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自己肯定感が低くてもいいじゃん


わたしは自己肯定感がひくい。

頭もわるければ、イケメンとはかけ離れた顔に、ふとめの体型。機転が利くほうでもない。出不精だし、気合いも根性もない。それから仕事で言えば、ライターだけど筆もおそい。
ポジティブになれる要素がないのだ。「ひとより秀でている」と胸を張って言えるようなものがまったくない。学生時代から、もう10年以上ずーっと負けっぱなしである。そりゃあ自己肯定感が高くなろうはずもない。

一般的には自己肯定感は高いほうがいいと言われているだろう。「ネガティブに考えているとわるいほうに引き寄せられてしまう」とか、「ナントカの法則」みたいなそういった類のものをよく聞く。「ネガティブに生きるよりもポジティブに生きるほうがいい」という気持ちはまぁ、わかる。

時には「アンタそんな考えじゃダメ!!」なんて怒られが発生してしまうこともある。いやぁ、いいじゃないですか。こちとらこれでもうずっと生きてきたんですから、と言いたくなるのだが、だいたいそういうひとには許してもらえない。ポジティブ警察はこわい。はいはいそうですよねわかりました、わたしが悪うございました。これからは性根を入れ替えて、自分を肯定して生きて参ります。そんなフリだけしてそそくさと立ち去っていく。自分が変われるとおもっていないし、そもそも変えるのもめんどうなのでイヤなのだが、他人は変えられないのだから、その場だけでもこちらが合わせるしかない。

でも、ちょっと待ってほしい。「自己肯定感がひくい」ってそんなにわるいことなんだろうか

たとえば、わたしは嫉妬をあまりしない。そりゃあ人間だからまったくしないわけじゃないけども、そんなにはしない。理由はいくつかあるが、そのうちのひとつが自己肯定感がひくいことだ。

だって、自分よりすごいひとがすごいのって当たり前じゃないですか。イチローが何千本もヒットを打つことや、ビートルズの音楽がいまでもあんなに多くのひとに愛されていることに嫉妬をするひとって、たぶんそんなにいないと思うんですよ。自分と比べる土俵にないから。

嫉妬って、自分とおなじくらいか、自分より低く見ている相手だからそういう感情を抱くわけで。仲のいいライターさんがあたらしくいいところで書く、という話を聞いても「そうか、あのひとすごいもんな。がんばってほしい!」としか思わない。自分よりもできるひとが活躍するのは当たり前なんだから。

もちろん、嫉妬をしないということがいいわけでもない。それを表に出してやっかんだら格好がよくないが、内心くやしさをバネにしてがんばるひともいるだろう。そういう気持ちになれないことはマイナスなのかもしれない。ただ「負の感情のうちのひとつを抱きにくい」というのはちょっとラッキーな気はしている。
あと、くやしさをバネにできなくても、「あんなすごいひとでもがんばっているんだから、わたしもがんばらなきゃ」って思うことはできる。なので、わたしにとっては「嫉妬をしない」ということから受けるメリットのほうが大きいように感じている。


そう言えばこの前、遅刻に関するツイートを読んで思ったことをnoteに書いた。

遅刻に怒るのってナンセンスだなぁ。
だって、「待ち合わせに時間通りに来ること」が目的じゃなくて、待ち合わせたあとに遊びに行くなり、なにかを観るなり、食事に行くなり、一緒にたのしい時間を過ごすことが目的のはずじゃないですか。
待ち合わせはあくまでも手段であって目的じゃないのに、時間を守る守らないで争うって本末転倒だなぁと思うのです。
待ち合わせの時点で怒ってたら楽しくないし、怒らせちゃうのももったいない。だからお互い、相手を不快な気分にさせないように気を付けたほうがいいってだけの話だよね、と思うのだ。
自己肯定感が高いひくいの重要性も、それに似たようなものを感じる。


たとえば、東京から大阪に行くのが目的であるならば、乗り物は飛行機でも、新幹線でも、夜行バスでもなんでもいい。歩いてだって、いつかはたどり着けるでしょ。ぜったい自分でやりたくはないけども。
到達する時間に差はあるかもしれないけど、結果的にはおなじところに着けばいい。「何日の何時までに」って制約がついちゃうと、そうは言ってられなくなっちゃうけどさ。
すこし遠回りでも、結局のところ世のなか自分が多少生きやすく、たのしんで生きていれたらいいんじゃないのかな。

人生で大事なのって、「自己肯定感が高いこと」じゃなくて、「しあわせにたのしく生きる」だよね。だから、自分の欠点を改善することにとらわれて、結果生きづらくなっちゃうのって、なんかもったいないような気がしている。
自分が「こういう自分をやめたい」って思うなら、そこから脱出できるようにがんばればいいし、思わないなら無理にやらなくてもいいんじゃないかしら。
ぜんぶがぜんぶ、100%いいもわるいもないんだから、「自分にはこういうデメリットはあるけど、こういうメリットもあるからいいよね」って思えたら、それってハッピーなことなんじゃないかなぁ。

だからわたしは、自己肯定感がひくい自分のことを認めて、いまのままで明るくたのしく過ごしていこうと思う。
あれ?これってもしかして、自己肯定感がたかいってこと?うーん、よくわかんなくなってきたぞ。むずかしいな、自己肯定感。


#エッセイ #日記 #コミュニケーション #人間関係 #思考 #価値観

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