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柳田国男

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柳田国男氏の茶作を基にした民俗学的記事
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記事一覧

池月(IKEZUKI)~海を渡った馬の伝承~

池月(IKEZUKI)~海を渡った馬の伝承~

明日から夏休みか。

中高生の運動部は大会。

大学生は試験。

まずは明日、家族で鰻屋さんへ。

池月(Ikeduki)
①佐々木高綱に下げ渡された源頼朝の青黒色の愛馬の名。額に半月型の白毛があったという。
②石川県の日本酒。酒名は、源頼朝の愛馬が能登島牧山の産であったことに由来。
③宮川成治作曲の吹奏楽コンクール向け作品。2019年9月13日出版。演奏時間は6分30秒。神奈川県横須賀市馬堀(ま

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柳田国男『山島民譚集』

柳田国男『山島民譚集』

小序

河童駒引
・ 鷺之湯鶴之湯鹿之湯貉之湯其他
・ 非類靈藥ヲ知ル
・ 河童家傳ノ金創藥
・ 羅城門
・ 馬ニ惡戯シテ失敗シタル河童
・ 河童ノ詫證文
・ 諸國河童誌ノ矛盾
・ 河童ニ異名多シ
・ 河童ト猿ト
・ 川牛
・ 駒引錢

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柳田国男『山島民譚集』馬蹄石「駒形権現」

柳田国男『山島民譚集』馬蹄石「駒形権現」

「駒ヶ岳」という山名の由来

①残雪の形が駒
②日本馬(東日本)の馬牧があった(輸入馬(西日本)の馬牧は海岸や島)
 →よって駒形神社(そうぜん(蒼前、勝善など)様)は東日本に多い。
③山容が駒(峠を「鞍部」という)

■白羽神社(静岡県御前崎市白羽)
仁明天皇承和4年(838年)2月、元宮である岬の「駒形神社」より遷る。『延喜式』に載る「白羽官牧」の地と伝えられ、旧社地の「駒形神社」は、往古沖で

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柳田国男『山島民譚集』馬蹄石「池月 磨墨 太夫黒」

柳田国男『山島民譚集』馬蹄石「池月 磨墨 太夫黒」

名馬「磨墨」について検索してみた。
生誕地が17ヶ所、墓所が5ヶ所ヒットした。
一体全体、いくつあるんだ?
長文なので、原文には無い小タイトル(地域区分)をつけてみた。

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 「名馬池月は、陸奧七戸立(しちのへだち。注:青森県

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柳田国男『山島民譚集』馬蹄石「水辺に牧を構へて竜種を求む」

柳田国男『山島民譚集』馬蹄石「水辺に牧を構へて竜種を求む」

 牧場というと、私的には「高原」のイメージですが、馬を育てるには水が必要なので、水辺がいい。さらに、「潮風に当たると駿馬になる」という経験則が大陸から伝えられたという。(北条時政の正室・牧の方を輩出した牧氏(大岡氏)の本拠地の大岡牧(静岡県沼津市大岡)は黄瀬川辺、そして海岸(駿河湾岸)にある。また本文に出てくる「愛鷹山」といえば、北条時政の娘婿の阿野全成の阿野庄!)

 「水神」といえば、蛇や竜で

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柳田国男『山島民譚集』馬蹄石「磨墨と馬蹄硯」

柳田国男『山島民譚集』馬蹄石「磨墨と馬蹄硯」

「馬蹄石(ばていせき)」とは、石の表面に、馬が踏んだような窪みがある盆石である。床の間に観賞用として置かれるほか、窪みを海として利用した硯もある。
普通の石を馬蹄石のように加工した偽物もある。本物であれば、20万円の価値はあるという。

※「馬蹄石のルーツは?」
https://ameblo.jp/izunoumi/entry-12628462109.html

 巨岩に窪みがある場合、そこに溜ま

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池田湖畔の馬頭観音

池田湖畔の馬頭観音

三連休の中日である。
雨だと思ったが、雲一つ無い青空が広がっている。
風もある。
最高の洗濯日和である!

最高の行楽日和であるが、
計画通り池田湖畔の馬頭観音の案内板の解読を行う。

馬頭観音は馬の守護仏だという。
日本では愛馬が死んだ場所に馬頭観音像(石仏)を祀るので、
古街道沿いに多い。

 頭の上に馬の首を載せているので、すぐに見つけられる。

■諸星大二郎『暗黒神話』
畜生道や餓鬼道にお

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岡目八目で「但馬」の由来

岡目八目で「但馬」の由来

 7月8日放送のNHK連続テレビ小説『ちむどんどん』(第65回)では、「東洋新聞」の記者・大野愛(飯豊まりえ)が、大型連載のプロットを上司に提出すると、
「熱い思いは感じるが、何を言いたいのか分からない」
と没にされた。それでKJ法(昭和42年発行の川喜田二郎『発想法』)を使ってブレストするのであるが、そこで使われたのが、昭和55年発売のポストイットであった。ドラマの時点(昭和53年)では存在しな

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昨日は七夕でしたね。

昨日は七夕でしたね。



 天の川(ミルキーウェイ)は見られましたか?

 上の写真の撮影場所は、

 比奈郷(『倭名類聚抄』の「駿河国姫名郷」)の竹採公園。

 織姫じゃなくて、姫の前でもなくて、かぐや姫。

 竹から生まれたかぐや姫は、駿河国司のプロポーズを断り、

 富士山頂のコノシロ池の底の仙洞へ。

 ※この伝説は、風刺小説『竹取物語』の原型だとされる。

 そういえば、静岡県磐田市匂坂中と静岡県浜松市東区

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出典にあたる必要性

出典にあたる必要性

【大意】 瀬戸内海には馬島、情島など島の牧が殊に多い。
熊谷直好の帰国日記に、
  赤駒に黒駒交じり遊び来る島の松原面白きかな
と詠んだとあるのは、今の何島の事であるか知らないけれども、安芸国の海中に「馬島」(芸予諸島の島の1つ。愛媛県今治市に属する。江戸時代には今治藩が馬の放牧を行い、これが島名の由来となった)という野馬が多い島がある。但し、この馬を捕って持ち帰ろうとする者の船は、必ず転覆すると

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“龍まちっく” 庄内町

“龍まちっく” 庄内町

 駿馬の竜を父とすること、近世に於ても正(まさ)しく其実例ありき。羽前東田川郡清川村の対岸に竜ヶ池あり。此水は山中の青鞍淵と地下に相通ずと伝へられ、曽て領主が池水を切落さんとせし時にも、掘るに従ひて、底、愈々窪み、漫々として、終に其深さを減ぜざりき。此池にも竜ありて住むが故に、池の空に竜の形をしたる雲の折れ棚引くを見ることあり。酒井侯忠真の治世に、成沢村の農長右衞門が家の女馬、此池の岸に野飼する間

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名馬「磨墨」

名馬「磨墨」

 先輩が選挙で落ちた。不倫とその後の対応が保身に見えたからか。
 そもそも不倫をする政治家は、外国の女性スパイに国家秘密を漏らしそうで怖い(ハニートラップ)。(海老で釣られる鯛になって引退するのは、人材不足の日本にとっては大きな損失だ。)

名馬「磨墨」について調べてみた。
ちょっと検索しただけで、生誕地が17ヶ所、墓所が5ヶ所ヒットした。一体全体、いくつあるんだ?

大陸から馬を輸入した時、馬に

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