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ココロの危険信号!うつ病になって初めて分かったその実態

心の病気の中でもかなり認知度が高くなってきている「うつ病」。
ただ、病名のイメージが独り歩きしちゃって誤解されているケースも少なくないんじゃないかなとも思う。

あなたは「うつ病」にどんなイメージを抱いていますか??

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暗い、繊細、弱々しい、怠け者・・・おそらくイメージは多種多様あるかもしれない。

「自分には関係ない病気」
「自分の身近にはいないからよく分からない」

僕自身もそう思ってた。
自分はうつ病になるほど心は弱くないと。

けど、うつ病になってしまった。

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学生時代はずっとバスケットボール部に所属して、顧問の先生の鬼指導にも耐えてきた僕は「少しくらいのストレスでは絶対に心は折れない!」と自負していたんだけど。

怒られすぎてパイプ椅子を投げつけられたという九死に一生を得た経験はあまり関係なかったようだ。笑

ちなみに厚生労働省の発表によると、

精神疾患により医療機関にかかっている患者数は、近年大幅に増加しており、平成26年は392万人、平成29年では400万人を超えています。

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引用:精神疾患のデータ|厚生労働省

400万人という数字はうつ病だけでなく統合失調症や不安障害といった疾患も含まれた患者数ではありますが、これは日本国民の約3人に1人以上が経験していることになります。

ちなみに上に示したグラフから読み取ると、うつ病などの気分障害の患者数は約127万人(平成29年)となっています。

これでも日本国民の約10人に1人が経験しているということになる。

こう考えると、かなり身近な問題であると言えるのではないだろうか。

さらに、実際には病院で診断を受けていない方なども多くいると思うので、この数字以上の方が何かしらの心の病にかかっている可能性があるのかもしれませんね。

それだけ多くの人が多くのストレスや悩みを抱えている時代だということ。

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つまり、競争や管理という縛りに溢れる現代社会では自分や自分の身近な方など誰にでも直面する可能性のある問題なのです。

さてさて前置きが長くなってしまったようですが、自分がうつ病になったことで初めて見えた景色っていうのもあります。

いろんな経験を通して今の自分ができている。

この経験が誰かの役に立つのかは分からないけど、うつ病やその一歩手前で悩んでいる人や苦しんでいる人に何か伝わればという想いでこの文章を書いています。

うつ病になった経験、心療内科に通った経験、服薬治療した経験、カウンセリングを受けた経験、うつ病を克服できた経験・・・

いろいろと書きたいことはあるんだけど、まず今回は「うつ病の症状の実態」を僕自身の経験から書いていくことにしよう!

うつ病の定義や診断基準は?

うつ病の定義は非常に曖昧。

それは、うつ病の発症原因は一つではなく、それぞれの人の持つ性格的な背景や環境要因によるストレス(経済的要因・社会的要因・個人的要因・周囲の要因)などが複雑に関与していると考えられているから。

同じようなストレスにさらされてもうつ病になる方とならない方がいるし、たとえ生まれつきストレスに強い方でも、離婚や解雇など大きな問題に直面すればうつ病を発症するリスクは十分にある。

同様に、うつ病の診断基準も曖昧です。

診療ガイドラインなどは設けられているものの、医師による問診などの主観的な診断が主となっています。

骨折であればレントゲンを撮って骨が折れているという明確な事実があれば骨折と診断されるけど、うつ病の場合は目で見て客観的に診断できるものがないのです。

つまり、診断基準はその医師によって変わってきてしまうということ。

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ちなみに、うつ病の代表的な診断基準はこちら。

うつ病の診断基準(大うつ病診断基準DSM-IV)

以下の症状のうち、少なくとも1つある。
1.抑うつ気分
2.興味または喜びの喪失

さらに、以下の症状を併せて、合計で5つ以上が認められる。

3.食欲の減退あるいは増加、体重の減少あるいは増加
4.不眠あるいは睡眠過多
5.精神運動性の焦燥または制止(沈滞)
6.易疲労感または気力の減退
7.無価値感または過剰(不適切)な罪責感
8.思考力や集中力の減退または決断困難
9.死についての反復思考、自殺念慮、自殺企図

上記症状がほとんど1日中、ほとんど毎日あり2週間にわたっている症状のために著しい苦痛または社会的、職業的、または他の重要な領域における機能障害を引き起こしている。これらの症状は一般身体疾患や物質依存(薬物またはアルコールなど)では説明できない。

どれも客観的な数値で示すことが難しい項目であるので、医師の主観的判断に身をゆだねるという感じにはなるかと。

近年は医療の進歩により、光トポグラフィーという光学的な手法を使った脳の血流量を計ることによって、うつ病の客観的・科学的な診断につなげる技術も開発されてはいますが、まだまだ一般的な診断方法にはなっていないのが現状。

