてください。新しい価値を作るために頭を使う時間は、どの程度ありますか? ビジネスを成長させるために、知恵を絞って絞って絞りぬくという時間は? なんとなく作業をこなす時間が多くないですか? 半年前も1年前もほとんど同じ作業ばかりしているという人は要注意です。
もしも「作業」が「仕事」の時間を圧迫しているのであれば、ほかの人に「作業」をお願いしなくてはならない段階。もう一度自分の仕事を見直して、効率的に使える時間を生み出してみましょう。

◆トライ&エラー&修正

挑戦して失敗しても、そこで学びが得られるなら、成功につながっていきます。成功の反対は失敗ではなく、挑戦しないことではないでしょうか。つまり、経験やノウハウに乏しい起業者が自分のできることだけ、安全なことだけやっていては、 成長できないのです。むしろ、成功体験が得られず、自信を失い、よけいに守りに入ってしまうのでは?

起業者が成功するためには、挑戦することが不可欠です。決して蛮勇や冒険やギャンブルではなく、挑戦。十分に戦う準備と心構えをし、自分を奮い立たせて困難な目標に挑むのです。
たとえ最初の挑戦で敗れても、再戦していくうちに実力は高まるでしょう。
創業期の事業構築の基本姿勢は、トライ&エラー&修正。事業が小さいうちに、成果を生み出すための仮説を立てて、それを検証していくのです。つまり、失敗したり成功したりしながら、何をやればうまくいくのか、自分なりの成功法則を掴むということ。

うまくいかない方法は、いくら続けても成果は出ません。しかし多くの場合、自社ブランドについての客観的な判断ができなかったり、自社に都合の悪い情報は遮断して現実逃避していたり、新しい方法をとることに不安を感じたり、今まで通りのやり方を継続するほうが効果的だと盲目的に信じたり……。このような理由から、今まで通りの方法を継続します。

今まで通りのやりかたを続けるのは精神的にラク。でも、成果を生むためには、今までと違う方法を試さなければならないのです。
大きく変える必要はありません。小さくいろいろと試して、うまくいく方法が見つかってから、そこに予算を重点化すればいいのです。

もしうまくいく方法に自分で気づかないなら、知人や関係者など客観的に判断してくれて、ビジネスを応援してくれる人に聞きましょう。素直な人ほどビジネスは成功します。素直だから、アドバイスも受け入れることができるし、すぐに実行できるのです。

◆自分のブランドに欠けているモノを知る

ほとんどの独立系デザイナーは、自分の商品についてネガティブな評価を聞く経験があまりないのではないでしょうか。
バイヤーやショップに来たお客様は気に入らない商品を無視し、わざわざその理由を伝えません。その代わり、気に入ったものは褒めてくれたり、買ってくれたりという目に見えるアクションを返してくれます。
ネガティブな評価は表面に表れず、無視されるか褒められるかのどちらかです。

デザイナーは褒める声だけを聞き続けた結果、「自分の商品の評価は高い」「自分にはデザインの才能がある」と思い込んでしまいます。
褒められることは仕事のモチベーションを高めますから、悪いことではありませんが、客観的に自分の評価を知ることが必要でしょう。

大手ブランドにはデザインについての良い評価、悪い評価がともにしっかり集まり、客観的に判断ができる仕組みができています。お客様に一番近い場所にいる販売スタッフがデザイナーにシビアな意見を浴びせかけるブランドもあるくらい。デザイナーにとっては耳の痛い言葉ですが、それが成長のもとになるのです。
生産力・営業力・販売力が強い大手企業のデザイナーが日々切磋琢磨しているのです。独立系デザイナーはそのような企業と戦うために具体的に何をすればいいのか考えなければなりません。

まずは自分のブランドを無視するバイヤーに、何が欠けているかを聞くことから始めましょう。ハンガーに掛かった服をチラ見してブースを黙ってあとにする人を捕まえ、「もっと売れる商品にしたいので、何が良くないのか指摘してください」と食い下がってみてはどうでしょう。もちろん、面と向かって改善点を指摘してくれるような人は少ないかもしれません。でも、やらないよりはマシ。そのくらいの熱意がないようでは、大手と戦えるはずがありません。


◆コラム:撤退する条件を決めておく

アメリカでの調査によれば、成功した起業家には共通点があるのだとか。 それは、事業が上手く行かない場合に撤退できること。損が大きくならないうちに撤退すれば、これまでの経験も次のビジネスに活かせるので、長い目で見た場合に撤退したほうがプラスなのだそうです。
どのくらいまで赤字が積み重なれば撤退するか、いつまでに目標を達成 できなかったら撤退するか。これを決めておかなければ、いつまでも見込 みのない事業に投資し続け、借金が膨らみ、二度と立ち上がれなくなるよ うな負債を抱えることになるでしょう。
アパレルメーカーでも、「何シーズン黒字ベースにならなかったらブランド廃止・撤退」と決めているところがあります。大きな企業ほどシビア。 多くのブランドを開発・廃止させてきた経験がそうさせているのです。
ファッション関連のブランドの場合、2~3シーズン展示会にかけてみ て反応がよくなければ、撤退も検討すべきなのかもしれません。3シーズ ンもサンプル制作や展示会出展に出費して、それに見合う売り上げが上が らないのなら、デザインやブランドコンセプトなど何かしらに問題がある と考えられます。
事業計画の段階では、うまくいくことばかり考えてしまいがちです。し かし、上手くいかない場合にどこで撤退するかを決めておくのも必要では ないでしょうか。

※ふだんはツイッターでもクリエイターや起業に関する情報を発信しています。


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鈴木淳(じゅん)/日本一応募者が多い創業支援施設「台東デザイナーズビレッジ」村長。起業、ブランド育成、ファッション・デザイン・工芸・ハンドメイド・産業振興等ビジネスに役立つ情報を発信。好きな仕事で稼げる人を増やす 。 著書『自分を動かすスイッチの入れ方』 猫愛🐱

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モノづくり系のクリエイターが起業して、自分のブランドを立てるヒントをまとめています。2010年発行の著書を少しずつ公開しています。

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