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酒場学 by Syupo

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#塩見なゆ

【SNS不要】地図と好奇心で巡る酒場

【SNS不要】地図と好奇心で巡る酒場

「あなたがそれを言う?」とご指摘を受けそうですが、現代はインターネットで知名度のある居酒屋に一極集中し過ぎているように思います。「ラーメン」や「喫茶店」など、目的型来店が多いジャンルでは同じような現象が起きているようです。

ネットに膨大な情報が集まるようになった今、飲食に限らずありとあらゆる分野で、失敗しないために検索するという行動が標準化しています。家や車、家電などの高級品を買うときの口コミや

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居酒屋の滞在時間

居酒屋の滞在時間

地方を旅行中、列車の乗り継ぎに60分時間があけば「えいや!」と覚悟を決めて、早足で改札を抜け、Googleマップ片手に飲み屋を目指します。

名付けて、「乗り継ぎハシゴ酒」店に到着した時点で、残り50分。このときこそ使いたい言葉「とりあえず生で」と前のめりでオーダーし、料理を2品を決める。こういうときに限って料理が遅いもので、料理が揃った時点で、残り30分。その土地のお酒をぐっとお腹に流し込んでお

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初めて行く大衆酒場の入り方

初めて行く大衆酒場の入り方

大衆食堂よりも、ファミレスの方が落ち着かない。いぶし銀の赤ちょうちんよりも、チェーン居酒屋の方が溶け込めない印象がある。

飲食店で一人飲みをするようになって20年。いぶし銀の百年酒場から、アメリカのスピークイージー、ロンドンのドアマン付きのバーも臆することなく一人利用するようになりましたが、最初からそうであったわけではありません。

今回は「大衆酒場の入り方」と題し、一般的な個人経営の酒場を訪ね

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骨太コンセプトの酒場が最後は残る~生き残る店の特長

骨太コンセプトの酒場が最後は残る~生き残る店の特長

膨大な軒数の居酒屋を取材したことで、だんだんと「続く店」、「淘汰される店」の傾向が見えてきました。

帝国データバンクによると、2023年の居酒屋・カフェ倒産件数は過去最多。そもそも需要に対して店が多すぎると言われている居酒屋ですが、さらに酒類を含む仕入れコストの高騰、人手不足など、コロナ禍以前よりも経営環境は厳しさを増しています。それでいて利用者は、コロナ前の水準で"コスパ"をみてくるため、増加

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ホンモノの角打ちとは

ホンモノの角打ちとは

私が考える最高の角打ちとは、地域の人のたまり場になっている店です。近所の人が集まり、ちょっとしたコミュニティができている店は、飲みに行く価値があります。

なぜなら、私が酒場や角打ちを選ぶ理由は、その場所が持つ「地域性」にあるからです。

地域性と言っても、アンテナショップが意図的に作り上げた“土地の色”とは異なります。 アンテナショップは、ハイクラスの地酒や地元の珍味を取り揃え、丁寧な接客の店員

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