僕の場合も、こういった検査はなく問診表の記入と医師の診察(簡単な質問)のみでうつ病と診断されたわけです。

このようなこともあり、なかなかうつ病の実態を把握することは難しいことではある。

うつ病の一般的な症状

うつ病はある日突然発症するものではなく、少しずつ心の負担が積み重なって症状が出現してくる病気。

本格的なうつ病へ進行する前に、何かしらのサインとしての初期症状が現れているケースがほとんどです。

だから、初期症状の段階で早期に心身の変化に気づいて対応していくことが病状の悪化の進行を防ぐ上で重要なポイントとなる。

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一般的なうつ病の症状として挙げられるものは以下の通り。

・抑うつ気分(気分の落ち込み)
・不安
・意欲の低下
・睡眠障害
・食欲低下
・疲労感・倦怠感

あくまで一般的に挙げられるものの一部であり、もちろん人によって症状は異なるので参考程度に。

うつ病になって初めて分かったその実態

では、僕の場合はどうだったのか。

初期症状としては、記憶している限り持続的な気分の落ち込み、全身の倦怠感、睡眠障害、食欲低下などといった症状。

二日酔いでもないのに朝起きると吐気に襲われることもあった。

心身ともに疲労しきっているのに布団に入ってもなかなか寝付けず、気が付いたら空が明るくなってきているという日々が続いたことも。

さらに、僕は自殺願望とまではいかなかったけど、毎晩寝る時に「このまま一生目を覚まさなければ楽になれるのに・・・」にといつも思いながら布団に入っているほど追いつめられていました。

僕はこのような症状がありながら我慢して1年ほど仕事を続けていた。

この時は、

「ただ落ち込んでいる状態が続いているだけ」
「いずれ元気になるだろう」
「こんなのうつ病なんかじゃない」

という変なプライドがあり、職場などで周囲に悟られないようにかなり無理をして自然を装って日々生活していた。

案の定、この無理をしていたことで症状をどんどん悪化させていってしまったのです。

頑なにうつ病の可能性があることを認めず、心療内科へ通院することも拒んできた自分。

そんな自分が「これはもう1人ではどうしようもない…」と感じるタイミングがあったんです。

それは、

自分が自分でなくなっていく感覚。

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好きだった食べ物
好きだったお酒
好きだった趣味
好きだったテレビ番組

など、これまで自分が好きだったものが「何で今までこんなもの好きだったんだろう…」と全く興味がなくなってしまったんです。

初期の頃は、休日に友人とお酒を飲みに行ったりカラオケに行ったり、自分の趣味に没頭したりと気分転換は何とかできていたのだけど、

症状が悪化するにつれて、それが一切できなくなってしまったのです。

できなくなったというか、そういう欲望が空っぽになってしまった感じ。

自分の中から楽しいや喜びといった感情が一切湧いてこなくなったのです。

うつ病などで休職している人に対して「うつ病になって仕事休めて羨ましい」と思う方も中にはいると思うけど、

決して"仕事だけ”ができないわけではないのです。

仕事だけでなく、

気持ちよく寝ることも
美味しく食べることも
自分の好きなことに時間を費やすことも

全部できなくなる。

そんな状態が果たして本当に羨ましいのかって話。

今思えば「生ける屍」とはまさにこの時のことを言うんだなって思います。

自分の中ではこの感覚が大きく印象に残っており、これが心療内科へと通院するきっかけにもなった。
(通院には家族のサポートもあって、僕はその一歩を踏み出すことができたわけですが、それに関してはまた別の機会に)

いち早くココロの危険信号に気づいてあげる

自分が、

もしくは自分の身近な方が、

今まで好きだったものに興味を示さなくなってきたのであれば、それはうつ状態を知らせる危険信号の可能性が十分考えられる。

もちろん全ての人に当てはまるわけではないけど。

僕は当時、変なプライドやうつ病に対する偏見が強くてなかなかその現状を受け止めることができなかった。

我慢して我慢して我慢して、症状がかなり悪化するまで心療内科へ通院できなかった。

それが自分の通院するタイミングだったと言えばそうなのかもしれないが、もっと早い段階で誰かに頼ったり通院したりしていれば、ここまで症状は悪化せずに済んだのかもしれない。

うつ病は1人では克服できない。

自分1人で何とかしようと思っていたけどできなかった。
それは自分で体験して強く感じる。

もしあなたが苦しんでいるのであれば、周囲に助けを求めることは恥ずかしいことではありません。

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もし身近な方が何かに悩んでいるなと思っているならば、当人の変化にいち早く気づいてサポートしてあげてほしい。本人にとって周囲のサポートほど心強いものはありません。

ココロが示す危険信号に少しでも早く気づいてあげて下さい。



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