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hololive3.0の衝撃波

 西暦79年の今日、ヴェスヴィオ火山は噴火した。
 これにより、古代ローマ帝国における大都市ポンペイは瞬く間に火砕流に埋もれ、火山灰と共に今もその遺跡を確かめることができる。

 一夜にして世界が変わるようなセンセーショナルな知らせ。地図から一つの都市が消える。
 戦争の場合、なるほど都市としての機能が失われ、瓦礫の山と化すことは幾たびもあり、現在もそういった光景は世界中にみられる。

 一方で、一夜で世界が変わるというのは、何も悲劇だけに用いる定型句ではない。確かに著名人の訃報なども強い衝撃だが、スーパースターの誕生や発明などにも、この言葉は用いられる。

 ‥‥「ホロライブ」3.0アップデートを君はもう体感したか。

 ホロライブとは、言わずと知れた大手VTuberプロダクション。先日より、所属VTuberが3.0にバージョンアップし、お披露目配信を各々放送している。

 もはやネタバレなどは無いほど、他のホロメン(ホロライブメンバー)での行動を受けて、新たにお披露目したホロメンにも、新機能を見せてもらう流れがある。
 それは舌だし。近頃はいわゆる「あっかんべー」という表情を日常でも映画等でもあまりしないもの。なので、ここでもそういうニュアンスはない。ではどういうものかと言えば、あの界隈でいうところの「センシティブ」な表情としてだ。

 その使い道やみせかたはそれぞれの方を見てもらえればいい。
 ヤンデレに一家言あると自負している僕として言及しておきたいのは、舌出しの魅力ではなく、目のハイライトオフがもはやメインから外れた一機能である風潮についてだ。

 もちろん、今も現役で実装されており、リスナーからの期待も落ちてはない。
 しかし、「圧」という言葉が界隈にあるように、それは病んでいるほどに愛しているというものより、いわゆるプロレスとしての表情でもある。
 そして3.0では、近づくことで顔に影があらわれる上、ジト目もできる。
 なので、もはやヤンデレという文脈よりも、押しの強さを示している。
 だからこそ、ヤンデレではなく、ハート目など、時として「催眠」を彷彿とさせる目が人気を博しているわけだ。

 以前述べたように、男性向けヤンデレコンテンツは、VTuberの「ヤンデレ顔」と、シチュエーションボイスが現在大きな市場であるが、前者から少しずつヤンデレという意味合いや文字面が消失しつつある点を、特に是非もなく記録しておこうと思ったわけだ。

 3.0という衝撃波は、それまでのヤンデレ顔を見事にぺろりと平らげたのであった。

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