好きな人の全てを、好きである必要はないと思う。

かつて一緒に、同じグループを推してた友人がいた。

「僕はもう、彼らのことが好きでは無いのかもしれない」

そう言って、彼は去っていった。

なぜ？と聞いてみると、方向性が馴染まないからだと言う。

気持ちはよく分かる。
好きな人が、好きだった理由とは逆の方向に進み始めたり、想像していない一面を垣間見た時に、寄り添ってくれなくなったような気持ちになる。

そこでふと、

好きな人の全てを、好きでいる必要はあるのか？

と自問してみた。

推しに限った話では無い。
日常でも、この手の現象はよくあると思う。

自分がすごく尊敬していた人だったり、好きな人が、自分にとって嫌な行動をすることはよくある。

なんか裏切られた気持ちになって、反動で急に嫌いなってしまったりする。

でもそれって、ちょっと勿体ない気がする。
好きだった一面とは別に、嫌いな一面が現れただけ。

もちろん、嫌いな一面が強烈過ぎて、
好きを軽々とオーバーすることもあるけど。

思うに人は、一面だけからでは測れない。
僕が見ているあなたは、あなたの一面でしかない。

たった一面だけから人を決めつけるのは、ちょっと早い気がする。

人の本質は、思ってるより複雑なんだと思う。
僕自身、自分という人間がよく分からない。

好きな人の全てを、好きでいる必要なんかない。

好きな人に嫌いな一面があってもいいし、
無理をして、嫌いな部分まで好きになる必要も無い。

好きな一面と、嫌いな一面を天秤にかける。

それでも無理だなと思ったら、離れればいい。

まだ好きでいられそうだなと思ったら、好きな面をどんどん探して、嫌いな一面を上回らせてしまおう。