ジ愛のオプティミズム 外伝(第四章)・サムライガールと息づく森 *単話としてもお読みいただけます
第四章・サムライガールと息づく森 バイクの排気音以外に聞こえる音がない。対向車もない、道行く人もいない。
深夜から走っていたから少々非常識な時間に着いてしまったかもしれない。騒音を危惧するが、カーナビ代わりに取り付けられたスマートフォンには午前10時40分と表示されていた。
さすがにもう村人も起きている時間だろう。俺は安堵して、Vツインエンジンの小気味良い鼓動感を感じながら村の家並みを眺めた。
坂を登り切ったところでバイクを路肩に寄せ、目的地の正確な位置を見ようと地図ア