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木曜日の朝に。 28朝

「おはようございます。」

もっそりと起きて、白湯を注ぎながら、眠い目を擦る。もっさんもっさんの寝ぐせ頭は、もういい加減切りに行かないと。
通っていた美容室から突然、閉店のお知らせハガキが届いて、ぽっかり美容室難民になってしまった私。娘が着付けでお世話になったKaoriさんのとこに行こうかな。

卵焼きは上手く焼けた。

次女と三女は、同じような色のベージュの上下で(次女が着ているのは私のだけど)、目の端に見ると、どっちがどっちかわからない。
「今日、帰り何時だっけ?」
「中部活やから、昨日と一緒。」と次女。
あ、三女に聞いたつもりだった…
という具合に。

「いってきまーす」
と慌ただしく出かけていくのも、似たような制服姿で、どちらにせよ
「いってらっ(しゃーい)」
で、「しゃーい」まではどうせ聞こえていない。


今週のはじめ、

母のもとへ地元紙の取材が入った。業務用食器や、有名ブランドの絵付を請負っているけれど、末端の手作業で表に出るような仕事ではない。それでも、衰退していく地場産業の伝統的な手仕事を、今なお続けている、数少ない工房をぜひ地元紙で紹介したい、とのことで。

私も仕事をしながら同席し、ちょいちょい茶々を入れながらいたけれど。

好調に話しはじめた母は、とめどなく喋り、興にのって話はあちこちし、いったいどっから話すねんっ!とツッコミを入れられないまま(入れたとて止まらないけれど)、とうとう
「私の父は指物大工でね…」
と、戦後の祖父と祖母の出会いにまで及んでいた。

あーぁ、こりゃ長いぞ…。

というのも、取材にみえた記者の女性は、母のよく知る旧家の娘さんで、ゆえに母は気をゆるしリラックスしすぎて話がとまらなくなったようだ。よくもまあそんなに…くらい、早口にツルツルと。落語かなんか、もうテンプレートとして彼女の中にあるものなのだろう。

記者さんはこの長い長いお話を(ボイスレコーダーに録音されて)、どうやって記事にまとめるんやろ…と、そんな心配ばかりしながら手を動かしていた。

ともあれ、

取材はようやく終えたのだが。

その後母と話していると、
「あの子(記者さん)ね、昔スチ…スチュワーデスさん(CAさんね、と正す)やったんやよ。ライターかなんかの人と結婚して、実家におったんやけど、実のお姉さん夫婦と折合い悪くなってねぇ…。苦労されたんよ…。」と。

ちょいちょいちょい。

「お家柄がお家柄だけに、家を出されてしまってね、結局、実の父親の葬儀にも親族席やなしに、一般の参列者たちの中にそっとおったんやよ…かわいそうやったわ…」

いやいや。

え。

記者さんのエピソードの濃さよ。

小説みたいやん。
何その、元CAさんとライターの夫と、由緒あるお家柄の親族関係、小説みたいやん。

気になるわ~。
確かにスラリとお綺麗な人だったもの。話し方も落ち着いて、雰囲気ある人やったもの。

はぁ〜、そっかぁ〜。
人にはいろんな背景があるもんだなぁ。

さて、そんな今朝は、やっぱりこの曲。
ドラマ、私も見ています𑁍𓏸𓈒 空気感がとても好きです。


気温が上がって下がって、なんだかいつもの秋とは違うようだけど、公園の葉っぱたちはかわいいオータムカラーでした。

🍁

𝐇𝐚𝐯𝐞 𝐚 𝐧𝐢𝐜𝐞 𝐝𝐚𝐲🎧

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