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vol.2 ワインの造り方(基礎編)

※分かりやすくするために分厳密さにかけますので、細かいことを知りたい人は他のしっかりとした本を読んでください。あくまでも初心者の方にお酒を好きになってもらう為に買いていますので。

1.前回の復習&ワインの原材料について

・前回の復習
 お酒(アルコール)を作る際に絶対に必要なものが2つありました。なんだったか覚えていますか?

  はい、その通りです。

      ・ブドウ糖 
  ・酵母
  でしたね。それでは、もうひとつ質問で。酵母がブドウ糖を食べるとアルコールと何を出したでしょうか?
  

 覚えていましたか?そうです。

 ・二酸化炭素です。

 下記のようなイメージですね。
        ↓酵母
  ブトウ糖  ーー→ アルコール + 二酸化炭素

・ワインの原材料って?
 では、ワインの原材料はvol.1でも記載しましたが、なんでしょうか?TOPの写真にあったので、気がついていたと思いますが、葡萄なんです。もちろん、フルーツワインといった葡萄以外の果実を使ってワインを作っているものもありますが、一般的なワインといったら、葡萄が原材料です。

2.ワインのはじまり

 実は、ワインは人類よりも古くから存在しています。もちろん今のような洗練されたものではありませんが。。。ただ、いつからあったか?は定かではありません。
 葡萄は、その成分自体にブドウ糖が入っています。(葡萄だからそりゃそうだw)ということは先ほどの話につなげるとあと酵母があれば、自然とアルコール発酵が起きます。すなわちワインができちゃうんですよね。
 葡萄が地面に落ち、割れ、そのまま放置されていると空気中に待っている酵母菌が葡萄の表面に付着し発酵が自然と始まるんですね。あまり酵母が空気中にいるイメージはないかもしれませんが、普通に存在しているんです。

 ちなみにソフトドリンクと呼ばれるものでも、甘いドリンク系には必ず微量のアルコールが存在しています。酒税法上もアルコール度数1%未満のドリンクはソフトドリンクとなります。基本的に『甘い=ブドウ糖が存在する=酵母がくっついたらアルコール発酵が起きる』なので、微量ではありますが、完全に防ぐのは難しいのです。

3.ワインの製法をイメージしてみよう

 それでは、ワインの製法をなんとなくイメージしてみましょう!!  2.の内容を踏まえるとブドウジュースを作り、放置しておけば、なんとなくワインになりそうじゃないですか? そうなんです、それでもワインはできます。ただし、皆さんが普段飲んでいるモノとはレベルが違いますが。。。
付着している自然酵母だけでは、アルコール発酵が、それほど促進されない為、微量のアルコールしか生成されないです。ですので、ワイン用の酵母を加えることが必要になります。細かい事を気にしなければ大きな工程は下記のような感じになります。

 収穫した葡萄
 ↓ 果梗(軸)を外す:除
 ↓ 皮を破る :破砕
 ↓ 皮と種を取る
 ↓ 絞る :圧搾
 ブドウジュース
 ↓ 酵母を加えて、発酵 :アルコール発酵
 ↓ タンク(樽)に入れる:貯蔵
 ↓ 成分を落ち着かせる。不純物を沈殿させる:熟成
 ↓ 不純物を取り除く :オリ引き、清澄・濾過
 ↓ 瓶につめる :瓶詰
 ワイン


では、この手順で出来るワインは、何色でしょうか? 
考えてみてください。ブドウジュースって紫色のイメージがあるので、そう思ってしまうかもしれませんが、皮をとって中身だけを絞ると透明なんです。(ちょっと黄緑色がかっていますが)ですからこちらの手順で造ったワインは白ワインになります。すごくシンプルにすると

『白ワインの作り方』

 ブドウ  
   ↓ 
絞る(皮と種子は取り除く)
ぶどうジュース
(ブドウ糖がいっぱい)       
   ↓ 
酵母を添加してアルコール発酵
白ワイン


まずは、これで十分です。
 では、赤ワインはどうなるでしょうか?明らかに色がついているので、上記に何かが加わっていますよね。これも色と味の渋みから創造できると思いますが、間違いなく皮が関わっていますよね。ということで先に赤ワインの工程を記載してしまいますと

 収穫した葡萄
 ↓ 果梗(軸)を外す:除
 ↓ 皮を破る :破砕
果汁、果皮、種子の混じったブドウジュース(ブドウ糖がいっぱい) 
 ↓ 酵母を加えて :アルコール発酵 
 ↓ 果皮、種子を漬けたまま発酵 :醸し←ここで色がつきます
 ↓ 絞る(果皮、種子も取り除く) :圧搾
 ↓ タンク(樽)に入れる:貯蔵
 ↓ 成分を落ち着かせる。不純物を沈殿させる :熟成
 ↓ 不純物を取り除く :オリ引き、清澄・濾過
 ↓ 瓶につめる :瓶詰

ワイン

になります。白ワインと大きな違いは、
・果皮と種と一緒にアルコール発酵&醸しを行っている
・絞る(圧搾する)前に発酵させている

です。

『赤ワインの作り方」のシンプルに記載すると

 ブドウ 
   ↓ つぶす(皮と種子を一緒に)
果汁、果皮、種子の混じったブドウジュース 
   ↓  酵母を添加して果皮、種子と一緒にアルコール発酵
   ↓     絞る(皮と種子は取り除く)
赤ワイン 

赤ワインのイメージとしては、皮と種と一緒に発酵行っているんだなーくらいでまずは十分です。白ワインは、透き通ったぶどうジュース赤ワインは皮も種も入った状態のどろどろの液体を発酵させて作っているイメージがまずはもってもらえればとOKです。

4.原材料の葡萄について

 白ワイン、赤ワインのざっくりとした工程はイメージできたと思いますので、それぞれのワインを作る際に使う葡萄について考えたいと思います。

 白ワインは、葡萄の果実の実の部分で作るのでマスカットのような緑色の葡萄でも巨峰のような濃い紫色の葡萄でも作れるのは創造できると思います。実際の大多数の白ワインはこのマスカットのような皮の色の濃くない品種で作成しています。

 一方赤ワインは、その色が葡萄の皮から来ていることを考えると、マスカットのような色の薄い品種では色が付かなさそうだと直感的に分かるかと思います。その通りで赤ワインを作る際は黒葡萄と呼ばれる巨峰のような色の濃い葡萄から作られています。

5.ロゼワインって

 白、赤と紹介してきたので、そのまま素直に次を考えるとロゼって何?ってなりますよね。単純に考えると赤と白をブレンドしているのではないか?って思いませんか?
 たしかに一部のものでそういったものも存在しているのですが、ほとんどのものは別の方法で作られています。それはどんな方法で作られているでしょうか?Let's thinking!!



 ヒント: 赤ワインはどうして色が付いているんでしたっけ?



はい、赤ワインが色付いているのは、皮と種と一緒にアルコール発酵&醸しを行っていたからですよね。ということはこの発酵&醸しの途中で皮と種を取ったらどうなるでしょうか?そうです。色がそれ以上濃くなることはなくなりますよね。
 ということで正解は、ロザワインは、赤ワインと同様の作り方で、適当に着色した時点で分離しているんです。

(もちろん、それ以外の方法もありますが、まずはこのことさえ覚えておけばいいと思います。)

6.ワインの甘口とか辛口ってどうしてできるの?

 白ワインやロゼワインのボトルの後ろのラベルをみると、甘口とか辛口とかって良く買いてありませんか?これ何によって変わるんだろう?と思っている方も沢山いらっしゃると思います。
 再度、白ワインの作り方を思い出してください。

ブドウ  
   ↓ 
絞る(皮と種子は取り除く)
ぶどうジュース
(ブドウ糖がいっぱい)       
   ↓ 
酵母を添加してアルコール発酵
白ワイン

 ぶどうジュースは、ブドウ糖が豊富でめっちゃ甘いですよね。そこに酵母を加えると、酵母がブドウ糖を食べてアルコールと二酸化炭素を出します。
ということは、このアルコール発酵をブドウ糖がなくなるまでおこなったら、甘くなるでしょうか?辛くなる(正確には甘くなくなるかなw)でしょうか?
 ⇒そうです。糖分がなくなるまで発酵を行ったら、辛口になります。では甘口にするためにはどうしたらいいでしょうか?
 ⇒単純です。甘口にするには糖分が残った状態で発酵を止めればいいだけです。

7.フルボディって何?

 なんとなく、良く聞くワードですが知らないと何のこっちゃ?って感じになりますよね。こちらのワードは、赤ワインのボトルの裏に良く記載があります。ミディアムボディとかライトボディとかも。これは日本語にない表現なので一言で表すのが難しいです。
 こちらも赤ワインの工程を思い出して欲しいです。

ブドウ 
   ↓ つぶす(皮と種子を一緒に)
果汁、果皮、種子の混じったブドウジュース 
   ↓  酵母を添加して果皮、種子と一緒にアルコール発酵
   ↓     絞る(皮と種子は取り除く)
赤ワイン 

 味わいが変わるのは、この果皮と種子を入れてアルコール発酵させたときになりますよね。したがって果皮や種子の種類は醸す時間の変化から抽出される成分の出具合が変わるんことが創造できます。
 したがってこのときに抽出される成分の多いものはより複雑な味わいになり、ふくよかさやコク、重厚感が出てきます。このへヴィで複雑さの度合いの高いものがフルボディ、逆に飲みやすくすっきりとしているものがライトボディ、その中間がミディアムボディといった表現になります。客観的に指標がないので、飲む方の捕らえ方によって変わってはくる部分ではあります。
 色合いと比例している面もあるので、明るい色のものはやはりライトですし、濃厚な色をしているものは複雑な味わいになっていることが多いです。

8.まとめ

 イメージを持ってもらう形で書いていますので、正確ではありませんが、ワインの工程の概要をつかむにはこれで十分かと思います。理解が進んだら1つづつまた知識を加えていけばいいと思いますし、さらに詳しい事はお店でバーテンダーやソムリエの方に直接聞いた方が体験とともに記憶に残りやすいとも思いますので、そちらをおススメします。
(今後、こちらでも少しづつ薀蓄とともに書き加えては行く予定です。)

本日の内容を簡単にまとめると下記の表になります。再度チェックしてみてください。では、またー。

ワイン比較

白ワインと赤ワインの作成工程の違い
A..搾る(圧搾)タイミング
B.皮、種子を取り除くタイミング
C.発酵させるタイミング  
の3つの順番に違いがあります。  
白ワインは、A⇒B⇒C、赤ワインは、C⇒B⇔A









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